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7月中旬に入り、夏合宿も1/4が終了した。生徒達やトレーナー達も精力的にトレーニングに励んでおり、日々邁進している。陣営やチームによって掲げている目標は様々だろう。幸先の良いスタートを切る為、大きいところを獲りに行く為、デビュー戦を勝ち取る為、目標をあげたらキリが無い程だ。そんな実りのある夏合宿に参加している生徒達だが、そんなポジティブな空気とは程遠いネガティブな空気を出しているウマ娘が居た。
そう、彼女である。
シービー「はあああぁぁぁぁぁ~………」ズウゥゥゥン…
ルドルフ「シービー、いい加減それをやめてほしんだが?」
シービー「だって八幡が居ないんだよ?もうヤダ、あたし帰る、あたしもアメリカに行く……」
ルドルフ「今の君ではやりかねないから止めさせてもらうよ。」
エース「何だよ、またシービーが面倒な事になってんのか?」
ルドルフ「あぁ、その通りだ。エース、済まないが協力してくれ。」
シービー「あたしがめんどくさいみたいな言い方しないでくれる?」
ルドルフ「正真正銘、今の君は面倒な事には変わらないよ。」
そう、ミスターシービーである。彼女は八幡がアメリカに行くと聞かされてからはこの調子なのである。
シービー「帰ってきたらいっぱい甘えてやるっ!」
エース「ルドルフ、コイツもうダメっぽいぜ?」
ルドルフ「私だって分かっている。だが友人として見過ごせないだろう?」
ーーー夕方・食堂ーーー
シービー「ねぇ、寂しくない?」
ライス「ふぇ?な、何でですか?」
シービー「だって八幡が居ないんだよ?それも2ヶ月も。ライスは寂しくないの?」
ライス「さ、寂しいとはちょこっとだけ思いますけど、合宿が終わったらお兄様に会えるって思ったら、そんなには……」
シービー「チッ、裏切り者……」
ライス「ふぇっ!?」
ルドルフ「ライスシャワー、どうか気にしないでほしい。彼女は今、虫の居どころが悪いんだ。」
ライス「でもお兄様言ってましたよ、『お土産買ってくるから。』って。」
シービー「え、何それ……あたしそんなの一言も聞いてないんだけど?ライス、八幡に何したの?」
ライス「な、何もしてませんっ!」
シービー「八幡あたしにもお土産買って来てよね~っ!!」
ルドルフ「シービー、だから君は彼に相手をされないのだと私は思うぞ……」
ライス「……【♪~】?あっ、お兄様から……『お土産何がいい?』……ライスは何でもいいよ……送信。」
シービー「八幡、あたしには何の連絡もしてくれないのに何でライスだけ……」ムスゥ∼
ルドルフ「そもそも君は連絡先を知らないだろう……」
ライスが八幡とやり取りをしているところをシービーは面白くなさそうに眺めていた。
シービー「ねぇライス、八幡に連絡出来ないの?」
ライス「で、でもアメリカって今何時か分からないし、お兄様も何かしてるかもしれないし……」
シービー「ライスにそういう事を聞いたって事はショッピングしてるんでしょ!?なら電話しても大丈夫っ!」
ライス「う、うぅ~ん……」
ルドルフ「ライスシャワー、気にしなくていい。シービー、食べ終わったのならもう行くぞ。」
シービー「あぁ~八幡~っ!!」
ライス「……大丈夫かなぁ?」
ーーー寮部屋ーーー
シリウス「何だよ、ソイツはまたイジけてんのかよ。」
マルゼン「仕方ないじゃない、トレーナーさんにゾッコンなんだから。」
シービー「うううぅぅぅぅぅ~……」
エース「見慣れてきたけどよ、そろそろ立ち直れよって思っちまうよな。」
シービー「何だよ皆してあたしをイジめてっ!!どうせ君達には分からないよ、八幡に会えないこの寂しさなんてっ!!」
シリウス「理解したくもねぇな。」
シービー「何だよ!君だって八幡に褒められて嬉しがってたじゃん!しかも逆に八幡の頭撫でてた!!」
シリウス「パピーにご褒美をやって何が悪い?」
シービー「エースなんて頭撫でられてたじゃん!!」
エース「畑の野菜が大豊作だったからよ!」
シービー「ラモーヌは八幡と話してる時に笑ってた!!」
ラモーヌ「あの人の話には好きよ、それに愛があるもの。」
シービー「マルゼンはこの前一緒にドライブデート行ってた!!」
マルゼン「ドリフトすると、良い反応するのよね~♪」
シービー「ルドルフは八幡にお仕事手伝ってもらってた!!」
ルドルフ「あの時は非常に助かったよ、立て込んでいたからね。」
シービー「何であたしだけ何も無いのさぁ~っ!!!」ジタバタッ!!
エース「あるだろ充分過ぎるくらい。寧ろ何で自分は何も無いって思っているのかあたしには分からねぇ。」
食事が終わって部屋に帰ってからも、シービーの愚痴は続いていた。だがそれも周りの同級生は慣れてしまったのか、軽くあしらわれていた。
ルドルフ「止めるんだシービー、目も当てられないぞ。頼むからそれはこの部屋だけにしてくれ、そんな姿を下級生の前で見せたくはない。」
シリウス「もう遅ぇよ、少なくともバスの中で一緒に乗ってた連中にはバレてる。バスの中でもアイツの名前連呼してたしな。」
ルドルフ「……手遅れだったか。」