八幡side
八幡「……本場はやっぱり違いますね、美味しいです。」
マンノウォー「そうだろうそうだろう!この州の代名詞だからなっ!遠慮なんてせずたくさん食べろっ!」
俺は今、ケンタッキー州の街に来ていて、先生も言っていたこの街発祥にして世界的に有名なファーストフード店、KFCに来ている。日本では学園とコラボした事が何度かあって、学生達も協力していた。日本のと違い、アメリカのは中々に量が多い。アメリカンサイズってヤツだな。ドリンクの量も日本のと全く違うし。
八幡「にしても少し意外でした、先生もこういうお店に来るんですね。」
マンノウォー「普段はあまりこういう庶民的な物を食べないからな、私の立場上、会食やそれなりの有名店に招待される事が多くてな、だから何処にでもあるような店で食べる料理はより美味く感じる。」
八幡「学園ではあまり食堂で食べないみたいですしね。」
マンノウォー「時間が惜しいからな、処理しても次から次へと書類が回ってくる。今年の開催地はサンタアニタパークレース場、カルフォルニア州が取り仕切る事になっているというのに、顧問として私が呼ばれているわけだ。その地域でいつもやっているやり方で良いというのに。」
八幡「それだけプロフェッサーが頼りにされているんですよ。プロフェッサーは先生と並ぶ程のアメリカを代表するウマ娘ですから。プロフェッサーは気にせずとも、体面を気にしてへりくだってしまうものですよ。」
マンノウォー「体面を気にしてどうするというのだ……それでレースが開催出来るのであればこんな苦労はしないというのに。孫との時間だって調整しなければ作れない………憎いものだ。アドミラルとシービスには早く帰ってきてもらいたいものだ。」
プロフェッサーの頭の中は既に俺といかに楽しむかという事しか無いみたいだ……プロフェッサーとしては顧問という立場を他の人に押し付けたいのだろう。
マンノウォー「……んんぅ~!それにしても、八幡と食べる料理はどれも美味いっ!特にお前の作る料理だ、アレを残すという考えは私には無いぞ!」
八幡「有言実行が如く、毎食全部平らげていますよね。料理人ではありませんが、嬉しいですよ。」
マンノウォー「お前の料理を食べるのは初めてだったからな、最初に聞いた時は驚いたものだ。心の中の声がそのまま出たぞ、『料理が出来るのかっ!?』っとな。楽しみにしながら腹を空かせ、お前の声を聞いてからダイニングにいったらどうだ?予想していた以上に美味そうな料理だけでなく、本当に美味かったのだからな!つい頼み込んでしまった。」
八幡「毎日夕飯を作ってほしい、でしたね。アレには驚きましたよ。何処で覚えたのかも分からない土下座でお願いされたんですから。」
マンノウォー「出来ればこの地に残って夕食の用意を頼みたいところだが、そうはいかないからな。お前が居る間だけでもと思ったんだ。」
八幡「先生の家にお邪魔させていただいているんですからこのくらいの事はさせていただきますよ。それに俺もケンタッキートレセン学園には色々と学ばせていただいていますから。日本では実践しないトレーニング法や俺の知らないメニューやトレーナー独自の育成法なんかも知る事が出来たんです、寧ろお釣りを渡さなきゃ割に合わないと思っているくらいです。」
マンノウォー「お前もただ休暇を楽しみに来たわけじゃないというのはよく分かったがな。」
八幡「最初はただの長期休暇のつもりだったんですけどね、ウマ娘の走る姿を見るとどうにも……ちゃんと許可は取ってますからね?」
マンノウォー「そこは疑ってない、安心しろ。それにお前がそんな事をするわけが無いだろう。」
八幡「ありがとうございます。」
マンノウォー「うん、食べ切ったな。まだ食べるか?」
八幡「俺は普通の人間ですよ?目の前にあるのだけでも充分過ぎる量ですよ。」
マンノウォー「では、行くか。」
ーーーケンタッキートレセン学園・書斎ーーー
八幡「少し席を空けただけなのに書類があるなんて……本当に忙しいんですね。」
マンノウォー「借りれるなら猫の手でも借りたいくらいだ。だが今はお前という最も頼りになる懐刀が居るからな。」
八幡「右腕と左腕はウォーアドミラルさんとシービスケットさんってところですか?」
マンノウォー「そんなところだ。まぁ他の州への応援に行っているから、今は腕とは呼べんがな。」
八幡「じゃあ先生はどうなんですか?」
マンノウォー「タリアトか?アイツがもしこのアメリカに戻ってくるのなら、私は全てをアイツに押し付けるな。」
八幡「ははは……そんな答えが出るとは予想していました。」
マンノウォー「そうだ、私が酔い過ぎた次の日にタリアトからLANEが来ていてな、お前に迷惑をかけすぎるなと言われた。」
八幡「気にしてませんよ、プロフェッサーも気にしないでくださいよ。それに迷惑の酌量を決めるのは俺自身なんですから、その時は正直に言いますよ。今は全くそう思っていません。これだって俺がやりたくてやっているので。」
マンノウォー「本当に私は良い孫を持ったものだ……」