八幡side
八幡「んじゃ、今日もお疲れさん。」
ジャーニー「本日もありがとうございました、トレーナーさん。」
オルフェ「………」テクテク
八幡「しかし、オルフェはこのトレーニングに満足しているのか?いつもトレーニングが終わったらすぐに行っちまうからよ。まぁ担当のウマ娘じゃないから気にしないようにはしているが、毎回参加しているから気になっててな。」
ジャーニー「その事でしたらご安心ください。もし不満があればトレーニングに参加しなくなりますので。トレーニングに参加しているという事は、少なくともトレーナーさんの実力は認めているのですよ。それにトレーニング初日にもお名前を聞かれたでしょう?あれは覚える価値のある名だと判断しての事です。」
八幡「そうか、まぁならいいんだけどよ。」
ジャーニー「妹にも気をかけてくださっているのですね。」
八幡「許可はしてないが、トレーニングを見ているからな。そのくらいはする。」
ジャーニー「お優しいのですね……貴方の美徳だ。」
担当契約を交わしてから数週間。オルフェからは併走がしたい時は呼べと言われたのだが、そんな事をするまでも無く向こうからトレーニングに参加してきている。時々アイツの臣下?も来る時もあるが、『トレーニングの内容は変えずともよい。』って言ってくれたから、そのままやっている。
ジャーニー「では、片付けをして戻りましょうか。」
八幡「あぁ、そうだな。」
1「何だ、トレーナーも一緒かよ。まっ、いいや……やっと見つけたぜ、お姉ちゃん?」
学園側から体格の良いウマ娘が2人やってきた。話し方からして仲が良い感じではないのはすぐに分かった。それに今の『お姉ちゃん』って言い方……蔑んでいるようにも聞こえた。
ジャーニー「……私に何か?今、お話中なのですが……」
2「悪いけど急用でさぁ~。アンタの妹、オルフェーヴルの事だよ。デカい顔し過ぎなんだわ。どうせ強そうなのは
1「あんな横暴な妹でも……姉に何かあったら、流石に焦るだろ。」
八幡「……詳しい事は聞かない、だがその事はアイツに話したのか?」
2「はぁ?知らないの、アイツの事?話なんかさぁ、出来ない奴なんだって。何言ったって無駄無駄!」
……詳しい事情は分からんが、どうやら事の発端がオルフェーヴルなのは間違い無いな。まぁそれもコイツ等が勝手に逆恨みしているだけなんだろうけど。それが何故か姉のジャーニーに向けられてしまっているってところだろう。
すると、ジャーニーは薄く微笑んだ。
ジャーニー「分かりました。1度、整理させてください。お2人は、私の妹の事を気に入らないと仰る。大した実力も無いのに、偉そうにしているから……ですね?その責を、私に取らせたいと……えぇ、理解しますよ。寧ろ、感謝したいくらいです。やっと仕事が出来ますから……では、レースをしましょう。姉として……けじめをつけます。」
1「おぉ、話が分かるじゃねぇか。」
2「ぶっ潰してやるよ!」
八幡「話はまとまったか?じゃあ明日の放課後に模擬レースをやる。時間は16時から、場所はこのコース場だ。距離はどうする?」
1「今やってもいいんだぜ?」
八幡「お前達はトレーニングで体力を使い切った奴に勝って嬉しいのか?もしそれがお望みならそうするが、どうする?」
1「っ!?チッ……」
2「関係ねぇ奴が仕切んなって言いてぇけど、まぁいいや……1,600mだ。」
ジャーニー「それで構いませんよ。」
八幡「じゃあ明日のこの場所16時に模擬レースをやる。距離は1,600mの右回りだアップは個人で済ませる事、以上だ。」
ーーー部室ーーー
ジャーニー「申しわけございません、トレーナーさん。お手数をおかけする事になってしまって。」
八幡「いいや、気にしてない。お前も心中穏やかじゃないだろうしな。まぁ俺もお前がアイツ等に負けるとは微塵も思ってないけどな。」
ジャーニー「おや、担当贔屓ですか?」
八幡「んなわけあるか、事実だろ。それにそうじゃなかったとしても、自分の担当ウマ娘を贔屓して何が悪いんだ?」
ジャーニー「その割には、明日のアップは私1人でやらせるのですね?」
八幡「あくまでも明日の模擬レースの時の俺はゲームマスター側だからな、特定のどっちかにつくのは好ましい事じゃないだろ。」
ジャーニー「えぇ、そちらの方が公平ですからね。」
八幡「お前もアップを怠るんじゃねぇぞ?」
ジャーニー「勿論、分かっていますとも。あちらのお2人は私を潰す気で来るのですから、私も徹底的に潰す気で臨まないと失礼ですから。」
ジャーニーの顔を見て分かるが、表情はいつも通りに穏やかなのに対して目が全然笑ってない。その目は『早く明日にならないか……』『妹を侮辱した罪を償わせないと。』っとでも言っているかのようだった。
今更ながら、中々に癖のあるウマ娘を担当にさせちまったものだと思っている。