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実況『さぁ、今年の中山レース場にも来年のクラシック3冠路線へと駒を進める若駒が集まりましたっ!今年は15人が朝日杯FSの舞台に名乗りを上げ、ジュニアの最速王を狙います!今年のジュニアGⅠも残すところ今日を含めて3つだけとなりました。さぁ朝日杯FSのパドックを見て参りましょう!』
朝日杯FSの開催日となったこの日曜日。パドック紹介が始まろうとしているところだった。多くの観客がパドックに集まっていて、ウマ娘の登場を今か今かと待っていた。
実況『今回の2番人気、2枠3番のドリームジャーニーです。』
解説『今レースで最軽量のウマ娘ですね。小柄なウマ娘ではありますが、その身体からは似合わない末脚を披露して2戦2勝とこれまで無敗です。このレースでもその末脚を披露してほしいところですね。』
「なぁ、どう思う?誰が勝つと思う?」
「ん~分かんないなぁ~。順当に行くなら重賞勝ちしているウマ娘だと思うけど……」
「飛び抜けて強いってウマ娘は居ないよなぁ~。」
オルフェ「ふむ、やはり下々の者共の目は節穴だな。走らずとも分かる、このレースの覇者など。」
八幡「おいおい、そんな事をこんな所で言うな。観覧席ではいくらでも言っていいからこんな人の多い所で物騒な事を言うんじゃない。」
オルフェ「フン……」
八幡「ったく……困った妹だな。」
ステゴ「まぁまぁそのくらいにしとけよ。今日はジャーニーの晴れ舞台だろ、今はジャーニーの応援しようぜ。」
ナカヤマ「って事だトレーナー、いっちょ賭けといこうぜ。ジャーニーが差をつけて勝つか、僅差で勝つかのどちらかだ。」
八幡「何だよその賭けは……勝つのは確定なんだな。」
ナカヤマ「何だぁ?アンタはジャーニーが負けるって思ってんのか?」
八幡「いや全然全く。」
ナカヤマ「じゃあどっちか賭けようぜ。そうだな……あたしが勝ったらにんじんチップスでどうだ?」
八幡「分かった、じゃあ俺はポッキーでいいわ。俺は僅差での決着に賭ける。」
ナカヤマ「じゃああたしは差をつけて勝つだな。よし、賭け成立だな。」
八幡「あんまり良くないけどな。じゃあ俺はジャーニーの所に行ってくる。言っておくがウロチョロするなよ?お前達色々と目立つんだから。」
八幡(こういう時、ジャーニーが居てくれないとまとまらないんだよなぁ~。)
八幡はパドック席から控え室に移動した。因みに観覧席にはステイゴールド、オルフェーヴル、ナカヤマフェスタの3人が来ていた。ゴールドシップはチームと、フェノーメノは委員会のメンバーと観戦している。
ーーー控え室ーーー
ジャーニー「ふふふ、オルも皆さんも相変わらずのようで安心しました。」
八幡「こんな形でお前を安心させてやる事に成功したのは心外だが、まぁ良しとしよう。作戦……ってもこの前の芙蓉Sと同じなんだけどな。」
ジャーニー「後方待機から直線を向いたら一気に、ですよね?」
八幡「そうだ。」
ジャーニー「最後方待機、でもよろしいのですよね?」
八幡「展開はお前に任せる。お前なら少しのトラブルも平気だろうしな。」
ジャーニー「ふふ、信頼されているみたいで良かったです。」
八幡「寧ろ思うような展開にならなかったらオルフェみたいに周りを威圧したりしてな。」
ジャーニー「おや、それも良いかもしれませんね……」ニッ…
八幡「顔顔、っていうか口元がヤバい。」
ジャーニー「あぁ、すみません……口元を隠すのを忘れていました。」
八幡「それだと尚悪いんだが。」
ジャーニー「……では、行ってきます。」
八幡「おう、行ってこい。」
そして数十分の時が過ぎて、朝日杯FSに出走するメンバーがゲート前に集結し、ファンファーレが鳴り響いた。
実況『ウマ娘達もファンファーレを聞いていたかのように、そしてファンファーレが終わってからゲート入りが始まりました。オースミタイドウ少しゲート入りを嫌がる素振りを見せましたが、今入りました。さぁ残すは3人そしてその内2人が入って残すは1人、大外マイネルフォーグが今……ゲートに入りました!さぁ、ジュニアキングはどのウマ娘に!?朝日杯FS………』
ガッコン!!
実況『さぁ行こう、スタート!ドリームジャーニー出負けしたか最後方!他は揃ったスタート!するりするりとアドマイヤホクトが前へ、後ろを見ながら前へ!その外からオースミタイドウが交わして先頭に立ちました!その後ろ3番手にはマイネルフォーグとマイネルレーニア!その後ろからローレルゲレイロが続いている!外からアドマイヤヘッドと内を通ってジャングルテクノ、間にフライングアップル!のところで1,000mを通過!ドリームジャーニーは最後方、殿を務める!あの小さい身体をどうやって追い上げていくのか!?』
オルフェ「たわけが……姉上の身体の小ささなど些事な問題。」
ステゴ「だな。あの展開、完全にジャーニーの掌の中だぜ。」
実況『前の方は固まっている!さぁ4コーナー曲がって最後の直線!さぁオースミタイドウ粘っているが、先頭変わってローレルゲレイロか!ローレルゲレイロ!』
ジャーニー「さぁ、行きましょうか……」
ズサァ!!!
実況『そしてその外からドリームジャーニーもやってくる!凄い脚だドリームジャーニー!外からドリームジャーニーが来たあああぁぁぁぁぁ!!1番後ろから来たドリームジャーニー!!最後方から一気来ましたドリームジャーニー!!』
八幡「……GⅠを勝てはしたんだが、ジャーニーだとこれは当然って感じがするな。」
オルフェ「姉上の実力ならば当然……」
ステゴ「ははは、まぁアイツの走りならこのくらいはやってのけるだろうさ。ほら、この先はアンタの出番もあるんだ、早く行ってやんな。」
ナカヤマ「勝って嬉しいのに賭けには負けちまったぜ……」