比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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話しやすい両親

 

 

八幡side

 

 

オルフェと2人の両親がこの部屋に来てからそれなりの時間が経った。母親のアートさんは穏やかな表情で2人と話していた。ジャーニー曰く『母親はとても愛情深い性格。』との事。あの物腰柔らかい表情はジャーニーと似てるが、栗毛のせいか優しいオルフェに見えなくも無い。そしてお父さんだが、この人は良くも悪くも職人肌って感じの人だ。さっき初めて会って話した内容だって『ループタイの使い心地はどうだ?』っだったし。確かに無口だし口下手だなって思ってしまった。でもこの人の場合、いい方向での職人気質って感じだ。あっ、因みにこの場での気質は気質(かたぎ)って読むから、正確には職人気質(しょくにんかたぎ)って読む。まぁそれはさておいて、アートさんは全然心配無かったんだがお父さんとのコミュニケーションは少し心配だった。

 

けどそれは以外にも杞憂に終わった。

 

 

八幡「ん~……この箇所の加工、もうちょっと普通にした方が良いんじゃないですか?コレだと少し派手っぽく見えませんか?こんな風に……こうした方が金の派手さは抜けますけど、宝石とか模様次第では映えると思います。」

 

父上「……この図、貰おう。試作してみよう。次にこの図はどうだ?」

 

八幡「……これはこのままでも良いと思います。花がメインなんですよね?他の何かを加えない限りはこの花が輝いて見えると思います。因みに花が金なんですよね?」

 

父上「……そうだ。他も金を使うが花には18金のピンクゴールド、他には10金を使う。」

 

八幡「じゃあこのままで大丈夫だと思います。まぁ一般目線ですけど。」

 

父上「……助かる。」

 

 

話してみるとさ、分かるんだよな~……さっきも言ったがこの人は職人気質だからめっちゃプライド持ってやってるのが分かる。俺もトレーナーとしてのプライドとかはある程度持ち合わせているから、話聞いてると内容は分からずとも熱意は理解出来る。だからいつの間にか普通に金細工の話出来ちゃってるし。

 

 

アート「……お父さんともあんな風に話せるなんて驚いちゃったわ。良い人なのね、トレーナーさんは。」

 

ジャーニー「えぇ、とても。オルが兄と、そしてオルを敬っている方達からも慕われていますから。」

 

オルフェ「兄上ならば当然である……」

 

八幡「……おぉ、もうこんな時間か。結構長く話し込んでましたね。」

 

父上「……良い時間だった、また聞かせてくれ。」

 

八幡「自分でよければ。すみません、旦那さんを独占してしまいまして。」

 

アート「いえ、気にしていません。寧ろ驚いているところです、あんなに饒舌になった夫を久しぶりに見ましたので。」

 

ジャーニー「えぇ、本当に。私達の前でもあまり話さない人なので。」

 

父上「………」スン…

 

八幡「普通に話せる人だと思うんだけどな……」

 

ジャーニー「さて、次は私達が父と話しましょう。八幡さんは母をよろしくお願いします。」

 

八幡「って言ってるが、俺は金細工は勿論、イラストについても詳しくないからな?」

 

アート「ふふふ、職業の事をお話するつもりはありませんからご安心ください。」

 

 

って言ってるけど、大丈夫だろうか?

 

 

アート「私がお聞きしたいのはあの2人の事です。特にオルの事です……どうやってあそこまでオルを変えさせたのかお聞きしたいです。」

 

八幡「オルフェの?それは構いませんが、あまり気持ちの良い内容ではありませんよ?」

 

アート「構いませんよ。小さな頃からあの子はあんな感じですので、周囲に疎まれる事も多かったものですから。」

 

八幡「はぁ……では、僭越ながら。」

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

アート「そうですか、それであの子はトレーナーさんの事を兄と……ふふふ、オルが親族以外の誰かに対してそう呼ぶなんて相応の何かがあるとは思っていましたが、そういう事だったんですね。」

 

八幡「今となっては学生相手に大人げない事をしてしまったと反省しています。」

 

アート「いえ、そのおかげでオルが成長出来たのも確かです。その日以降はどのような変化が?」

 

八幡「何かを聞くにしても疑問形で『聞いてもよいか?』と尋ねてくるようになりましたね。今の方が接しやすいです。」

 

アート「まぁ……」

 

 

何かもう……凄い会話が弾む。アートさん聞き上手ってのもあるけど、上手いタイミングで向こう側からも話振ってくれるから盛り下がる事も無い。

 

このまま話を進めたいところではあるが、そろそろダービーの準備もしなくてはならない……本腰入れるか。

 

 

アート「良いお話が聞けました。そろそろ娘ぼレースの準備の頃合いですか?」

 

八幡「ちょうどそう思っていたところです。ジャーニー、そろそろダービーの準備を始めるぞ。」

 

ジャーニー「はい、かしこまりました。」

 

オルフェ「兄上、今日の策は決まっておるのか?」

 

八幡「ジャーニーの最も得意とする脚質、追込で行く。出来るだけ最後の直線まで脚を溜めて末脚勝負にかけるってのが作戦だが、東京の直線は中山よりも長い上に今日は晴れだ、追込みが効かない。だから状況の応じて仕掛けてくれ。」

 

ジャーニー「分かりました。では最初は他のウマ娘の後ろに控えながら追走します。仕掛けのタイミングは直線に入ってからですか?それとも3~4コーナーに入ってからですか?」

 

八幡「もし前との差が微妙だと感じたら追い出して構わない。自信があったら直線まで待て。」

 

ジャーニー「承知しました。では、そのように。」

 

 

 

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