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実況『先週の秋華賞では、ダイワスカーレットがオークスの雪辱を晴らす2つ目のティアラを獲得し、面目を保ちました。そして残す舞台は最後の菊花賞!まだ誰も経験した事の無い淀3,000mで火花散るレースが繰り広げられようとしています!まだ若さの残っていたウマ娘達もいつの間にか大人の表情に様変わりし、今か今かとレースの始まりをゲート前で待っております。』
解説『この3冠路線は近年稀に見る、同じウマ娘が2冠以上達成するという偉業を達成していますからね。』
実況『中でも今年はドリームジャーニーが3冠に、いや!無敗の3冠に王手をかけています。そのドリームジャーニーも落ち着いた様子ですね。』
解説『そうですね。しかし今日の落ち着きは嵐の前の静けさのようにも感じますね。何だか彼女だけ纏っている何かが違うような気さえしますね。』
実況『成る程、どうやら1番人気ドリームジャーニーの走りに目が離せなくなりそうです!さぁ今係員がキャンターに乗りました!菊花賞のファンファーレですっ!!』
♪~♪~♪~
実況『泣いても笑っても最後のクラシックレース。そのファンファーレと歓声が淀に響きます。そしてウマ娘達がこれからゲートへと入って行きます……上位人気3人は全員が偶数番号という、こちらも稀に見る流れともなりました。さぁ2番人気のロックドゥカンプと2冠ウマ娘ドリームジャーニーが同時に収まりました。ダービーで驚きの粘りを見せたアサクサキングスが入って、さぁ最後に大外3番人気のヴィクトリー!さぁ今歩を進めて……体勢が整いました!歴史が開く瞬間は目の前だ、菊花賞……』
ガッコン!!
実況『スタートしましたっ!!ハナを切りに行ったのはやはりホクトスルタン!その後ろからはサンツェッペリンとヴィクトリーも続く!1番人気のドリームジャーニーは最後方、殿を選択しましたっ!!さぁ17人を引き連れてハナを走るのはホクトスルタンだっ!!この菊の舞台を颯爽と逃げていきます!』
アート「最後方……アレもトレーナーさんの作戦ですか?」
八幡「この長丁場のレース、脚を溜めれば溜める程有利に事が運ぶのは追込ですからね。このまま逃げられる可能性も低くはありませんが、このレース展開だと先行が崩れる展開になるのは読めますので。逃げまでは分かりませんが。」
父上「………」
オルフェ「兄上、姉上の位置はどうだ?」
八幡「良い場所に居る。前のウマ娘の後ろにしっかり張りついてるからな、アレなら自分のスタミナも脚も温存出来る。」
実況『正面スタンド前を通過して、これから向正面へと向かって行きます。ドリームジャーニー最後方のまま隊列がスタンド前に別れを告げ、2週目へと入っていきます!先頭変わらずホクトスルタン。2番手にサンツェッペリンとすぐ後ろにヴィクトリー。4番手にはマンハッタンスカイと並ぶようにアサクサキングス!その後ろアルナスライン虎視眈々、コートユーフォリアも前をマーク!ちょうど中央フサイチホウオーここで挽回出来るかっ!?さぁこれから3コーナーへと差し掛かります!鬼門です、京都の鬼門が牙を剥きます!』
ジャーニー(ここまで来た………後は私の走りをする。)
実況『さぁ登った先には下りが待ち受けています!この魔の3コーナーをどうするのかっ!?』
ジャーニー(………いきます。)
ズサァ!!!
実況『各ウマ娘がペースを上げ始めて動いた動いた動いたっ!!ドリームジャーニーが最後方から一気に中団まで上がってきた!!みるみるバ群を追い抜いていくっ!!さぁ残すは直線だけの真っ向勝負!!さぁ先頭はホクトスルタン逃げているが、後ろからアサクサキングス襲い掛かる!!アルナスラインも良い脚だがその外、一気にドリームジャーニーだ!!ドリームジャーニーが全てを飲み込むっ!!さぁ4コーナー曲がっての直線勝負だっ!!』
ジャーニー(オル……見ていておくれ。コレが今、私の出来る……最大の走りだっ!!!)
実況『さぁウチのホクトスルタン粘っているが外から一気にドリームジャーニーッ!!ドリームジャーニーが先頭に入れ替わるっ!!アサクサキングスとアルナスラインが2番手に上がってきている!!しかし外のドリームジャーニー強過ぎるっ!!脚色が衰えないっ!!17人のライバルも、淀の3,000mも、魔の3コーナーも関係無いっ!!ドリームジャーニー、第7代目の3冠そしてっ!!無敗の3冠達成ゴールイイイィィィィィンッ!!』
ジャーニー「はぁ……はぁ……ふぅ……」
走り終えたドリームジャーニーは疲れた様子を魅せずに息をすぐに整えた。そして観客席のとある場所を凝視していた。
オルフェ「………」
ジャーニー(観ていてくれたかい、オルフェーヴル?今のこの走りが、【王】の走りだ………待っているよ、この頂で。)
オルフェ(……フッ、望むところよ。)
八幡「何かを受け取ったみたいだな。」
オルフェ「うむ。姉上からの……いいや、偉大なる先駆者からの果たし状だ。」