八幡side
ルドルフ「来てくれて感謝するよ、比企谷君にドリームジャーニー。」
八幡「それは別に構わないんだけどよ、一体何の用なんだ?お前も分かっていると思うが、俺達は天皇賞のトレーニングで忙しいんだが?」
ルドルフ「重々承知しているさ。君達、というよりもドリームジャーニーに頼みがあるんだ。」
ジャーニー「おや、私に?一体どのような内容なのでしょうか?」
ルドルフ「君が委員長として活動している遠征支援委員会の事についてだ。」
ジャーニー「おかげさまでこの1年の利用者はとても多く、昨年と対比するまでも無く10倍以上の成績となっております。これも一重に八幡さんの宣伝と生徒会が活動費を上乗せしていただいたおかげです。」
八幡「その委員会がどうかしたのか?問題も無いくらい機能していると思うが?」
ルドルフ「だが実際に活動しているのは彼女だけなのだろう?それではいざという時に何も出来ないのではないか?特に今回のような大事な時は。」
八幡「何だ、そんな事か。」
ルドルフ「……比企谷君、そんな事で終わらせていい話では無いのだが?」
八幡「だって、ジャーニー1人でも活動出来るように仕組み作りしたからな。だろ、ジャーニー?」
ジャーニー「えぇ。昨年の秋頃に会長に遠征支援委員会で使用するツールの申請をしたのを覚えていらっしゃいますか?あのツールには希望先の旅先の情報を入力すれば自動で出せるようにするものです。日本全国世界津々浦々に至るまで、全てです。なので委員会の増員という事でしたら心配は無用ですよ。」
ルドルフ「失念していた……そのツールの申請は確かにしていたな。済まなかった、私の確認不足だったよ。」
ジャーニー「いえ、そういう事は誰にでもよくある事ですからお気になさらないでください。」
ルドルフ「道理で遠征支援委員会の利用者が鰻登りなわけだ、そういう事だったとはね。」
八幡「話はこれで終わりか?それなら俺達はもう行くぞ?」
ルドルフ「いいや、頼みたい事が1つあるんだ。今年の新入生に君の走りを見せてやってほしいんだ。現役最強の走りともなれば、皆もきっと志を高く持ってくれるだろう。今後レースを目指す上でも良い指標となるだろう。」
ジャーニー「その程度の事でしたらいつでも……ただ、私もこの時間だと指定をするつもりはありません。見に来るのであれば向こうから……来る者拒まず去る者追わず、このスタイルを貫かせていただきます。」
ルドルフ「出来れば君の方から促してほしかったところだが、まぁその答えを聞けただけでも良しとしよう。」
やれやれ、ルドルフから呼び出されたから何事かと思ったら、そんなに大きな事では無かったな。4月に入った新入生達の多くはジャーニーの走りに魅せられていた。特に小柄なウマ娘達が多かった。身体が小さくてもあれだけの実力を出す事が出来るのだと、改めてこの世界の常識を打ち破ったという意味でもある。
ルドルフ「先程口にしていたが、君達の今後は天皇賞みたいじゃないか。大阪杯からの期間は短いが、調整は上手くいっているかな?」
ジャーニー「おかげさまで。」
八幡「上々とだけ言っておく、先の事はまだ何とも。」
ルドルフ「もう少し話してくれてもいいじゃないか。」
八幡「情報が何処から漏れるか分からないからな、不用意な事は言わないようにしているだけだ。」
ルドルフ「そんな事をする生徒はこの学園には居ないさ。」
八幡「そこは俺も疑ってない。」
ジャーニー「そうですね、私も生徒の中にそのような方が居るとは思っていません。」
ルドルフ「……ではそれ以外の人物が居ると?」
八幡「さて、どうだろうな……じゃ、俺は行く。」
ジャーニー「では私もお暇させていただきます。」
トレセン学園に在籍している2,000人、そんなアンフェアな事をするような生徒が居るとは思えないし思いたくない。けどそれ以外の可能性ともなれば話は別だ、何せ生徒達以上に外との接触が多いからな。
ーーー遠征支援委員会ーーー
ジャーニー「八幡さん、先程の生徒会での最後の会話……あれは同業者の事を指しているのでしょうか?」
八幡「お前には分かるか……まぁ誰かも絞れているんだろ?」
ジャーニー「オルが話していましたから。八幡さんお同期にはとても愉快な性格をした方が居ると。」
八幡「何故か俺の事は嫌ってるみたいでな。別に仲良くしたいとは思わないが、あれだけ一方的にされるとこっちだってその気も失せるってもんだ。」
ジャーニー「最初から仲良くする気が無いようにも見えましたが?」
八幡「ホントよく見てるよな……」
ジャーニー「八幡さんは時々、分かりやすい時がありますから。それにもう鉄の契約を交わして3年になるのです、そのくらいの事なら分かります。」
八幡「逆に俺はお前の秘密をそんなに知らないんだよなぁ……話せと言う気も無いから別に気にしてないけど。」
ジャーニー「ふふふ……」
その笑い方、ちょっと怖いって……その含んだような笑顔をするのやめてくれよ。