八幡side
トレーニングを開始して数分、既に簡単なアップを終わらせていた俺達は徐々に負荷を上げながらメニューをこなした。チラ見をしながら周りの様子を伺っていたが、全員がメモを取りながら真剣に見ていた。ウマ娘ではなく俺の方を見て、だ。まぁこの場で肝心なのはウマ娘ではなくトレーナーだからな、俺がどういう風にトレーニングをさせているのかをしっかり見せてやらなくてはならない。隣のコイツは未だに心配だが。
八幡「さて、それじゃあ本メニューに移る。これから
オルフェ「よかろう。我が走り、存分に使うがよい。」
八幡「助かる。それじゃあ最初のペアはライスを除いた3人からだ。その次から1人ずつ抜いていくぞ。追込の2人は前の2人を抜けるようにな。」
ジャ・ブ「はい。」
八幡「ライスとオルフェは一定の速度をキープして走ってくれ。道中はいつも通りでスパートは8割くらいで頼む。」
ライス「うん、分かったよお兄様。」
オルフェ「うむ。」
八幡「後輩はブエナの走りをよく見ておけよ、俺も見はするが担当はお前なんだ。口出しとかアドバイスはしないからな?」
後輩「はい、分かってます。」
八幡「よし、それじゃあ最初の3人は位置についてくれ。」
そして併走を始めてから数十分後にトレーニングは終了。俺は全員にダウンに行くように伝えてから全員を集めた。
八幡「以上で本トレーニングは終了となります。この後はストレッチを含めたダウンを行って全過程の終了となります。この後はウマ娘を解散させた後に質問会となりますので、案内係の指示に従って行動してください。」
ーーーカフェテリアーーー
東条「ではこれから質問会を行います。トレーナーによって内容が違いますので、自分の疑問に思っている内容を確認してから質問をするようにしてください。」
俺はトレーニング専門になった。俺自身は何でもよかったんだが、多くの人達からトレーニングにするべきだと言われてしまったからこうなった。
1「あの、比企谷トレーナー!質問なんですけど、もし最初の担当が出来た時には何からするべきなんでしょうか?」
八幡「自分だったら確認という意味も込めて、様々な距離を走らせます。仮に短距離が得意だとしても、距離は1,000~1,400mまであります。その中でもし1,400mが得意だとすればマイルという選択肢も増えてきます。短距離やマイルといった単純な距離に囚われず、どの程度の距離が走れて芝とダートどちらの適性が高いのかを調べる事から始めますね。自分の担当のドリームジャーニーも最初はそれから始めました。中長距離程では無いにしろマイルの適性があったので、ジュニアクラスには朝日杯FSに出走させましたから。」
1「成る程……適性はしっかり見極める事から、ですね。ありがとうございましたっ!」
2「質問お願いします!モチベーションってどうやって上げればいいのでしょうか?」
八幡「そうですね……その質問に関してはトレーナーによって違うと思いますが、自分はそういうのはやりませんね。あまり手のかからない担当というのも理由の1つです。(最近は増えてきたけどな、何だよ頭を撫でてほしいって。)まぁこれも自分流のやり方にはなりますが、飽きさせないようにする事ですね。同じ内容でも意識させる部分を違う部分にするとか、ですかね。すみません、あまり答えになってなくて。」
2「いえ、ありがとうございます!」
3「自分もお願いします!」
そんなこんなで色んな質問をぶつけられては投げ返しての繰り返しだったが、こっちも学ぶ事が多かった。
そして………
ーーー数十分後ーーー
たづな「皆様、本当にお疲れ様でした!見学会は無事に終了しましたっ!」
『お疲れ様でしたっ!』
沖野「いやぁ~終わった終わったぁ~!」
東条「気を抜くのが早いわよ、まだ担当のトレーニングがあるんでしょう?」
沖野「俺の事を理解してるアイツ等ならこのくらい予想してるって。」
八幡「それはそれでどうなんですか……」
黒沼「質問会では予想通り比企谷の所に人が集まってたな。」
後輩「しかも1人1人的確に答えてましたから流石です。」
八幡「返答に困るのもあったけどな。全員が納得出来たかどうかは分からないが、とりあえずって感じだな。」
田辺「じゃが後輩の所にも集まっておったな。やはり今活躍している2人に人が集まるのは当然といったところみたいじゃな。」
黒沼「そうですね、俺達にはあまり人が来ませんでした。」
それぞれこの見学会で思うところはあっただろうが、俺達がやっている仕事についてはそれなりに教えられたと思う。けど本気でトレーナーを志しているだけあって、熱量があった。質問の内容も本格的なものばかりだったし細かい事も聞いてきた。
だが、これでやっと有マ記念に集中出来る。