比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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おかしな様子と愚痴

 

 

八幡side

 

 

合宿が始まって早3週間が経過した。エアグルーヴもフジキセキも良い動きになっている……のは確かなのだが、エアグルーヴの様子がなんかおかしい。いや、トレーニング内容的には問題無い。寧ろ不調の頃だった動きを帳消しにするくらいの良い動きだった。だがなんか俺に視線を向けてくる時と逸らす時が前に比べて凄い頻度だ。何かあるのなら言ってほしいのだが、そんな感じでもないんだよなぁ………フジにもそれとなく探りを入れてもらってるんだが、報告はまだだ。

 

 

※ちょっと?学生にスパイやらせないでくれません?

 

 

俺個人でもどうしたもんかと思考を巡らせてはいるが、全く分からん。生憎、女には全く詳しくないからな。雪ノ下さんの事件後は険悪で、誤解を解いた後はなんか落ち込んでて、宝塚が終わった今では……何だろう、よく分からん。様子がおかしいのは確かなんだが、トレーニングの動きは格段に良い。何だこれ?

 

 

フジ「ふぅ〜……八幡トレーナーさん、終わったよ。」

 

エアグルーヴ「完了だ。」

 

八幡「おう、お疲れさん。今日のメニューはこれで終了だな。お前達はこの後どうすんだ?確か夏祭りが今日からだったよな?」

 

フジ「私は見回りに行くよ。見回り兼お楽しみ、かな。楽しまないと損だからね。」

 

八幡「お前らしいな。エアグルーヴは?」

 

エアグルーヴ「………っ!私もフジと同じで見回りだ。羽目を外し過ぎる生徒が居なければいいが。」

 

八幡「スペとオグリ以外は心配ないだろ。」

 

フジ「じゃあその2人も注意して見回ろっか。」

 

 

フジはそう言って拠点に帰って行ったのだが、エアグルーヴはその場に立ったままでいた。

 

 

八幡「……おい、どうした?フジ行っちまったぞ?」

 

エアグルーヴ「っ!?そ、その……なんだ、お前は祭りに行くのか?」

 

八幡「祭り?いや、行かねぇ。外出自体がそんなに好きじゃねぇからな。部屋でメニュー作りとかなんかしてるかもしれん。」

 

エアグルーヴ「そうか……ではな。」

 

 

アイツ何で残念がってたんだ?表情は普通にしてたが耳で丸分かりだ。普段から立ってる耳がちょっと垂れてた。まぁいい、俺も早く部屋に戻ろ。

 

 

ーーー八幡・自室ーーー

 

 

八幡「はぁ〜……疲れた。アイツ等ホント必死過ぎだろ。毎日毎日よくもまぁ飽きずに来るもんだ。」

 

シービー「ホントだよね〜。幾ら八幡の料理が超絶美味しいからってさ〜。」

 

八幡「はぁ〜………ところでさシービー?」

 

シービー「うん?」

 

八幡「ちょいと失礼。」

 

 

俺はシービーの着ている服の襟を掴んでから、扉の外……廊下へと放り投げた。

 

 

シービー『ちょっと八幡~!!幾ら何でもこれは酷いって~!!横暴だ~中に入れろ~!!』

 

八幡「あぁ~うるさいうるさい。ていうかお前、何しれっと俺の部屋入ってきてんだよ。一瞬恐怖を覚えたぞ。少しは遠慮を覚えろ。」

 

シービー『いいじゃん別に!八幡と一緒に居たいんだから!ちょっとくらいなら別にいいでしょ!?』

 

 

うわぁ〜この台詞、高校時代に聞きたかったもんだわ〜。今更聞いても嬉しくねぇ〜。

 

 

シービー『……それにさ、いつか言ったじゃん?愚痴くらいなら聞くって。八幡何にも言ってくれないんだもん。心配にもなるって。』

 

八幡「………」

 

 

ガチャッ

 

 

八幡「……入れよ、愚痴も文句もねぇけどよ。」

 

シービー「……うん。」

 

八幡「俺なら大丈夫だ。悪い噂なんて今ではあまり立ってないんだからよ。お前が心配する必要はねぇよ。」

 

シービー「あたしだって分かってるよ、八幡がそれくらいでへこたれるような人じゃないって。けどさ、学園に居るとどうしても聞こえちゃうんだ。」

 

八幡「……気にしない方が無理、って事か。」

 

シービー「………」コクッ

 

八幡「まぁ、女ってのはそこら辺敏感だしな。特にお前達は人よりも耳が良い。聞こえなくてもいいものまで聞こえるのは仕方ない……で、済ませられれば楽な事はねぇもんな。何聞いたんだ?」

 

シービー「いつもの内容と変わりないよ。けどあたしは知ってるもん、八幡の力は本物だって。それにあたし八幡の部室にもトレーナー室にも行った事ある。だから分かる、八幡が誰よりも努力してるって。見えない所で人一倍努力してるって。そうでなきゃあんな量のトレーニングノート、書けるわけ無いもん。」

 

八幡「………」

 

シービー「だからあたしは許せない、エアグルーヴの有名税とか色んな悪口で八幡を貶してる人達を。」

 

八幡「………そうか。」

 

シービー「………」

 

 

………なんだかんだ言って、俺の事を1番に見ていたのはシービーだったのかもしれないな。俺の事を気に入っていたから、トレーニングに参加したいから、一緒に居て楽しいから、なんて色々な理由を聞いては一緒に居たが、こんな風に考えていたとは知らなかった。

 

 

八幡「………新しく担当にするウマ娘、3人目は結構絞られてくるかもな。」

 

シービー「あたしを選んではくれないの?」

 

八幡「バカ言え、今の聞いて俺が何とも思わない奴に見えるか?第1候補だっての。」

 

シービー「……ふふっ、やった♪」

 

八幡「まっ、話が来るまでは待つしかねぇけどよ。」

 

シービー「それまでは八幡の元でトレーニングをさせてもらうよ?いいよね?」

 

八幡「今更断っても意味ねぇだろ?好きなだけ参加しろよ。それに、お前には言っても無駄だって理解してっからよ。」

 

 

 




おや、エアグルーヴさんの様子が?

シービーにも漸くチャンスが!?
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