ジャーニーside
ジャーニー「……段々と冷えてきましたね。」
八幡「だな。こういう時はあったかい飲み物か鍋が食いたくなるな。」
ジャーニー「鍋ですか、それは良いですね。トレーナーさんでしたらきっと美味しい鍋を作れる事でしょう。」
八幡「今の時代、素があるんだから誰でも作れるけどな。俺はすき焼きとか寄せ鍋だな、後は偶にもつ鍋。」
ジャーニー「お1人で食べ切れるのですか?」
八幡「1人用の鍋があるからな、1人暮らしの時は1日で食べ切る事も出来た。けど今は寮に住んでるから少しでも変わったのを作ると寄ってくるんだよなぁ~。」
ジャーニー「貴方の料理の腕前は寮でも知られているみたいですね。」
八幡「あぁ。だから出来るだけ鉢合わせないようにしてるんだが、料理しているとどうしても匂いが出てくるからなぁ……換気扇回しても無駄なんだよなぁ。」
ジャーニー「でしたら我々の寮でお作りになりますか?」
八幡「お前、もしかして俺に牢屋に入れって言ってる?」
ジャーニー「フジキセキさんならきっと許してくれると思いますよ?勿論、条件付きだとは思いますが。」
八幡「……早い事、1人暮らし出来るようにしないとな。」
トレーニング終わりの帰り道。私はトレーナーさんと一緒に帰路に着いています。まだ冬ではありませんが、寒さが際立ってきました。制服も既に冬服にしていますし、日によってはコートで登下校する日も増えてきました。今日は比較的暖かいのでコートは持参していませんが、明日はまた冷え込む予報となっています。オルの用意も怠らないようにしなくてはなりませんね。
ジャーニー「1人暮らし、ですか……トレーナーさんは早期的に寮から出たいと?」
八幡「いや、そういうわけじゃない。今の方が家賃に光熱費が浮くからな。けど自分1人の空間じゃないって思うとあまり落ち着かない。大暴れしたいわけじゃないが、行動に少し制限がかけられてるような感じがするだけだ。まぁそれが寮なんだけどな。」
ジャーニー「成る程……トレーナーさんは周りを気にせずに済む空間が欲しい、っという解釈でお間違い無いでしょうか?」
八幡「まぁそんな感じだな。俺みたいな奴はそういう空間があるのと無いのとでリラックス出来るかが違ってくるから。」
ジャーニー「トレーナーさんがそのような神経質な事を言うとは思いませんでしたよ。」
八幡「誰にだって拘りはあるだろ。それにこのくらいだったらその辺に居ると思うが?お前だってオルフェの世話を誰かに任せようなんて思うか?」
ジャーニー「思いませんね。それだけは姉として譲るわけにはいきません。」
八幡「それと同じだ。」
ジャーニー「痛い程理解出来ましたよ。確かに他の方にオルのお世話を任せるなんて、考えただけで恐ろしい……」
八幡(そこまで恐ろしい事じゃないだろ。それよりもアイツってジャーニーにお世話されてんの?今のただの冗談だったのに。)
ーーー寮部屋ーーー
ジャーニー「………」
オルフェ「姉上。」
ジャーニー「っ!おかえりオル。今日は遅かったんだね、トレーニングが長引いたのかい?」
オルフェ「うむ……我が臣下の者達の成長が著しくなっておる。」
ジャーニー「それは良かったね。ところで近頃よくオルに近付いている中等部の子は、今日も来ていたのかな?」
オルフェ「いいや、あの者は今日は来ておらぬ。別のコース場で己が脚を磨いておったわ。だが、あの者の覇を見られるのはまだ先になりそうだ。」
ジャーニー「それじゃあ、これからに期待というところかな。」
オルフェ「うむ……時に姉上、比企谷との鍛錬は順調か?次はGⅠ、油断許されざる舞台……」
ジャーニー「勿論だよ。オルも協力してくれているから順調だよ……心配してくれてありがとう。そうだ、ドルチェでも食べるかい?」
オルフェ「いただこう……」
ーーー数分後ーーー
ジャーニー「………」
オルフェ「………」
ジャーニー「………」
オルフェ「………」
ジャーニー「………」
オルフェ「………」
この時間はやはりとても良い……語らずとも空気が澄んでいるのがよく分かる。それに最近のオルはとても機嫌が良い……さっき言っていたオルの傍に居る子達の成長や目にかけている後輩の事もあるみたいだしね。
オルフェ「……姉上には言ってなかったが、余は比企谷にメニューを作ってもらっている。」
ジャーニー「その事なら知っているよ、直接きいたわけじゃないけどね。そのおかげでオルの走りも良くなってきている。」
オルフェ「違う……」
ジャーニー「?」
オルフェ「余が比企谷に作らせているのは、家臣の分だ。」
ジャーニー「っ……彼女達の為に?」
オルフェ「比企谷に言われた事を戒めにしただけよ。余は王である……であるならば、家臣の者達を鍛えるのも王の務め。」
ジャーニー「……とても良い事だと思うよ。それを知ったら、皆喜ぶと思うよ。」
オルフェ「よい、余が勝手にしただけの事。あやつ等に言う必要は無い。」
ジャーニー「オルがそう言うのなら私からもう何も言わないよ。でも、いつかは気付かれると思うよ。」
オルフェ「その時が来るのを待つだけよ……」
ジャーニー「ふふふ……」