ジャーニーside
ブエナ「そっかぁ~……じゃあジャーニーさんもダービーの時は緊張したんですね。」
ジャーニー「えぇ、ダービー独特の緊張感と言いますか、それに加えてウオッカさんの並々ならぬ迫力もありましたね。いまでもよく覚えておりますよ。」
ブエナ「私もオークスではディザイアさんの一騎打ちだったんですけど、最後まで分からないレースでした。最後ギリギリで私が差し切る事が出来ました。次の秋華賞まで気が抜けません。」
ジャーニー「そうですね、レースというのは何が起きるのか分からない……そういう時こそ念には念を、準備をしておくのがよろしいかと。」
ブエナ「ジャーニーさんもその準備があったからこそ、3冠を達成出来たんですよね!凄いなぁ~……」
ジャーニー「確かにその通りではあるのですが、私の場合は八幡さんが居たからというのも理由の1つです。あの方は本当に私達の事をよく見ている……特に走りに関しては我々でも嘘はつけない。それ程までにあの人の我々を見る目というのは確かなものがあります。」
ブエナ「確かにっ!私も初めてトレーナーさんに走りを見てもらった時、良い所も悪い所も全部言い抜かれちゃったんですよね。お兄ちゃんも分からなかった事をトレーナーさんは1回見ただけで分かっちゃったから本当に凄い人なんだなって思いました。」
ジャーニー「あの時のブエナさんは少しだけ疑心暗鬼な表情をされていましたからね。」
ブエナ「わ、忘れてください!お兄ちゃんと同じ新人トレーナーさんだったから不安だったんです~……」
私は今、ブエナさんとカフェテリアで雑談をしております。話題はレースの事からトレーナーに移っております。八幡さんの初めてお会いした時のブエナさんは八幡さんの佇まいや表情を見てあまり良い印象を持っていなかったみたいなのですが、今はその印象は払拭されて信頼を持たれているみたいです。
ブエナ「そういえばもうすぐ宝塚記念ですけど、ジャーニーさんの準備は大丈夫ですか?」
ジャーニー「当日には完璧な調整にさせてみせます。八幡さんもその為のメニューを用意してくださっていますので。自身でもその調整は怠りませんよ。」
ブエナ「次も勝てば、春の3冠ですからねっ!」
ジャーニー「春3冠……正直に言わせていただきますと、興味はありません。私が走りたいと思ったレースに出させていただいているという認識ですので。」
ブエナ「そ、そんな感覚なんですね~……」
ジャーニー「勿論、お祝いのお言葉をいただけるのは嬉しい事です。それは素直に感謝していますよ。」
ブエナ「へ、へぇ~……やっぱりジャーニーさんは達観してるなぁ~。」
ジャーニー「いえいえ、そのような事はありませんよ。」
ジェンティル「こちらに居ましたのね、ブエナさん。」
ブエナ「あっジェンティルさん、こんにちは。」
ジェンティル「えぇ、御機嫌よう。ドリームジャーニーさんも御機嫌よう。」
ジャーニー「こんにちは。ブエナさんと少々お話をしていましてね、何かご用事でもございましたか?」
ジェンティル「いいえ、そのような事はありませんわ。オルフェさんのご様子はいかが?」
ジャーニー「元気にしていますよ。ご心配をわざわざありがとうございます。」
ジェンティル「お気になさらないで結構ですわ。最近のオルフェさんは少し牙が抜けたように感じたものでしたから気になっていましたの。何も無いのでしたらそれで結構ですわ。」
………
ジャーニー「そうでしたか、しかしそれはジェンティルさんの見間違いかと。あの子は日々成長しておりますよ、それが目に映りにくいというだけであって、よく見ていれば気付けますよ。」
ジェンティル「そう……それは良かったですわ。」
ブエナ(な、なんか2人の雰囲気が少しだけ殺伐した感じになってきているような……)
八幡「何してんの、お前等?」
ジャ・ブ「八幡さん……(トレーナーさんっ!)」
ジェンティル「御機嫌よう。」
八幡「おう。それよりもお前達だ、後輩困らせるような事してどうすんだよ全く。」
ジャーニー「っ!すみませんブエナさん、そのようなつもりは無かったのですが……申しわけございません。」
ジェンティル「ごめんなさいブエナさん、怖がらせてしまったみたいで。」
ブエナ「い、いえいえ!もう大丈夫ですので!」
ブエナ(この2人を相手に普通に間に入って仲裁するなんて……やっぱりジャーニーさんのトレーナーさんって凄いっ!)
八幡「……落ち着いたみたいだな、じゃあ俺も行く。あぁそれと、ジェンティル。お節介かもしれないが、お前もう少し自分の力加減をコントロール出来るようにしておけよ?この前ダートでの走り見させてもらったが、アレじゃパワーだけで走ってるようなもんだ。適度なリラックスも必要だからな。」
ジェンティル「……へぇ、分かりますの?」
八幡「芝でのお前の走りを見てるからな。それに比べたらパワー丸出しの走りだったぞ、アレじゃ地面着く度に踏ん張り過ぎて1周と持たないだろうな。」
ジェンティル「ふぅん……貴方、私の走りも見てくださる?」
八幡「え、ヤダよめんどくさい。自分の眼鏡に適ったトレーナーに見てもらえよ。」
ジェンティル「それが目の前に居るの。さっ、行きますわよ。」
八幡「いや、俺の担当目の前に居るからソイツに「構いませんよ。」……えぇ~。」
ジャーニー「いいではありませんか、私も興味がありますから。私には無い、彼女の力強い走りに。」
ジェンティル「えぇ、とくとご覧になって。」
ふふふふ……ではじっくりと見させていただきますよ、