八幡side
八幡「……よし、これで大丈夫だな。後は箱に入れてだな。」
「八幡、準備は出来た?」
八幡「あぁ、完璧だ。」
「抜かりは無いみたいね。それじゃあ行きましょうか。」
八幡「あぁ。」
「じゃあ車に乗って【♪~♪~】あら?会社からだわ。ちょっと待ってね、はいもしもし……はい、そうです。えっ!?お休み出ちゃったんですか!?他の人は……あぁ、有給で……分かりました、今向かいます。」
八幡「もしかして会社からか?」
「えぇ、他の人達は有給で居ないから私にお鉢が回ってきたみたい。八幡、悪いんだけど「気にすんなよ。アイツには俺から言っておく、文句なんて言わないだろう。」ごめんなさいね。」
八幡「あぁ。じゃあ母ちゃんは会社に行けよ。」
「学園にくらいは送っていくわよ。ほら、乗りなさい。」
ーーートレセン学園校門前ーーー
八幡「ありがとな、母さん。」
「えぇ、じゃあ私も行くわ。楽しんでね。」
八幡「あぁ、頑張ってな。」
「うん。」
八幡「……さて、行きますか。」
今日はトレセン学園の感謝祭の日で一般開放されている日だ。俺も妹から招待を受けて母さんと一緒に行く予定だったのだが、母さんは会社に急遽呼ばれたからそっちに行く事になってしまった。
八幡「しかし色んな店にあるな……色々なウマ娘も居るし。」
妹のクラスは確か……中等部のE組だったか?
ーーー中等部2-Eーーー
八幡「此処か……よし、入るか。」
ガラガラ~
八幡「……ほう、絵の展示か。中等部の展示にしては中々渋いな。」
おっ、あった。へぇ~……相変わらずだな、誰にも負けないってのが絵にも溢れてやがる。
???「あら、来たのねお兄ちゃん。」
八幡「……この絵を見て相変わらずだなって思ってたところだ。久しぶりだな、アイ。」
アイ「久しぶりね、お兄ちゃん。」
目の前の絵の作者である俺の妹、アーモンドアイが現れた。母親と似て目がキラッキラしてんなぁ~……何で俺には受け継がれなかったんだか。
八幡「はい、コレ。お前から注文されてたヤツな。」
アイ「作ってきてくれたのね、ありがとうっ!もしかしてだけど、この前のよりも良く出来ていたりするのかしら?」
八幡「そこはお前の目利き次第だな。」
アイ「……っ!今度は青と銀にしたのね。」
八幡「前に作ったのは赤と金だったからな。本当は控えめな水色にしたかったんだが、それだとどうしても銀がメインになるからな。前に少しだけデザインも控えめにしてる。」
アイ「……うん、私的にはこっちの色合いやデザインの方が好きね。前のも豪華で良かったけど、ちょっとキラキラが強過ぎたから。」
八幡「それは俺も思ってた。まぁその時は俺がまだ未熟だったてのもあるな。」
俺の職業は所謂、箱職人ってヤツだ。主に作っているのは桐箱っていう木箱なんだが、家族やアイの要望で金属を使った宝箱を作ったりしている。流石に大きな金属を扱う事は出来ないから最大でもアクセサリーケースくらいだ。アイに渡した宝箱も金属を使ったものだ。高さ10cm横20cmの横長で金属は銀色で表面の色は青にしている。
アイ「ありがとうお兄ちゃん、大切にするわ。はぁ……お兄ちゃんのこういう器用なところにはいつになっても勝てる気がしないわ。」
八幡「俺の職業にまで負けず嫌いを発揮されたら堪らないって……まぁ簡単な木箱の作り方くらいなら教えてやるから。」
アイ「えぇ、約束よ!」
「アイちゃ~ん、何してるの~……って何それっ!?」
「わぁ~綺麗な宝箱~!」
「おしゃれ~。ねぇ、コレどうしたの?」
アイ「お兄ちゃんに頼んで作ってもらったの。この人が私のお兄ちゃん、実は箱職人なの。」
八幡「妹がいつも世話になってるな。これからもよろしく頼む。」
「あのっ!こういうのってまた作れたりするんですかっ!?」
「私にも作ってほしいです!」
八幡「俺の専門は桐箱なんだが……まぁアイと同じくらいのサイズなら何とかなる。まぁ後は料金も発生するから、支払いが出来るか?」
「あぁ~そっかぁ~……」
「だよね~そういうのもあるよね~。」
アイ「そうね、お兄ちゃんのお仕事だものね。でも幾らくらいなの?」
八幡「今回のは木材や金属の諸々の費用含めて3,000円くらいだな。」
「えっ、3,000円っ!?3,000円でこの完成度っ!?お兄さん、私にも作ってほしいです!アイちゃんと同じ大きさで色は……」
「ちょっと!私も作ってもらいたい~!」
その後はアイのクラスメイトからの作成依頼が多く得られたため、俺からすれば嬉しい顧客を得られたと言ってもいいだろう。
ーーー数分後ーーー
八幡「まさかこんなに依頼が来るとはな……」
アイ「良かったじゃない、これで暫くは暇にならずに済むんだから。」
八幡「俺がいつも暇してるかのような言い方は止めろ。神経使うんだからな、木を切るのもそうだが色を塗るのだって大変なんだから。」
アイ「分かってるわよ。だから私の為に作ってくれたこの宝箱も2ヵ月くらいかかったんでしょ?」
八幡「よく分かってるじゃねぇか。だからお前のクラスメイトにもよく説明しておけ、完成には時間が思ってる以上にかかるってよ。」
アイ「えぇ、勿論よ。」
八幡「お前が忘れるとは思ってないが、もし忘れたら次のは作らないからな。」
アイ「あら、何を作るのかしら?」
八幡「キューまるを題材にした箱。」
アイ「絶対に伝えるわっ!!」