八幡side
八幡「さて、やっと今年の初戦だな。目標としては1着を獲って優先出走権を手に入れる事なわけだが、それ以外にも現状の走りを示す必要がある。距離は心配無いが、坂を失速しないで登れるかどうかとか前のライバルを全員差し切れるかどうかとか色々あるわけだが………ねぇ聞いてる?」
ジャーニー「……あぁ、申しわけございません。ちゃんと耳は傾けていますよ。ですがこの茶漬けの誘惑には抗えず……」
オルフェ「………」ズルズル…
八幡「ただの昼飯なのにそんなにがっつくか?ただのお茶漬けだぞ、まさかとは思うがお代わり奪い合うとか言わないよな?」
ジャーニー「まさか。お代わりがあるのなら是非ともいただきたいところですが、オルの様子を見る限りとても気に入った様子……私はレースもありますから辞退しますよ。なのでオルがお代わりを要求した際には差し上げてください。」
八幡「もし欲しいって言ってきたらな。」
オルフェ「お代わりを要求する。」
八幡「………食うの早くない?まだ1杯食べて10分も経ってないだろ。」
ジャーニー「茶漬けは熱い内に食べるのが1番美味しいのですよ、トレーナーさん。」
八幡「覚えておく。とりあえず今日作ってきたお茶漬けは合格ラインって事でいいのか?」
オルフェ「うむ、これからも励め。」
ジャーニー「はい、とても美味しくいただいておりますよ。」
うん、それは見て分かる。俺はこの中山レース場には11時くらいに入場したのだが、2人は既に来ていたみたいだった。俺がトレーナー専用の観覧席に入って大体20分くらい後に此処に入ってきた。一体何処から俺を見ていたのかと問い詰めたいところだが、はぐらかされるのは目に見えてるからやめておく事にした。
八幡「思ったんだけどさ、俺が来なかったらお前達昼飯はどうしてたんだ?」
ジャーニー「場内のレストランに赴いておりましたよ。ですが偶然にもトレーナーさんをお見かけしましたので、ついて行って今に至るというわけです。」
八幡「レストランに行く予定ではあったんだな……まぁその事はいい。お前達がこんなに早くレース場に来るのは意外だった。」
オルフェ「今日は余の臣下が駆ける舞台……見に来ぬわけにはいかぬ。」
八幡「ふぅ~ん……んで、走ったのか?」
オルフェ「見事、先頭で駆けた。」
八幡「成る程な、だからそんなに上機嫌だったってわけか。」
ジャーニー「おや、分かるのですか?」
八幡「若干声の色が上ずってたからな、それにいつもより表情が穏やかそうに見えた。別にまじまじと見てたわけじゃないからな。」
オルフェ「余の表情を汲み取るか……中々の目よのう。」
八幡「そりゃどうも。まぁ1着を獲った奴には何かしてやったらどうだ?例えば身に付けている物を新調してやるとか。俺のスーツみたいに。」
ジャーニー「成る程……オル、これはちょっとした助言なんだけど、トレーナーさんの言うように1着を獲った子にはご褒美をあげるのも良い方法だと思うよ。単純だけど何かを貰えると知った途端に士気が高まると思うからね。勿論、オルへの崇拝や献身もね。」
オルフェ「……比企谷、貴様の案だ。案を献上せよ。」
八幡「ん~……まぁお前からの品なら何でも喜ぶと思うが、やっぱお前の第一印象でもある金は欲しいだろうな。純金とか高い物でなくても、色さえあればめっちゃ喜ぶと思う。アクセサリーとかが妥当なんじゃないか?学園の校則に引っかからない程度のな。実用的なのを送っても嫌がられないと思うな。」
ジャーニー「実用的……オル、それならペンはどうかな?トレーナーさんの言う通りアクセサリーも良いかもしれないけど、それはもっと活躍した子にあげた方が良いと思う。だから最初はペンを推奨するよ。」
オルフェ「……決めたぞ。レースが終わり次第、行動に移る。」
金のペンって事でいいのだろうか?まっ金々のペンってなんか落ち着かないかも……まぁ家臣の連中なら使うなんて事はしないで部屋に飾るだろうな。すげぇ奴なら小さい神棚か神殿っぽいの作りそう……いや、流石に無いか。
ジャーニー「分かったよオル、今日の帰りにでも見繕うか。トレーナーさんもお付き合い願えますか?」
八幡「え、俺も?」
ジャーニー「えぇ、一般的な目線も欲しいところですので。」
八幡「一般的な目線ならお前も持ってるだろ。まぁ学生2人で夜道を歩かせるわけにもいかないしな、分かったよ。」
ジャーニー「ありがとうございます、トレーナーさん。」
その後数時間後にジャーニーの走る弥生賞では、後方一気の末脚で1着を獲って優先出走権を得た。ウイニングライブの後にレース場を出てから色々と店を転々とした結果、金箔入りのボールペンを30本購入した。オルフェの奴、凄い豪快なお金の使い方だな……まぁ、自分のお金だから全然いいんだけどさ。
にしても、多分明日このボールペンを渡すんだろ?どんな反応するんだろうか?
八幡「なぁ、思ったんだけどレースで勝った臣下って今日のレースが第1号?」
ジャーニー「はい、その通りですが?」
八幡「あぁ~……ならいいや。(もし既に勝った奴が居たら、少しだけ変な空気になりそうな予感してたし。1号なら全然大丈夫だな。)」