八幡side
さて、今年のレースはもう出ない事にしている俺達は残り少ない今年を満喫している。このクラシックでは最初から飛ばしっぱなしだったから、シニアクラスになるまでは身体を鈍らせない程度のトレーニングをしていて、後は特に変わった事はしていない。有マ記念の出走も考えたが、無理をさせても意味は無い。今年はゆっくり休ませる事にしている。
まぁ実際、ここ数週間はトレーナー室で炬燵に入りながらゆっくりしているしな。今日も今日とて炬燵に入りながらみかんを食べている。
八幡「………」
シービー「いやぁ~良いねぇ~温いねぇ~♪」
八幡「あぁ、そうだな。」
シービー「……いつもなら追い出そうとするのに、今日はしないの?」
八幡「わざわざ疲れるような事はしねぇよ。せっかくリラックス出来てるんだ、無駄な事はしたくないんだよ。」
シービー「あたしはあのやり取り、割と好きなんだけどなぁ~。」
八幡「君ってもしかしなくてもバカなんだろ?」
ガラガラッ
オルフェ「………」
八幡「ようオルフェ、暖を取りに来たのか?」
オルフェ「うむ……」
シービー「ちょっとー?ノックくらいしたらー?」
八幡「不法侵入するお前よりかは遥かにマシだ。」
まぁ、オルフェも過去にはしてたが、今は全くしないから口にはしないでおこう。
八幡「何か食べるか?テーブルの上にみかんくらいなら用意してあるが。」
オルフェ「……冷たい物を所望する。」
八幡「ん、分かった。」
シービー「八幡~あたしにも~♪」
八幡「お前はみかん食っとけ。」
シービー「ぶぅ~ぶぅ~!」
八幡「ほい、オルフェ。ご所望の冷たいものだ。」
オルフェ「ほう……アイスか。」
八幡「惜しい、シャーベットだ。」
オルフェ「……見たところ、みかんか。何処の物だ?」
八幡「愛媛県だ。まぁここまで言ったら分かるだろ?」
オルフェ「甘平か……良い品を選んだな。」
八幡「日本の中でなら甘さは1番だからな。そこに置いてあるのも甘平だから好きに食べて構わない。」
オルフェ「うむ……では、いただこう。」
シービー「八幡~あたしには~?」
八幡「無い、みかんの筋食っとけ。」
オルフェ「………っ!甘い、だがくどくない……良い味だ。それに口元にも程良く味が残る……この味わい、見事である。」
八幡「ありがとな。まぁ作るのはそんなに難しくないから、言ってくれれば用意しておくぞ。ただし作ってから1~2週間で食べてくれ。」
オルフェ「感謝する、兄上。ではいくつか依頼する……」
八幡「おう。」
オルフェ「………」シャリシャリ…
シービー「ねぇ八幡~!」
八幡「だから無いって。みかんの種食っとけ。」
シービー「それ食べ物じゃないからっ!!あたしにも~!!」
オルフェ「煩わしい……」
八幡「ほらシービー、静かにしろ。オルフェも居るんだから。お客の前では静かにしろ。」
シービー「あたしはお客じゃないって事?」
八幡「お前はただの不法侵入者だ。追い出さずにみかん食わせてるだけでも寛大だと思え。」
コンコンコンッ
ジャーニー『八幡さん、ドリームジャーニーです。こちらにオルは来ていませんか?』
八幡「オルフェならちょうど今此処に来て寛いでいるところだ。お前も入って来ていいぞ。」
ジャーニー『では、失礼致します。』
ガラガラッ
ジャーニー「あぁ、良かったよ。此処に居たんだねオル……どうやら寛げているみたいだね。」
オルフェ「あぁ………」
ジャーニー「おや、それは何だい?」
オルフェ「兄上が作ったシャーベットだ……良い味をしている。」
ジャーニー「そうなんだね。八幡さん、オルの食べているシャーベット、まだ残りはあるでしょうか?」
八幡「あるぞ。じゃあお前のも用意する。」
ジャーニー「ありがとうございます。」
ジャーニーはオルフェの隣の場所に座った。どうやらこの炬燵は人気スポットらしい……別に俺が広めたわけじゃないんだが、いつの間にかって感じだ。
そしてジャーニーにもシャーベットを用意して、俺も自分の席に戻った。
ジャーニー「……うん、冷たくてとても美味しいです。オルが気に入るのも頷けますね。」
オルフェ「既に兄上にいくつか作ってもらうよう依頼してある。」
ジャーニー「流石だね、オル。」
シービー「ぶぅ~………」プクゥ∼…
八幡「どうしたシービー?そんな膨れっ面になって。何かあったのか?」
シービー「あたしのシャーベットは?」
八幡「え、無いけど?」
シービー「おかしいじゃん!!何で無いのさっ!!?八幡も彼女達もシャーベット食べてるのになんであたしだけみかんなのっ!?あたしもシャーベット食べた~いっ!!」
八幡「なら今度からはちゃんと俺が居る時にノックしてから入って来る事だな。今日の君にはみかんしか出す物は無いぞ。」
シービー「………絶対だからねっ!」
八幡「はいはい分かった分かった、その時が来るとは思えないが気長に待ってる。」
オルフェ「……兄上、まだあるか?」
八幡「後2つある、1つずつ食べていいぞ。」
ジャーニー「私の分まで……ありがとうございます、大切にいただきますね。」