八幡side
たづな「……はい、記載漏れはありません。9月3日の日曜日、第6レースに登録致しますね。」
八幡「よろしくお願いします。」
たづな「ふふふ、比企谷トレーナーもすっかり1人前のトレーナーですね。」
八幡「いや、まだ2ヵ月目のペーペーですから。」
たづな「だとしてもあまり居ないんですよ?比企谷トレーナーのような方は。1年目でメイントレーナーになった方はこの中央でも極僅かです。その極僅かなトレーナーでさえも最初は色々と覚える事が多く右往左往する事が多いんです。ですが比企谷トレーナーはそのようなところがあまり無いので少し驚いているくらいです。同期の桐生院トレーナーも最初は慣れない様子でしたから。」
八幡「そう見えてるだけですよ。中身では小鹿のように震えてます。」
たづな「ふふふ、冗談もお上手ですね……比企谷トレーナー、これはちょっとしたお願いになるのですが、聞いてはいただけないでしょうか?」
八幡「……何ですか?」
たづな「比企谷トレーナーの同期3名の事です。まだサブトレーナーとしての活動となりますが、出来るだけサポートしてあげてくれませんか?メイントレーナーの皆様にもご協力していただいていますが、同期の比企谷トレーナーから受ける刺激というのも、きっと良いものになると思いますので。」
八幡「……まぁ、本人達がいいと言うのなら、自分は構いませんが。」
たづな「ありがとうございます、よろしくお願いしますね。比企谷トレーナーも行き詰った事があれば何でも相談しに来てくださいね。飲みのお誘いもお付き合いしますので!」
寧ろそっちが本命なのでは?
ーーー廊下ーーー
八幡「………」テクテク
本登録も済ませたし、これでデビュー戦の日取りは問題無いな。後はデビュー戦に向けてジャーニーを鍛えていかないとな。後は同期の3人のサポートだっけ?サポートって言われても何をすればいいのかサッパリだしなぁ……
ウマ娘達『………』ゾロゾロ…
八幡「………?」
急に大勢のウマ娘達に囲まれてしまった。周りのウマ娘の面識は少なくとも無い……何だ?
1「……アンタがドリームジャーニーのトレーナー?」
八幡「そうだが、何か用か?それもこんなに人数集めて……」
1「気に入らなかったんだよね、アンタの事も……」
八幡「穏やかじゃない空気だとは思っていたが、俺にまで飛び火してくるとは思わなかったぞ。まぁ話くらいは聞こうか。」
1「何余裕こいてんのさ?どうせ足元はピクピク震えてるくせに。」
ウマ娘達『あっははは~!!』
何だコイツ等?ただ笑いに来ただけか?ならもう用は無いか……
八幡「………」テクテク
2「ちょっと待ちなよ!何処行くのさ!?」
八幡「ただただ笑いに来た連中の話を聞く程、俺は暇じゃないんでな。失礼させてもらおうと思ってただけだが?」
3「何アンタ偉そうに……大声も出せないくらい怖がってるくせにっ!!」
1「そのくらいにしときなって。どうせドリームジャーニーやオルフェーヴルが居ないとイキれない弱小トレーナーなんだからさっ!」
ウマ娘達『あっははは~!!』
八幡「言いたい放題言ってくれるなぁ……まぁ無理も無いか。ジャーニーやオルフェの前では声も出せないくらいビビっちまう奴等がイキれる相手は精々トレーナーくらいだろうしな。」
俺が思ってる事をそのまま声に出してしまったからだろうか、空気が一変した。嘲笑の空気から殺伐とした空気になった。
1「……今の、どういう意味?」
八幡「そのままの意味だが?俺がオルフェやジャーニーの陰に隠れているような小心者に見えているようだからな。まぁ俺としては全然そんな事は無いんだけどな。まぁそんな事はどうでもいいわ。んで?ちょっと教えてくれないか?誰が、あの姉妹が居ないとイキれないトレーナーだって?」
ウマ娘達『っ!?』
八幡「ぶっちゃけるとどうでもいいんだけどよ、それで俺がナメられるのも少し嫌だしな……どの辺りがそう見えてるのか教えてくれるか?俺があの2人に隠れてるところ、どこかあったか?」
1「な、何だよアンタ……アンタ一体、何なんだよっ!?」
八幡「質問の答えを聞けてないんだがなぁ……まぁいいや、答えられないんならどっかに行ってくんない?それか事実確認する為に今から2人呼ぼうか?」
ウマ娘達『ヒ、ヒイイイィィィィィ~ッ!!!』
行っちゃった……これじゃまるで俺が悪いみたいな空気になっちまったじゃねぇか。まぁアイツ等が学園に何か言っても大丈夫だろう、念の為にスマホの録音ボタン押しておいたし。」
ジャーニー「此処に居ましたか、トレーナーさん……」
八幡「ジャーニー?何か用事か?」
ジャーニー「……此処で何かありましたか?」
八幡「ん?まぁそうだな……お前で言うところの小バエが少しな。鬱陶しかったから退治してただけだ。」
ジャーニー「……そうですか、それはご苦労様です。トレーナーさんもお気を付けくださいね?小バエというのは、退治してもいくらでも湧いてきますので。」
八幡「あぁ、そうする。まぁ暫くは大丈夫だとは思うけどな。それと野暮だが質問していいか?」
ジャーニー「何でしょう?」
八幡「俺ってお前やオルフェの陰に隠れているように見えるか?」
ジャーニー「……トレーナーさん、私達姉妹の前で堂々としているトレーナーは貴方の他に居ませんよ?」
八幡「それを聞けて安心した。オルフェはともかくとしてジャーニーの陰には隠れられないだろってずっと疑問だったんだよ、スッキリした。」
ジャーニー「それは何よりです。ところで今のご発言は私の身長が低いという隠喩でしょうか?」
八幡「なわけ無いだろ。俺にとっては2人して後光放ってんだからよ、隠れる場所が見当たらねぇよ。」
ジャーニー「そういう事にしておきましょう。」