ジャーニーside
オルフェ「して姉上よ、兄上への贈答品は何がよいだろうか。」
ジャーニー「そうだね……もうほぼ出し尽くしてしまった感じがするからね。何を贈ればいいものか……」
八幡「あのさ、その相談はもうするべきじゃないと思ってるんだが?充分過ぎるくらい貰ってるからもういいって。」
オルフェ「兄上、これは我々の誠意だ。受け取らぬと申すか?」
八幡「いやそういう事じゃなくて。GⅠを勝つ度にこういうのを貰ったら申しわけ無くなる。そういうのはジャーニーにやったらどうだ?」
ジャーニー「八幡さん、私は既にいただいております。両親やオルからこれでもかというくらいに、ね。」
八幡「俺は前のスーツや金細工で充分だから。」
オルフェ「それは同窓会の為に用意した物に過ぎぬ……これとは話が別だ。」
八幡「同じにしてもいいんだけどなぁ……」
遠征支援委員会では、オルと八幡さんと私の3人でお話をしています。内容は聞いた通り、八幡さんの今回のお祝いの品についてです。しかし当のご本人は受け取る気が無いみたいなのですが、オルは誠意と言って退く気は無い……さて、どうしたものか。
ジャーニー「では八幡さん、こういうのはいかがでしょう。衣装や装飾品ではなく食品ではどうでしょう?八幡さんは寮住まいとはいえ、1番に費用がかかっているのは食費の筈。このままではオルもきっと気持ちが収まらないと思いますので。」
八幡「正直、そういうのもあまり気が進まないんだが……まぁ最初のよりかはマシだな。じゃあそれで頼む。ただし最初に言っておく、適当な量でいいからな?業者並の量を貰っても、きっと1ヵ月じゃ使い切れないだろうしな。」
ジャーニー「ではそれでいきましょう。オル、聞いていたね?」
オルフェ「うむ……では今宵、母上達を連れて選びに行くぞ。」
ジャーニー「そうだね、色々と吟味しなくてはいけないからね。」
八幡(両親が一緒なら大丈夫か。買い過ぎるなんて事は無いだろう……俺も適当な量って言ったし貰い過ぎても使い切れないって言ったし。それにジャーニーとお母さんも居るからストッパー役もしてくれると思うし。オルフェの暴走もきっと止めてくれるだろう。その暴走が家族全員に移らなければ、食材の量はきっと大丈夫だろう。無口なお父さんも暴走するようには見えないしな。
八幡「オルフェ、ジャーニー……1つ聞きたい。」
ジャーニー「はい、何でしょうか?」
八幡「食材の量は絶妙だ、ちょうど良いと思っている。その点についてはすげぇ満足している。」
ジャーニー「ご満足していただけたみたいで何よりです。」
八幡「けど問題がある……コレ何?」
オルフェ「A5ランクの松阪牛である。」
八幡「じゃあコレは?」
オルフェ「日本一の卵、夢王である。」
八幡「じゃあコレ。」
オルフェ「静岡県産のメロンである。」
八幡「何か省いたなだろ、誤魔化さないで言ってくれ?」
オルフェ「最上等級【富士】である。」
八幡「おかしいんだよ!食材の量はこれでもかってくらい絶妙なのに、どうしてどれもこれも高級品選んじまったの!?え、何?誰かに贈るの?贈答品?」
オルフェ「何を呆けた事を言っておる、兄上への贈答品だ。」
八幡「なぁ~んで数万もする食材を選んじゃったのかなぁ~……っていうかお前は何をしてたんだよ?きっとコレ全部オルフェが選んだヤツだろ?こういうのを止める為に家族で目利きして買いに行ってくれたんじゃないのかよ?」
ジャーニー「最初は私もそのつもりだったのですが、よく考えると八幡さんにはGⅠ祝いの品をお祝いとして差し上げていましたが、3冠達成のお祝いは何もしていなかったと。加えて、天皇賞は除くとして今年の大阪杯を勝ったお祝いは何もしていない事に気が付きましてね。これは良くないと家族で話し合った結果、今回は豪勢にしようという結論になったのです。」
八幡「そんなの気にしなくていいって。3冠達成のだってその辺の少し高い程度のお菓子くらいで充分だから。なんか自分でこんな事言ってるのもすげぇ変な感覚だけど。」
ジャーニー「ではこの品では不満だと?」
八幡「不満は無いよ?ただ重たいって。一般人の俺が貰う物としては高過ぎて気軽に受け取りますなんて言えないんだよ。」
ジャーニー「その事でしたらどうかお気になさらないでください、我々も納得して購入を決めたのですから。もし受け取っていただけないと申されるのであれば……」
八幡「どうするんだ?」
ジャーニー「八幡さんのご実家に送らせていただきますね。」
八幡「やめろマジで。親父もおふくろも目ん玉裏返るわ………分かった、ありがたく受け取らせてもらう。それと今の内に言っておく、きっと宝塚記念の時も同じ事をするような予感がするからな。量は100点だ、けど物はスーパーとかその辺に売ってるので大丈夫だから。」
オルフェ「何を言う、次の宝塚記念に勝てば春の3冠を手にするのだ。半端な品を贈る等、余が許さぬ。」
八幡「うわぁ~妥協する気が無いのはよく分かったわ。」
八幡さん、ご理解ください。こうでもしなければ私はともかく、オルや母さん達が納得しないのです。