八幡side
時刻は14時になって、カレンは今パドックに居る。後1時間もせずに香港スプリントが発走される。カレンの人気は3番人気となっていて、1番人気は昨年の香港スプリントを制覇したラッキーナインというウマ娘だ。因みにロードカナロアは7番人気に落ち着いた。重賞1勝だけにしては人気を集め過ぎだと思われるだろうが、カレンを2度も追い詰めている事が評価されているんだろう。今回のダークホース枠だな。
しかし、メインがスプリントだからか盛り上がりが全然違うな……さっきの香港ヴァーズよりもデカい歓声だ。まだパドックだってのに。
実況『続いては7枠8番、日本最強のスプリンターのカレンチャンです。』
解説『日本の短距離GⅠを3連覇した実力あるウマ娘です。初めての海外戦ですが、実力を出し切ってほしいですね。』
……解説が何て言ってるか分からないが、まぁきっと『初の海外だから頑張れ。』的な事を言ったんだろう。
っていうか思ったんだが、カメラで撮影するのは構わないけどフラッシュ焚くなよ。完全に迷惑だろ……こっちではコレが普通なんだろうが、日本ではフラッシュ禁止だから。まぁ俺が何か言ったところで意味は無いから心の中に留めておくけど。
八幡「けど、これでカレンも引退かぁ……」
ーーー控え室ーーー
カレン「凄かったなぁ~。日本ではフラッシュ禁止だから気にならなかったけど、こっちは凄かったよ!辺り全部チカチカしてたもんっ!」
八幡「やっぱお前も同じ事を思ってたか……まぁ写真を撮って撮られてのお前なら慣れてるだろうから大丈夫だと思うが、ロードカナロアは大丈夫かね?」
カレン「それが………」
八幡「?」
ーーー回想・パドックーーー
カナロア「あぁ~!!パシャパシャパシャパシャ勝手に何回もっ!!しかもフラッシュとか何なのっ!?こっちの集中切らしに来てるのかなっ!!?」
カレン「ま、まぁまぁ。それにこっちではこれが普通みたいだしさ、文句を言ってもしょうがないよ~。」
カナロア「カレンはそう言うけどさ、私別に撮っていいなんて一言も言ってないし!!写真とか動画撮るならまずこっちに許可取るべきでしょ!!ひとっっっこともそれが無いから余計にさぁ~!!」
カレン「あはは………」
ーーー回想終了ーーー
カレン「っていう事があったんだ……」
八幡「……荒れまくってんな。」
カレン「うん、返しは大丈夫かな?」
八幡「いや、寧ろそれが走りに繋がったら凄い事になると思う。もしかしたらこの香港の人達は敵に塩を送ったのかもしれないぞ?」
カレン「お兄ちゃんが前に言ってた、激しさって事?」
八幡「そうだ。今、正に言葉の通りになってないか?アイツは今、カメラのフラッシュのせいで今までに無いくらい苛立ってるんだろ?ならそれを走りに変えてやれば……」
カレン「高松宮記念やスプリンターズSよりも凄い走りが出来ちゃう、って事になるよね。」
まぁあくまでも可能性の話だ。どう転ぶのかは本人次第だしな。
ーーー数十分後ーーー
実況『さぁもう間も無く香港GⅠ第2弾、香港スプリントが発走します。日本からはカレンチャンとロードカナロアが参戦しております。香港GⅠではこの香港スプリントだけ、未だ日本が制覇出来ていません。そして今年は1番、勝つ可能性が高いと言っても過言ではありません。さぁ次々とゲート入りが進んで残すは大外のラッキーナインを残すのみ。日本のカレンチャンとロードカナロアは既にゲートの中でスタートを待っています。さぁラッキーナインゲートに入りました!今年の香港短距離王者は誰だっ!?』
ガッコン!!
実況『スタートしましたっ!少しバラッとしたスタートになって先行争いはアドミレイションが先頭に立ってその後ろにロードカナロアが2番手!内からキャプテンスウィートとリーディングシティーが3番手争いっ!その後ろから虎視眈々とカレンチャンがこのグループの先頭。日本の悲願叶うか香港スプリント!間も無く3コーナーをカーブしていきます!先頭はアドミレイションとリーディングシティーの2人!』
あの位置ならまだ大丈夫か……狙うのだとしたら直線に入ってからだな。きっとカレンもそこを狙っているだろう。
実況『さぁ4コーナーをカーブして直線勝負に入りましたっ!!先頭はキャプテンスウィート粘るがリーディングシティーはここまでかっ!?その中からロードカナロアが一気に先頭を狙うっ!!その後ろカレンチャンも最内を突いて上がってくる構えだっ!さぁロードカナロア先頭に立った!!日本が先頭に立った!!内から懸命にカレンチャンも上がっている!そしてもう1人中からセリースチェリーも2番手争いに加わるっ!!抜けたロードカナロア、強いっ!!2バ身のリードを保って今ゴールインッ!!何とロードカナロアがこの香港の地で堂々と初のビッグタイトルを戴冠しましたっ!!そして地元香港勢のウマ娘を粉砕しましたっ!!2着はここからでは少し分かりませんっ!内から伸びたカレンチャン、粘ったキャプテンスウィート、最後伸びてきたセリースチェリーの争いです!』
八幡「……負けたか。」
にしても、1着から2着までの差が2バ身とはな……次の短距離路線を引っ張るのが誰になるのかは決まったな。