永井side
八幡「最近の新聞社ってのは随分と偉いんだな、ウマ娘の個人的な情報をこんな所でデッカい声でベラベラと話してるんだからな。おまけにトレーナーに向かって誹謗中傷さえ平気でするくらいだからな。」
後ろを振り返ると、そこには居酒屋やこのバーで話題に出ていた中心人物、ヒキタニが立っていた。そして大柄なウマ娘も隣に立っていた。
八幡「俺の後輩をよくもまぁそんな風に言ってくれるもんだ、良い趣味してるな。全く真似したいとは思わないが。」
永井「テ、テメェが何でこんな所にっ!?」
八幡「此処は俺とこの人の行きつけの店でな、話をする時にはよくこの店を使っている。まぁそんな事はどうでもいい、お前のさっきの会話だ。負けたウマ娘やトレーナーに対する暴言、誹謗中傷は同業として見過ごすわけにはいかない。今日の事はお前の上司にしっかり報告させてもらう。」
永井「おい待てよっ!!何で俺だけなんだよ!!コイツも同罪だろうがっ!!」
八幡「俺はさっきの会話でソイツが暴言を吐いたところを見てないし聞いてない。ただお前に質問をしていただけだ。それなのにお前と同じ罪にしろって?それは無理があるだろ。」
永井「けどお前の言葉だけで誰が信じるんだよ!証拠なんて無いだろ!!証言だけで信じてもらえると思うなよっ!!」
八幡「……去年の夏合宿から何も反省していないって事がよく分かった。お前、夏合宿が終わってからどうなった?誰の証言と証拠でどうなったのか覚えてないのか?」
永井「………っ!!?お前、まさかっ!!」
八幡「やっと分かったか、その通り。この会話もさっきのお前達のやり取りも録音してる。俺の証言とこの録音が証拠、そして此処に居る人達、引いてはマスターが証人だ。」
永井「くっ、くぅぅ……っ!!」ギリギリッ!!
タリアト「良く反省する事だな。これも【因果応報】【身から出た錆】というヤツだ。どちらも自身の行いが招いた結果だ。」
永井「コイツも言ってたんだぞ!!コイツだってお前の事を散々言ってたんだぞ!!居酒屋でお前に色々言ってたのに、それなのに俺だけなのかっ!!?」
八幡「俺はその居酒屋には居ないし、その会話も聞いてない。どんな内容なのかは大体想像はつくが憶測なんかで証拠も証言も作れるか。だから俺が今、この場で出来るのはお前が俺達トレーナーやウマ娘の誹謗中傷した事を〇□社に報告する事だ。たとえ関係があったとしても、そのやり取りをこの場でしていない以上は泥を被るのはお前だけだ。」
中島「………」
八幡「此処で大声上げても結論は変わらないぞ、俺は絶対にこの事を報告する。」
永井「クソッ!!おい、会計だ!!」
「かしこまりました。」
とんだ金曜日だっ!!
永井「お前の行きつけの店だって?2度と来るかこんな店っ!!!」
マスター「ありがとうございました。お帰りの後にお塩を撒かせていただきます。」
永井sideout
八幡side
八幡「はぁ……〇□社の上司さんの苦労が目に浮かぶ。せっかく復帰出来た矢先にコレだからな、同情するわ。」
タリアト「だがこれで癌を取り除く事は出来ただろう。さぁ、私達も飲み直そう。やっと美味い酒が飲める。」
中島「な、なぁ……」
八幡「?何だ居たのか、てっきりアイツについて行ったのかと思ってた。」
中島「何で俺を助けたんだ?俺は「別に助けたわけじゃない。さっきも言ったが、お前はこの店で俺達トレーナーやウマ娘を誹謗してはいなかった。居酒屋でどんな会話をしていたのかは知らんが、聞いてない以上どうする事も出来ないってだけの話だ。俺が出来るのはこの場での会話だけだ。まぁ命拾いしたとでも思っとけ、アイツは落ちたがお前は崖っぷちギリギリで助かった、それだけだ。」………」
タリアト「八幡、行くぞ。」
八幡「はい。」
今日は先生のご機嫌取りの為に来ていたのだが、とんだスタートになったものだ。まぁまだ始まったばかりだから巻き返しは効くだろう。
そしていつの間にかもう1人の奴も消えていた。
タリアト「よし、飲み直すか。それにしても、お前がアメリカに行ったと知ったあの朝は驚いたぞ。あんなに目覚めの良い朝は何年ぶりか。」
八幡「すみません。先生にも言おうかどうか迷ったのですが、どこから情報が洩れてドッキリが失敗するか分かりませんでしたので。」
タリアト「お前がそう言えば私だって口を塞ぐ。聞いておきたいんだが、あの後の師はどうだった?」
八幡「見事に二日酔いでした。少しは抑えられましたけど、それでも具合悪そうにしてましたけどね。」
タリアト「八幡、連絡した通り今日は私に付き合ってもらうからな。何、案ずるな。私は師のように絡み酒などしない。それに此処は店だ、気持ち良く飲む程度で構わない。」
八幡「お付き合いします、明日に支障が出ない程度に抑えながら。」
その後、先生と一緒に飲んでいたのだが、先生も飲むスピードが途中から早くなり始めて、最終的には酔ってしまった。だがプロフェッサーと違ったのは絡み酒ではなく褒め上戸になっていた。だから俺としては少しだけ店の中で居心地が悪かった。だって周りの人達が生暖かい目で見てくるんだから。酒は飲ませても、先生とプロフェッサーは一目のつかない所で酔ってもらおうと心の中で誓った。