ジャーニーside
ジャーニー「どうかされましたか八幡さん、少し難しいお顔をされていますよ?」
八幡「ん?いや、別に何も。オールカマーまで1ヵ月を切ったからな、トレーニングの見直しをしていたところでな。」
ジャーニー「それでそのようなお顔をされていたのですね。」
八幡「クラシッククラスの皐月賞ぶりの中山レース場だからな、それにお前は中山レース場の経験は朝日杯FSと弥生賞と皐月賞の3戦だけだ。少し厳しいレースになるのは必定といったところだ。しかもその先が天皇賞だからな、調整はほぼ出来ない。」
ジャーニー「……今の私はどう見ますか?」
八幡「改善はされてきてる、だが克服はしてない。お前も薄々感じているとは思うが、まだ苦手なんだろ?」
ジャーニー「そうですね、八幡さんに見抜かれた以上隠し立ては出来ません。正直に申しますと、東京レース場で追い上げられるタイミングがあるとすれば、直線だけだと思っております。つまり……」
八幡「道中は脚を溜める事に専念、って事か。しかもそれを苦手な左回りでしなくちゃならないから余計に難しいな……よし、今日から少しトレーニングを変える。」
ジャーニー「随分と急ですね。」
八幡「少しでも勝率を上げる為だ。それに今のお前の脚は全く問題無いレベルまで回復してる、2週間くらいの追込みならいける。当然ケアもする。」
ジャーニー「それなら安心ですね。八幡さんの施術はとてもお上手なので安心して任せられます。」
八幡「決まりだな。じゃあ後は「話は聞いていた。」っ!ちょうど来たみたいだな。」
オルフェ「姉上の盾がかかっている。それに兄上の頼み、断る理由など無い……」
八幡「ありがとうな。一応家臣達にも伝えておいてくれ、今日からのメニューはジャーニーの為にするから暫くは全体を見るトレーニングはしないって。」
オルフェ「……それでも見るのであろう?」
八幡「見るべきものはしっかり見る、でないと一緒にトレーニングをしてる意味が無い。
オルフェの協力を得られた=家臣達は絶対来るでもある。これでレースを想定した併走が出来る。いいやそれだけじゃない、模擬レースも可能だ。毎回オルフェが居るから錯覚しているが、普通担当1人に複数のウマ娘がトレーニングに参加するなんて事はトレーナーが依頼しない限りはあり得ないからこれは本当に大きい。
八幡「オルフェには感謝しないとな。」
オルフェ「……何の事だ?」
八幡「いいや、分からなくていい。こっちの事だからな。」
オルフェ「感謝を示すのであれば、甘味を要求する。」
八幡「ちゃっかりしてるな。分かった、じゃあ要求通りに作るとするか。因みにどんな物が良い?和菓子?洋菓子?焼き菓子系?それともゼリーとかプリンとかか?もしかしてアイス系か?」
オルフェ「……であれば、洋菓子を要求する。」
八幡「それだけか?洋菓子だったら何でもいい事になるぞ?」
オルフェ「……クリームを使った物が良い。それから今日はチョコの気分である、果物は必要無い。」
八幡「クリーム、チョコ、果物無し……チョコ生地は食べたかったりするか?」
オルフェ「うむ。」
八幡「よし、作るのは決まった。ちょっと時間貰うから待っててくれ。そうだ、ジャーニーも食うか?」
ジャーニー「おや、私にもいただけるのですか?」
八幡「要らないのなら別に構わないが?」
ジャーニー「いえいえ、そのような事は言いませんよ。ご相伴に預からせていただきます。」
八幡「じゃあ、少し行ってくる。あぁそうそう、少し時間かかるから昼食後を想定しておいてくれ。それから俺はデザート作りで忙しいから、飯は作れないからそのつもりで。」
八幡さんはきっとカフェテリアの厨房に向かわれたのでしょう。しかし何を作るのでしょうか?オルの要求を絞ると、ケーキくらいしか思いつきませんね。
ジャーニー「オルは八幡さんが何を作るのか想像はついているかい?私はケーキくらいしか思いつかなかったよ。」
オルフェ「……姉上と同じだ。余もその類しか思いつかぬ。今度はどのようにして余を楽しませてくれるのか……」
ーーー数時間後・カフェテリアーーー
八幡さんが戻ってきませんでしたので、私達はカフェテリアに来て昼食を摂る事にしました。八幡さんは……あぁ、居ました。どうやらまだ作業中のようですね。それにしても凄い集中力だ。
ジャーニー「今日は何にしようか。昨日はお肉だったからね……」
オルフェ「余は海鮮にする。」
ジャーニー「海鮮か、良いね。海鮮丼かい?」
オルフェ「いいや、アクアパッツァにする。」
ジャーニー「それじゃあ私は焼き魚にしようかな。」
そして私達はそれぞれの料理を頼んで席に着いてから食事を始めた。完食しようかというタイミングでお盆を持ちながら八幡さんが来ました。
八幡「よう、どうやらちょうど良いタイミングだったみたいだな。オルフェの要求に合っているかどうかは分からないが、作った。ルーローショコラだ。」
オルフェ「……チョコだけに見えるが?」
八幡「それは表面だろ?食べてみれば分かる。」
オルフェ「……では、いただこう。」
ジャーニー「いただきます。」
ルーローショコラなるものを食べた瞬間、私もオルも目を開きました。そして言葉が重なりました。
ジャ・オ「八幡さん(兄上)、次からはこちら(コレ)をデザートに要求します。(要求する)。」