比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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サイボーグといえば………彼女ですよね〜。


頼みとサイボーグ?

八幡side

 

 

ついつい語ってしまった……だが朝から気分下斜めだったのが一気に斜め上へと変わった。ラーメン好きが居たとは思いもしなかった。今度一緒に食べに行きたいものだ。

 

さて、俺は部屋に行って業務でもこなしますかね。メニューは作り終わったが、距離別というのがまだある。俺のトレーニング法は普通の人から見るとかなり変わっているらしく、俺を育ててくれたあの人も『面白いを通り越して、呆れも通り越して、言葉が出ないって事だな。俺には考えつかねぇ!』っていう評価を貰った。よく分からんが、別に悪く言ってたわけじゃないから間違ってはいないんだと思う。

 

 

八幡「さて、長距離のは出来てたから次は中距離だな。やっぱ2000mを軸にした距離で………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

八幡「ん?もう昼か……」

 

葵「比企谷君、私がこの部屋に入ったのって知らなかったですよね?」

 

八幡「………え、いつ来たの?」

 

葵「やっぱり!反応が全くなかったからもしかしたらと思いましたけど、どれだけ集中してたんですか!?」

 

八幡「あぁ〜済まん。俺のこの業界に入ってからの癖でよ、集中すると周りの音とか全く聞こえねぇんだわ。肩とか叩かれたり、今みたいに予鈴が鳴ると反応出来るんだが、他はどうにもなぁ〜。」

 

葵「凄いですねそれ………」

 

八幡「気のせいかもしれんが、お前って俺関係でよく引いてるよな。」

 

葵「き、気のせいですよ………」

 

 

おい目、目が泳いでるぞ〜。

 

 

八幡「まぁいい、お前はどうすんだ?学食行くのか?」

 

葵「はい、担当になった娘と打ち合わせも兼ねて。」

 

八幡「そうか。まぁ俺は南坂さんとかと食う事になるかもな。あっ、でもトレーナーってあんまりあの学食使わないもんな………」

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

さっきの俺の言葉通り、来ていたトレーナーは1人も居なかった。なので俺は1人で食事を摂っているわけだが、周りからの視線やヒソヒソがどうにも気になる。

 

 

八幡「………」モグモグ

 

 

だが、気になるというだけで別にどうにも思わない。話相手がいればそれに乗っかるが、俺は1人でも食べれる人間だから大丈夫だ。

 

 

ライス「こ、こんにちは、トレーナーさん!」

 

八幡「ん?おぉライスか、授業お疲れさん。」

 

ライス「うん!あの、ライスも此処で一緒に食べてもいい?」

 

八幡「あぁ、いいぞ。」

 

ライス「じ、じゃあ失礼します………」

 

 

………見た目の割によく食うんだな、ライスは。結構盛り付けられてる。うん、いっぱい食べて大きくなるんだぞ。どの目線だよ俺は。

 

 

ライス「あの、おに……トレーナーさん、昨日言ってた走り方の事なんだけどね、今日の放課後って大丈夫?ライスね、トレーナーさんにライスの動きを早く見てもらいたくて………」

 

八幡「おぉ、いいぞ。じゃあ今日の放課後な。昨日言ってた距離は3000mだが、どうする?お前が決めてもいいぞ。」

 

ライス「じゃあ3000mのままで行くね。トレーナーさんが言うから、そのままで走りたいの!」

 

八幡「分かった。じゃあそれで行くか。コース場で待ってるからな。」

 

ライス「うん!」

 

???「突然の訪問失礼します、お伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

八幡「?何だ?」

 

???「オペレーション実行、これより【質疑応答】を開始します。貴方はトレーナーと判断します。その上でお聞きします、今朝のビワハヤヒデさんのメニューを作成、及び伝授したのは貴方でしょうか?」

 

 

………また妙なキャラをしたウマ娘が現れたな。ロボットみたいだ。

 

 

八幡「あぁ、俺で合ってる。だが一応言っておくぞ、あのメニューを教える気はないぞ。アレはハヤヒデが欲しいと言ったから渡しただけで、あんな形で実行するとは思わなかったからな。だから内容を教える気はないぞ。」

 

???「………バッドステータス【残念】を確認。それは非常に残念です。」

 

ライス「ライスもちょこっとだけ知りたかったなぁ〜……」

 

八幡「お、おう、それは悪かったな………ん?お前、ミホノブルボンか?」

 

ブルボン「確かに私はミホノブルボンですが、私の名前を貴方に教えた記憶はございませんが?」

 

八幡「昨日の模擬レースにマイルで出走してただろ?結果はそんなに良くはなかったが、良い走りをしていたから覚えている。」

 

ブルボン「っ!因みに貴方から見て私はどのような感じでしたか?」

 

八幡「そうだな………あの走りはスプリント向きだと思う。お前の脚はまだ残っていたが、スタミナが追いつけていないように見えた。」

 

 

ブルボン(………やはりこのトレーナーも他のトレーナーと同じように「だがそこは坂路トレーニングをすれば補えるだろう。」っ!!)

 

 

ブルボン「今、何と?」

 

八幡「だから坂路トレーニングをやれば補えるって。あの走りはスプリント向きだが、ペース配分やスタミナ、走法を変えればマイルでも充分に走れる。あの時のお前はペース分からずに先頭突っ走ってたような感じだったからな。」

 

ブルボン「………」

 

 

………あ、あれ?なんか固まってるんだけど?

 

 

ブルボン「………ステータス【高揚】を確認。私は今、この学園に来て初めて欲しいアドバイスを頂きました。」

 

八幡「そ、そうなのか?」

 

ブルボン「はい……再度質疑をします。貴方のお名前は何といいますか?」

 

八幡「あぁ、言ってなかったな。俺は比企谷八幡だ、一昨日来たばかりの新人だ。」

 

ブルボン「比企谷八幡………脳内メモリーに保存しました。それでは貴方にお願いがあります。」

 

八幡「ん?何だ、走りを見て欲しいのか?」

 

ブルボン「………驚きました、何故私の言おうとした事が分かったのですか?」

 

八幡「この話から来る流れはそうとしか思えないからな。別にいいぞ、こっちに居るライスもその予定だからな。お前も来ればいい。」

 

ブルボン「新たにミッション【放課後にトレーナーに走りを見てもらう。】を追加。よろしくお願いします。」

 

八幡「分かった。」

 

ブルボン「では、失礼させて頂きます。」

 

 

ブルボンはそう言うと、俺の隣の席に座って食事………というよりもゼリーを取り出して飲み始めた。

 

 

ライス「あの、ブルボンさん?お昼ご飯ってそれだけなの?」

 

ブルボン「必要エネルギーは摂取出来ているので、問題ありません。」

 

ライス「そ、そうなんだ………」

 

八幡「なぁ、ブルボンはこう言ってるが、本当にこれでいいのか?栄養素は一応摂れてはいるが、アレ補助食品だぞ?」ボソッ

 

ライス「ライスも食べない時はあるけど、それでも人と同じくらいは食べるよ?ブルボンさんのアレは………足りてないと思うんだけど、大丈夫かなぁ?」ぼそっ

 

 

俺も心配になってきたぞ、ブルボン。本当にそれで走れるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は【サイボーグ】【坂路の申し子】と名高いミホノブルボンでした!デビューからダービーまで無敗の記録を持っている馬ですね。過去に無敗の2冠を得た競走馬はミホノブルボンを含めて4頭存在しますが、ミホノブルボンから現在に至る29年間、1頭も現れてはいません(無敗の3冠馬を除いて。)

またこんな馬が現れて欲しいものですね。

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