比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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不思議な空間

 

 

八幡side

 

 

年が明けて、いよいよクラシックが始まるという年になった。まぁまだ年始だから慌てる事は何も無いんだが、他のライバル達の動向も気になるから、調べておくに越した事は無い。まぁでも今くらいはのんびり過ごす事にしている。この寮も今はかなり静かだ……多くの先輩や同期連中は帰省中で、残っているのは俺を含めて数人程度だ。まぁ年始まってすぐにレースが無い限りは学園に残る事も無いだろうしな。俺も帰省は考えてはみたが、特段帰る理由も無いから今回は見送った……でも大学進学して今日まで1回も帰ってないんだよな、流石にそろそろ帰るべきか?

 

 

「おはよう比企谷君。それから明けましておめでとう、今年もよろしくね。」

 

八幡「明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。」

 

「静かだよね~いつもは少しだけ賑やかなのに。」

 

八幡「騒ぎの中心には必ず沖野さんが居ますけどね。俺は混ざりたくないから自室に避難してますけど。」

 

「でも誘われてるんでしょ?沖野さん毎回言ってるよ?『比企谷は何処だ!?アイツも呼べっ!』って。大丈夫なの?」

 

八幡「暇な時は受けますけど、忙しい時とかは断ってるので大丈夫です。それに沖野さんも無理にでも連れて行こうって感じじゃないので。自分は朝食にうどん食べますけど、よかったらどうですか?」

 

「もしかして年越しそばならぬ年越しうどん!?貰えるなら欲しいかな、比企谷君の作る料理はとても美味しいから。」

 

八幡「じゃあ作りますね。ねぎと海老天は入れますか?」

 

「お願い。」

 

 

こうしてのんびりな朝ってのも久しぶりな気がする。

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

八幡「お待たせしました、どうぞ。」

 

「ありがとう比企谷君。」

 

八幡「そういえば先輩は何で帰省しなかったんですか?」

 

「私の出身って九州なんだけどね、帰ったら少しうるさくなっちゃうんだよね~。これでも一応20後半なんだけどね、親がそろそろお見合いしろとか結婚しろってね~……」

 

八幡「……成る程。」

 

「私も相手は自分で見つけるって言ってるんだけどね……中々分かって貰えないんだ。九州は人情に厚いってよく言われるけど、その反面がこれって感じなんだ。」

 

八幡「そうなんですか……俺は逆に何処行っても頑張れみたいな感じですね。放任主義……っていうんですかね?まぁ俺、携帯買い換えた時に番号も何もかも新しくしたので、親とかと連絡する手段が無いだけなんですけど。」

 

「それって結構……凄いね。」

 

 

我ながらそう思ってます。

 

 

八幡「トレーナーを辞めて相手の嫁に行けとかって言われないんですか?」

 

「そこまでじゃないかな。顔見せとかそのくらい。でも一時期はちょっと酷かったかも……私のお父さんの弟さんの息子夫婦に子どもが産まれたんだけどね、それがすっごく羨ましかったみたいなんだけど、それで私にも早く結婚して孫を見せろって。」

 

八幡「そういう父親ってやっぱり居るんですね。」

 

 

それからも俺はうどんを啜りながら先輩の愚痴を聞き、食べ終わったのを機に解散してトレーナー室に行く事にした。

 

 

ーーートレーナー室ーーー

 

 

八幡「ふぅ~……買っといて良かった、炬燵。」

 

 

俺はこの自分のトレーナー室に炬燵を買った。学園に届いたのは休みに入る2日前。だからこの部屋に炬燵があるのを知ってるのは俺と駿川さんくらいだ。偶に此処に来て暖を取ったりしてるし。実家にも炬燵はあったけど、こうやって入るとダメになるよなぁ~。

 

 

ガラガラッ

 

 

八幡「ん~?」

 

ステゴ「おっ、開いてるとは思ってなかったが、炬燵とはな。中々良いじゃないか。」

 

八幡「何か用事か?悪いが今日はトレーナーとして此処に居るわけじゃないからな。」

 

ステゴ「ん~それは別にどうでもいいんだが、私としてはその炬燵にお邪魔したい気持ちがあるんだ。入ってもいいか?代わりにみかんと昼に鍋でもどうだ?」

 

八幡「因みに何の鍋?」

 

ステゴ「石狩鍋だ。」

 

八幡「よし、入れ。」

 

ステゴ「交渉成立だな。じゃ、入らせてもらう。」

 

 

………変な感じだ。話した事はあるが特に深い交流があるわけじゃない、けど不思議と嫌な感じや緊張とかは無い。

 

 

八幡「……何もしないっても良いもんだが、鶏ガラスープでも飲むか?」

 

ステゴ「……ははっ、はははは!お茶じゃないんだな?」

 

八幡「切らしてんだよ。それに炬燵に入ってんのに紅茶やコーヒーでも無いだろ。」

 

ステゴ「確かにな、じゃあ鶏ガラスープを貰おう。」

 

八幡「ん、分かった。しかし、お前が1人で居るところを初めて見た気がするな。」

 

ステゴ「まぁ私自身、誰かと一緒につるむってタイプじゃない。ゴルシ達と居るのは面白いからってのが最大の理由だな。」

 

八幡「じゃあ俺は?面白みに関しては群を抜いて最下位だと思うぞ?」

 

ステゴ「アンタも面白いぜ、アイツ等とは違うベクトルでな。」

 

八幡「……そうか。」

 

 

その後はステゴも具材やら調理器具やらを持って来て、石狩鍋を2人で突いた。誰かは来ると予想していたんだが、意外にも誰も来なかった。だからステゴが居なくなるまで終始2人きりの空間だった。

 

 

 

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