比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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もし、八幡が学園の生徒だったら? 21

 

 

八幡side

 

 

「くっそぉ~!あちぃ上に何でこんなに忙しいんだよぉ~!」

 

「文句言う前に手を動かせっ!やってもやっても次がまだあるんだからよ!」

 

八幡「頑張れ頑張れ~、俺も頑張るから。」

 

「つぅか何でお前はそれだけなんだよっ!?不公平だろ!!お前ももっと片付け手伝えっ!!」

 

八幡「だって俺、今回の夏合宿ではもうやる事決まってるし。」

 

 

7月から8月の間は学園所有の施設である夏合宿を拠点にいつもとは違うトレーニングを行う事が主流だ。レース科のウマ娘達は殆どのウマ娘が参加していて、トレーナー科も殆どが参加している。だがこれには大きな差がある……

 

 

「そもそもお前、此処に来る前は夏合宿には参加しないって言ってただろ!なのにどうして此処に居るんだよっ!?」

 

八幡「……まぁ、色々あってな。」

 

 

そう、ホントに色々あった。あれは夏合宿前の生徒会室の事だった………

 

 

ーーー回想・生徒会室ーーー

 

 

八幡「………」

 

エアグルーヴ「………」

 

ルドルフ「……む?」

 

エアグルーヴ「どうかされましたか、会長?」

 

ルドルフ「……八幡君、今年の夏合宿には不参加なのか?」

 

エアグルーヴ「っ!」

 

八幡「あぁ、そのつもりだ。だって参加する理由が無いからな。」

 

エアグルーヴ「理由が無い?どういう事だ?」

 

八幡「だって俺、夏合宿前にはもう単位全部取り終えてるし。トレーナー科の夏合宿は単位を取る為に行くようなものだ。去年は知らなかったから参加したが、事情を知った今はあの場所に自主的に参加しようとは思わねぇよ。」

 

ルドルフ「しかしだ八幡君、それ以外にも夏合宿に参加する意義はあると思うぞ?」

 

八幡「トレーナー科のやる事といえば、レース科のサポートという名の雑用だったと記憶しているんだが?まぁそれを2ヵ月やるだけで単位が取れるから安いものだとは思うが?」

 

エアグルーヴ「八幡。これは私の持論だが、夏合宿でのトレーナー科は中々に過酷だというのは私も理解している。だがその中でも得られるものはあると思っているし、我々のサポートという事であるのは否定しない。だがそれを踏まえた上でウマ娘との交流やトレーニングの様子やメニューを盗むのも1つの意義ではないかと思っている。」

 

 

すげぇまともな事をあまり見せる事の無い優しい声と表情で俺に言ってきている……だから怪しいんだよなぁ~。

 

 

コンコンコンッ

 

 

ルドルフ「む、どうぞ。」

 

ライス「し、失礼します……お兄様?」

 

八幡「ライス?こんな所に来るなんてな。」

 

ライス「う、うん。夏合宿の参加表を出すのを忘れちゃってて……直接渡しに来たの。」

 

ルドルフ「あぁ、ありがとう。こちらに渡してくれ。」

 

ライス「は、はいっ!」

 

 

やっぱこの雰囲気に緊張してるみたいだな、ライスの性格なら当然か。

 

 

ライス「……あれ、お兄様。今年の夏合宿には参加しないの?」

 

八幡「まぁ、参加する理由が無いからな。」

 

ライス「……そっかぁ、お兄様との夏合宿、楽しみだったんだけどなぁ………」シュン…

 

 

やめろ、そんな顔しないでくれ……耳まで垂れてるって事はマジじゃんかよ。くそぉ、ライスのこの顔はマジで効く……

 

 

ライス「……っ!あ、あの、お兄様。ちょっとお願いがあるんだけど……」

 

八幡「ん?何だ?」

 

ライス「………」モジモジ…

 

八幡「?(……あぁ、そういう事か。)じゃあ耳打ちするか?それとも筆談でもいいぞ?」

 

ライス「っ!……じゃあ、耳打ちで!」

 

八幡「ん、じゃあ教えてくれ。」

 

 

ライスは俺の隣に来て耳にそっと口を近付けてきた。待ってコレって完全にASMRじゃね?いいややめろやめろ、変な事考えるな。

 

 

ライス「えっとね、夏合宿に来てライスのトレーニングを見る事って出来ないかな?授業では皆と一緒にトレーニングをするでしょ?お兄様と2人でトレーニングした事無いから、ちゃんと見てほしいんだけど……ダメかな?」ボソボソ

 

八幡「1人のウマ娘のトレーニングを見る……」ボソ…

 

 

……思えば、これまで何度か個人的なやり取りでマンツーマンのトレーニングはした事はある。だがその時は別に深くは考えていなかった……だが今回のライスの提案はトレーナーだったら当たり前の事でもある。最初のトレーナーは担当を1人しか持てない、そういう意味ならライスの言った事は理に適っている。

 

 

八幡「………」テクテク

 

ルドルフ「珍しく考え込んでいるね。」

 

エアグルーヴ「えぇ、一体何を考えているのでしょうか。」

 

八幡「……ライス、その話受ける。」

 

ライス「ふぇ!?ホ、ホントに?」

 

八幡「あぁ、だから夏合宿中はよろしく頼む。ルドルフ、途中で済まないが変更だ。」

 

 

俺はルドルフのデスクにある俺の参加表の不参加に〇しているところを×にして参加に〇を付けた。

 

 

八幡「これで頼む。」

 

ルドルフ「八幡君……どういう事だい?」

 

八幡「ちょっと良い事をライスが教えてくれたもんでな、だから夏合宿中はライスのトレーニングを見る事にした。」

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

八幡「ってな感じの事があったんだよ。元々は不参加の予定だったんだが、今年はライスのトレーニングを見るという事で参加している。」

 

「だからお前のだけそんなに少ないって事なのか……」

 

八幡「ライスが使うボトルやタオルの分だけだからな。じゃあ俺は行かせてもらう、じゃあな。」

 

 

個人のウマ娘を見る、その事を気付かせてくれたのはライスだからな。このくらいの事はしても良いだろう。それに夏合宿後の放課後はもしかしたら、ライスのトレーニングを見る事になるかもしれないしな。まぁそれは本人にも確認しないとな。今は夏合宿のトレーニングに集中だ。

 

 

 

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