ジャーニーside
この上無く賑わっている東京レース場……それもその筈、この東京レース場でのGⅠ開催は日本ダービー以来となる5か月ぶりの開催。関東での開催は1ヵ月前に中山レース場で開催されたスプリンターズSでした。そして今日はこの日本の伝統あるレース、人が集まるのは必然といったところでしょう。
ジャーニー「………」
オルフェ「フッ……今日の姉上は漲っておるわ。」
八幡「?どういう事だ?」
オルフェ「普段であれば出向く前に終わらせている……だが現地に着いた今でもこの瞑想を続けている、今も自身でコンディションを整えている。」
八幡「出向く前にもコンディションを整えてるのか、普通なら前日とかにするのにか?」
オルフェ「無論、昨日もしている。だが今日は勝ちたい理由があるのだろう……」
ジャーニー「………」
八幡「じゃあ今は余計な事はしない方が良いな。オルフェ、こういう時のジャーニーは何か必要な物はあるか?」
オルフェ「……瞑想を終えた後に水分を摂るくらいだ、軟水が良い。」
八幡「意外とマメ……では無いのか、お前達姉妹ならそのくらい当たり前か。じゃあ少し出てくる。ジャーニーの事は頼んだぞ。」
オルフェ「余の分も献上せよ。」
八幡「足すねぇ~。」
ーーー数十分後ーーー
ジャーニー「………ふぅ。おや、オルだけかい?」
オルフェ「兄上なら少し出ている。じきに戻るであろう……」
ガチャッ
八幡「おっ、終わってたのか。」
ジャーニー「ちょうど今終わったところです。」
八幡「そうか、ならタイミング良かったな。ほい、水。」
ジャーニー「ありがとうございます……おや、わざわざ良い水を買って来てくださったのですね。」
八幡「オルフェから知恵を貰っただけだ。にしても……来る時と大分変わったな。」
ジャーニー「そう見えますか?」
八幡「あぁ、見違えるくらいにな。この短時間でこれだけ変わるなんてな……身体のコンディションは変わらないのに内側から出るなにかは凄まじくなってる。」
オルフェ「兄上の言う事は的を得ている……今の姉上であれば心配無かろう。」
八幡「状態的には、だけどな。けど相手がどう出てくるかは分からない、作戦も徹底するぞ。」
ジャーニー「えぇ、それは勿論。それに今回の天皇賞は油断ならない相手が大勢居ますからね、無駄の無い作戦をお願いします。」
八幡「あぁ。」
ジャーニー「ですがそうですね、このままではまだメンタル面がやや不安だ……どうでしょう八幡さん、いつものように撫でてはもらえませんか?」
八幡「お前、二枚舌って言葉知ってる?」
ジャーニー「おや、八幡さんも酷い事を言う……私がいつ貴方に対し態度を変え嘘をついたというのでしょうか?」
八幡「いや……不安がってなくね?」
オルフェ「兄上、余は姉上が勝てるかどうか不安である。頭を労わる事を許可する。これは王命である。」
八幡「何その可愛い王命……頭撫でる事に王命使わないでくれる?」
結局その後、俺が折れる事になって不安がっている(?)2人の頭を撫でる事になった。位置的にはソファーに座っているんだが、俺が真ん中で2人がその横だ。オルフェは腕と脚を組みながら少し俺に身体を寄せている。ジャーニーは腕も足も組まず普通に座っているが、俺に身体を寄せているのはオルフェと一緒だった。
八幡「あのさ、コレで本当に不安消えるのか?俺には全くそうには思えないんだが。」
ジャーニー「頭を撫でてもらう時の安心感を甘く見てはいけませんよ八幡さん。たったこれだけの事でも違うものですよ。ねぇオル?」
オルフェ「うむ、兄上の手は良い心地だ……そのまま続けるが良い。」
八幡「起きてる今だから言うけどよ、間違っても寝るなよ?特にジャーニー、寝たら叩き起こすからな。」
オルフェ「姉上への暴挙は余が許さぬ……」
ジャーニー「オルに手を出したら……分かっていますね?」
八幡「ホント似た者姉妹だよな、お前達って。こういう時も息ピッタリかよ。」
ジャーニー「お褒めの言葉ありがとうございます。そのまま続けてください。」
オルフェ「兄上の賛辞は心地良い、労わりも続けよ。」
八幡「俺はトレーナーであって便利屋じゃないんだけど……まぁこんな事言ったところで今更か。」
ジャーニー「ふふふ、ミスターシービーさんが見たらどう思うでしょうか?きっと彼女の事です、自分もやってほしいと強請るでしょうね。」
八幡「アイツに言うなよ、こっちに来るのは確実だ。明日は昼飯にデザート付けてやるから。」
オルフェ「頭を労わるのを忘れるな。」
八幡「それ絶対なの?」
ジャーニー「私の脚のマッサージをお忘れなく。」
八幡「君達段々要求が厚かましくなってるんだけど、その自覚ってある?」
オルフェ「王の頭を撫でられるのだ、栄誉であろう。」
ジャーニー「本来であれば何人であろうとも触らせるのは許しがたいのです、貴方にだけは許しているという意味をご理解ください。」
八幡「特別扱いすれば許されるとでも?」
ジャーニー「八幡さんはお優しいですからね、ウマ娘の為ならば許してくれるでしょう?それにライスさんには自分からやっているではありませんか。」
八幡(反論出来ない材料提示しやがって……)