八幡side
後輩・ブエナ陣営が有マ記念出走を表明してから、周りの環境は大きく変わった。俺が一時期面倒を見ていたという事もあって、何故か世間では師弟対決とか言われている。俺は少しだけ手解きをしただけだから大した事はしてないんだけどな……
という事もあって、この前まで協力し合っていたのが、今度はライバル同士になるって事になっている。だから今はもう一緒にトレーニングはしていない。トレーニング体制的には前に戻っている。だからジャーニーとオルフェが中心でその他に家臣達が居るって感じだ。
八幡「有マ記念まで残りほぼ1ヵ月、ジャーニーとブエナのパフォーマンス的にはほぼ同じ。この1ヵ月でどうトレーニングと調整するかで色々変わってくるな。」
シービー「1ヵ月の調整って結構大事だからね~。負荷の強いトレーニングもやりにくいし、かといって軽めだと物足りないって感じるしね。コレあたしの体験談ね。まぁあたしの場合はジャパンCの後だったからだね。」
八幡「それじゃあ負荷の強いトレーニングが出来たのって1週間くらいなんじゃないのか?」
シービー「実際そのくらいだったかも。でもルドルフは2週間追い込んだって話だよ、多分それがあったから勝てたんだと思うなぁ~。」
今回の調整は中々に難しい。今回は見学会を挟んでたからなぁ……それが無かったら天皇賞からのトレーニングだったら色々とやりようがあったんだが、大体5週間っていう中途半端な期間だから追い込みとしては2週間いけるみたいな計算が一般的だが、快復が追いつかなかったら全部がご破算だ。
八幡「……とりあえず負荷の強いトレーニングは2週間する方向でいくか。他は軽めとケアと調整だな。」
シービー「ケアって何してるの?」
八幡「脚の施術だ。簡単に言うとマッサージだ。」
シービー「へぇ~そんな事してたんだ~……あたしにもやって?」
八幡「しません。今のお前にやって何になるんだよ。」
シービー「八幡が本当に正しいマッサージが出来ているかどうかを知る事が出来る!」
八幡「さっきまでの頼り甲斐のあったシービーはどこに行ったのか……まぁいい。色々と聞けたのは助かった、後は自分なりに考えてみる。」
シービー「併走が必要な時は呼んで、あたしいつでも行くからっ!」
……暇してるのはよく分かった。
ーーー部室ーーー
八幡「ってな感じで行こうと思う。何か質問はあるか?」
ジャーニー「いえ、トレーニングに関しては八幡さんの事を信じておりますので。私もオルも異論はありません。」
八幡「そうか、じゃあ有マ記念はこの内容で行く。分かっているとは思うが、メンバーはまだ決まってないから対策とか何も無い。分かっているのはブエナは確実に出てくるって事だ。その対策だけはしていくぞ。」
オルフェ「ならば余は姉上の前を走ろう、あの者をマークするのであろう?」
ジャーニー「ありがとうオル、おかげで良いトレーニングが出来そうだよ。八幡さんも併走の時はオルを私の前を走らせるように指示を出してください。こうしてオルから言ってくれましたので。」
八幡「分かった、じゃあオルフェは併走の時に頼む。」
「ドリームジャーニー様、我々も自由にお使いください。トレーナー様はオルフェーヴル様の臣下、その姉君であるドリームジャーニー様のお力になれるのは私達としても誉れある事でございます。」
ジャーニー「そうですか……では八幡さん、彼女達の事もお願いします。」
八幡「段々と人数が増えていくな……けどそのおかげで本格的なトレーニングが出来るから文句も無いんだよなぁ~。」
さて、とりあえずトレーニングは大丈夫だな。
コンコンコンッ
八幡「どうぞ。」
ジェンティル「失礼しますわ。」
八幡「……もしかしなくても走りを見ろって意味で此処に来た?」
ジェンティル「あら、お察しがよろしくて助かりますわ。本日のトレーニングはありまして?」
八幡「ん~じゃあアップまでは一緒にやるか。本トレーニングから分かれてやるからそのつもりでな。皆もそれでいいか?」
ジャーニー「構いませんよ。」
オルフェ「うむ。」
ジェンティル「分かりましたわ。」
トレーニング前の打ち合わせが済んだところで、俺達はトレーニングに移った。今日はさっき言っていた通り併走トレーニングで、そしてついでにジェンティルの走りを見るという内容になった。結果から言えば併走トレーニングは満足の行く結果になった。ジェンティルの走りは依然に比べればまだマシにはなっていた。まだコントロールする余地はあるけどな。
ジェンティル「そう、まだ完全ではないんですわね。」
八幡「コーナーの辺りでまだ力を使ってる感じがあるな。走りを見るからに適性はマイル∼中距離で中距離がベストだ、長距離は2,500mまでってところだな。だからコーナーでも力を抜いて走れるようにしないと、後々キツくなるのは明白だな。」
ジェンティル「そうですか……ではまた今度、お願い致しますわ。」
八幡「え、また来んの?」
ジェンティル「私が満足するまで見ていただきますわ。」
八幡「マジかぁ~……」
また新しいお客が増えちゃったよ……