比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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マネキン八幡

 

 

八幡side

 

 

八幡「……あの、まだあるのでしょうか?」

 

アート「はい、まだ2~30着程。」

 

八幡「そこまで気合いを入れる必要は無いのでは?たかが自分如きの同窓会なんかに。」

 

アート「いいですかトレーナーさん。菊花賞の時にジャーニーも言いましたが、自身のトレーナーが侮辱されるのを良しとするウマ娘なんて居る筈がありません。やるからには本気でコーディネートさせていただきます。私の本分はイラストレーターですが、こう見えてコーディネートにも自信があります。今も主人が懸命にトレーナーさんのお眼鏡に適う金細工を作っている最中です。誰が見てもただの一般人には見られないよう、全力で取り掛からせていただきます。」

 

八幡「いや、オルフェのスーツだけでも普通じゃないのでアレでも充分過ぎるくらいなのですが……」

 

アート「アレはレースの時に着用する一張羅なのでしょう?でしたら今から試着していただく物は全て外出用やパーティー用にお使いください。」

 

 

菊花賞の後におふくろから中学の同窓会の案内を渡され、俺は参加しない方向だったのだが、この一家がめちゃめちゃ本気を出して俺の事をキラキラにさせる気満々なのだ………ホントたかが中学の同窓会に何をそんなにムキになってるんですか?っていうよりも、俺がバカにされる事の方が我慢ならないらしいんだが、別に俺が聞くのであって皆さんが聞くわけじゃないから別にいいのでは?

 

因みに今はご両親の家にお邪魔している。ジャーニーとオルフェも一緒に来ている。

 

 

ジャーニー「失礼します。どうかなお母さん、八幡さんに合うのは見つかったかな?」

 

アート「いいえ、10着着ていただいたんだけどどれもダメね。トレーナーさんに釣り合ってないわ。」

 

八幡「それ絶対に逆です。俺がスーツに釣り合ってないんです。もっとスーツのデザインのランクを落としてください。」

 

ジャーニー「オルの選んだデザインを主体に母が手直しをして仕上げていただいていますので、特段ダメというわけでは無いのでしょうけど……確かにオルの選んだスーツに比べると見劣りするな。」

 

アート「そうなのよね。やっぱりあの子のセンスは私とお父さん譲りなのよね……最初からハードルが高いんだもの。今のところはコレが1番似合っているのだけど、それだとオルのと被っちゃうでしょ?それはどうしても避けたいのよね。」

 

ジャーニー「確かに……どうしたものか。」

 

八幡「あの、完全に黒一色で差し色を無くすっていうのは「却下です。」……ですよね。」

 

 

この2人、もう俺の意見なんて聞く気無いじゃん……

 

 

アート「このコンセプトは間違ってないのよね……後はコレをどう改良するかなのよね。」

 

ジャーニー「八幡さん、大変だとは思いますが残りのスーツにも袖通しをお願いします。」

 

八幡「もうとことんやってやるよ……」

 

 

ーーー数時間後・工房ーーー

 

 

父上「………ダメだな。」

 

オルフェ「うむ、合わん。」

 

父上「やはりこっちのデザインか……オルはどう思う?」

 

オルフェ「……それでは兄上が霞む、本人が霞む品は三流品も同然。」

 

父上「その通りだ、引き立ててこその装飾だ。」

 

八幡「あの、全然普通のでいいんですけど?」

 

オルフェ「何を言う……普通の品では我々が満足せん。兄上よ、頭に…そして心に刻め。兄上は【王】のトレーナーなのだ、そのトレーナーが普通の恰好などあり得ぬ。」

 

 

それは君の持論でしょ?

 

 

父上「……オル、お前に渡した金細工を持って来い。少し試す。」

 

オルフェ「よかろう。」スタスタ…

 

八幡「あの、オルフェに渡した金細工っていうのは?」

 

父上「……耳飾りや髪留め、ネックレスの類だ。」

 

八幡「いや、それ合いませんって。オルフェの為に作った物なんですから。」

 

父上「……だから試すんだ、トレーナーに合う金細工を見つける為にな。」

 

八幡「は、はぁ………」

 

 

ーーー数時間後・居間ーーー

 

 

アート「そっちもダメだったみたいね……」

 

父上「あぁ……」

 

オルフェ「………」

 

ジャーニー「まさか八幡さんに合うコーディネートがここまで難しいとは思いませんでした……」

 

八幡「だからもっと楽に考えよう?普通で良いっていう考えどうして誰も聞き入れてくれないの?」

 

ジャーニー「それだけ本気という事です。失礼、レンズにゴミが………」

 

八幡「ご両親もそんなに深く考えずに、もっと単純に考えてください。こんな男にそこまで時間を割く必要は「八幡さん、眼鏡をかけてみてください。」……は、はぁ?何で?」

 

ジャーニー「私ので構いませんので、どうかお願いします。」

 

八幡「………かけたぞ。コレが何だっていうんだ?」

 

ア・オ・ジャ・父「っ!!!!」

 

 

え………何?何かビクッてなってすぐ固まったんだけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アート「トレーナーさん、眼鏡を買いに行きましょう。ジャーニーと同じ縁無しの眼鏡を。」

 

八幡「え?は、はい?」

 

オルフェ「余も同行しよう、行くぞ兄上。」

 

八幡「ちょ、え?な、何?」

 

ジャーニー「お母さん。思いついた衣装像がありますので、先にデザインを書かせてもらうよ。」

 

八幡「ん?んん~?」

 

父上「買ったら眼鏡の写真を送れ、すぐに作業に移る。」

 

 

急に家族全員の動きが変わったっていうか俺すらも動きについていけなかった。それからの作業はこれまでの停滞が嘘だったかのように進み始めた。流石にスーツは無理だったみたいだが、ジャーニーとアートさんの様子を見る限りでは納得の行くのが出来上がったみたいだ。そしてお父さんは工房でずっと作業をしていたのだが、やっと出てきたと思ったら眼鏡の部品とチェーンを作っていたみたいだった。驚いたのが、本体を1度も見ていないのに1回でピッタリのサイズだった事だ。流石はプロだと思ってしまった……

 

それよりも気になるのがスーツなのだが、奇抜な衣装じゃないよな?お願いだからそれなりので頼みますよ?

 

 

 

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