アヤベside
「……はい、バッチリで~す!」
「いやぁ~アドマイヤベガさんのおかげで予定していたよりも早く撮影が終わりそうですよ。」
アヤベ「後どのくらいで終わりそうですか?」
「後2~3枚くらいです。準備が出来ていたらすぐに始めちゃいますけど、大丈夫そうですか?」
アヤベ「はい、大丈夫です。」
撮影を初めて数十分くらいかしら?私の方はもうすぐ終わりそうなところまで来たわ。カレンさんの方は分からないけど、あの子宛に依頼してきたくらいだからまだまだ撮る量はあるでしょうね。でも、トレーナーさんはどうしているのかしら?
アヤベ「あの、トレーナーさんはどうしてるのか分かりますか?」
「トレーナーさんでしたら、きっと今頃試着とかしていると思いますよ。流石に監督も依頼を出していない人にソロでの撮影はしませんよ。」
アヤベ「……そうですか。」
「じゃあパパッと撮影しちゃいましょうか。」
アヤベ「はい、お願いします。」
そしてそれから数分で私の分の撮影は終了したから、カレンさんの様子を見に行く事にしたのだけど……
「良いね~とっても可愛いよ~カレンちゃ~ん!」
カレン「えへへ、ありがとうございます~♪」
「……うん、この分の写真もOKだね。じゃあ1番良い写真は現像して渡すからね。」
カレン「はい、どうもです~。」
「それじゃあこのまま次のも行っちゃおうか!カレンチャンは平気かい?」
カレン「まだまだ行けるので大丈夫で~す!」
「流石!じゃあやろっか!」
………凄いわね。雰囲気がとっても和やかというか、楽しそうな雰囲気になってたわ。けどカレンさんはこの雰囲気の方が好きそうよね。
カレン「あっ!アヤベさ~ん、もう終わったんですか?」
アヤベ「えぇ、こっちはもう終わったわ。貴女は後どのくらい残ってるの?」
「カレンちゃんの方も後もうすこしだから、近くで待ってても構わないよ。」
アヤベ「……いえ、トレーナーさんが気になるのでそっちに行きます。」
カレン「後で一緒に撮影しましょうねっ♪」
……今のは反応しないでおきましょう。私はトレーナーさんの居るスタジオに足を運んだ。
アヤベ「……此処ね。トレーナーさん、どうしてるのかしらね。」
八幡「呼んだか?」
アヤベ「っ!中に居なか……」
八幡「……何だよ、人を見るなり固まりやがって。」
アヤベ「………貴方、人が変わったって言われなかった?」
八幡「セットとか諸々終わって人に見てもらったら『誰?』って言われた。鏡見ながらやってたから俺も自分が変わる様子見てたけど、マジで目の前に居るコイツ俺かって思ったしな。」
アヤベ「いつもそれだったら、周りからチヤホヤされると思うわよ。」
八幡「見た目が変わっただけで得られる人気なんてたかが知れてるだろ。それにセットする時間があるんだったらトレーナーの仕事するわ。」
アヤベ「なら、今日の貴方を見られる私達はとても貴重な体験をしている、という事かしら?」
八幡「まぁそういう事だな。」
アヤベ「もしかしたら、カレンさんがこっそり写真を撮ってウマスタに投稿するかもしれないわよ?」
八幡「その時はお前も道連れにする。お前、俺を撮影に引きずり込んだの忘れてないからな。」
アヤベ「……その時は一緒に逃げましょう?」
八幡「そうだな。此処で仲間割れするくらいなら一緒に逃げた方が得策だな。」
アヤベ「でも撮影で撮った写真をそのままウマスタに上げるかもしれないわね……」
八幡「……逃げ場は無いのかもな。」
トレーナーさんと色々話して少し時間が経った後、カレンさんもこのスタジオに入ってトレーナーさんを見るなり『どちら様ですか~?』って言ってたわ。それだけトレーナーさんの見た目に変化があったという事ね。
八幡「分かってはいたが、そこまでとはな。」
カレン「だって本当に別人だったんだもん!アヤベさんは分かったんですか?」
アヤベ「タキシードを着るのはトレーナーさんって決まったじゃない。」
八幡「お前は声だけで分かったようなもんだろ。」
監督「じゃあ最後の撮影、ツーショット撮影に入りますね。いやぁ~トレーナーさんもバッチリ決まってて良かったですよ~!もしウマ娘のトレーナーさんじゃなかったらウチにスカウトしていたくらいですよ。」
八幡「(お世辞を)どうも。まぁ俺は脇役なんで適当にやりますよ。」
監督「適当じゃ困りますよトレーナーさん!最高の1枚が撮れるかもしれないんですから!」
カレン「そうだよお兄ちゃん!手を抜いてはいけませんっ!」
八幡「でもよ、お前っていうかカレンがメインの撮影だろ?俺やアヤベが目立ってもしょうがないだろ。」
アヤベ「トレーナーさんに賛成。」
監督「た、確かにその通りですが、一応カメラに映るんです。真剣にお願いしますよ!」
八幡「はぁ……」
カレン「そういえば監督さん、撮影では3人で撮ったりもするんですよね?」
監督「うん、そのつもりだけど?」
カレン「お兄ちゃん、アヤベさん。いいよね?」
八・ア(あぁ、やっぱりか………)
トレーナーさんも観念も私もこうなる事は分かっていたから、粘るような事はしなかったわ。だって余計に疲れるだけだもの。