八幡side
ジャパンC当日の前日にまで来た。準備は整った、手も尽くした。後は全てをエアグルーヴに委ねるだけだ。今回は今までで1番の仕上がりだと自負している。だが、それでもエアグルーヴが絶対に勝つとは断言出来ない。それだけの相手なのだ。今はもうトレーニングは終わって、2人は寮に戻っている頃だ。俺もいつまでも部室に篭っているわけにはいかないな。そろそろ、出ないとな。季節も冬になる時期だからか日が沈むのも早いしな。
♪〜♪〜
八幡「ん?」
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・To:比企谷 八幡
・From:○○先生
内容:久しいな、愛弟子よ。天皇賞以来会っていなかったが、話がしたい。今時間を作れるか?作れるのならば今からそちらに出向こう。
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……先生から話?一体何の話だ?
けどまぁいい、話をするにしてもこの部屋は冷えるからトレーナー室の方が良いよな。
えっと……『俺は大丈夫です。出迎えますので、近くなったらメールください。』っと。
八幡「ふぅ……さて、メール来るまで待つか。」
ーーー数十分後ーーー
先生からのメールが来たので、俺は校門前に来ていた。するとそこには既に先生が立っていた。どうやら着いてからメールをしたみたいだ。
八幡「お待たせしました、先生。ですが、こういうイタズラはやめてくださいよ。冷えたでしょう?」
「ふふっ、弟子を可愛がるのは師の楽しみでもあるのだ。八幡は特にからかいがいがあるからな。」
八幡「全く……ではトレーナー室に案内します。」
ーーートレーナー室ーーー
八幡「少し待っててください、コーヒーを淹れます。」
「あぁ、頼む。」
俺は自分と先生のコーヒーを用意してテーブルに置いてからソファに座った。
八幡「それで、話とは?」
「あぁ、エアグルーヴについてだ。」
八幡「……もしかして大阪杯前日の事、ですか?」
「その通りだ。事実だったとはいえ、まだ心身共に未熟な学生だ。彼女には少し悪い事をしてしまったと、我ながら大人気なかったと反省している。この時間なら彼女達は寮に居ると思ったから、こうしてお前に時間を割いてもらったわけだ。」
八幡「そういう意図があったんですか。」
「君には聞きたい事があってね。彼女の上半期はあまり良くはなかったが、秋に入って初戦の天皇賞では少しばかり良い走りをしていたと思う。あれはどんな手段を使ったんだ?」
八幡「……あの時はまだ何もしてないんです。」
「………何も?」
八幡「はい。天皇賞が終わってサークルでの事は覚えていますか?」
「あぁ、あの時は私もダイナ殿も驚きを隠せなかったよ。まさかエアグルーヴがあんな事をするとは思わなかったからね。」
八幡「まぁそうでしょうね。」
「しかし、それがどうかしたのか?」
八幡「俺も本来なら先生と同じ所に居た筈なんですが、エアグルーヴの上司や同級生、後輩からエアグルーヴを助けてくれって頼み込まれたんです。そして俺があの場に行ったらあんな事になったんですよ。」
「成る程………しかしそうだとするなら、今の君達の関係はとんでもなく良好という事になるな。」
ん〜まぁ、大阪杯の時よりかは明らかに良くなってるよな。最近では罵倒もたわけも言わなくなったし、契約の内容も………ん?待てよ?
「ん?どうした八幡。」
エアグルーヴとの契約は今、何も無い。それどころか何かあれば遠慮無く言ってほしいとまで言われた。それに最後には俺の事を信用してるって言ってたし………
「おい八幡、自分だけの世界に行っては私が困るぞ。」
八幡「っ!?す、すみません!」
「しかし考え込んでいたからには、思い当たる何かがなあったという事だな?」
八幡「えぇ、まぁ……それは【コンコンコンッ】ん?他のトレーナーか?どうぞ?」
エアグルーヴ「失礼するぞ八幡………」
八幡「あ………」
「………」
エアグルーヴ「ご無沙汰しております。大阪杯の前日以来、でしょうか?」
「そうだな……私はお邪魔か?」
エアグルーヴ「いえ、そのままで結構です。せっかくですから私もご一緒しても?」
「それは構わないが………」
エアグルーヴ「それで、どんな話をしていたんだ?」
八幡「あぁ~……お前の話をしていたんだ。」
エアグルーヴ「私の?」
「その前に君に謝罪したい。あの日私は大人気なく君を怒鳴りつけてしまった。今は恥ずべき行動をしてしまったと思っている、済まなかった。」
エアグルーヴ「いえ、お気になさらないでください。あの時貴女から言われた事は全て事実でした。何の反論も出来ない事実です。それに、貴女のあの言葉があったからこそ、今のトレーナーとの関係があると思っています。まぁ、ほぼ友人達のおかげとも言えますが。」
「………そうか。」
先生、すげぇホッとした顔してる。余程気にしていたんだろうな。
「今この瞬間、君と八幡を見て分かった。君達は今とても良い関係性を持っているようだ。そんな弟子の担当ウマ娘ならば私の名を教えておこう。」
八幡「っ!」
エアグルーヴ「貴女の………」
「私の名はセクレタリアト。第9代アメリカ3冠ウマ娘だ。そうだな……【ビッグレッド】の方が有名か?」
久しぶりの競走馬紹介!!今回はセクレタリアトという競走馬です!!
この競走馬は9頭目のアメリカ3冠馬であり、マンノウォーと並ぶアメリカ史上最強の馬と言われています。その理由はアメリカクラシック全レースのレコードタイムを全て更新したからです!!しかもその記録は現在に至るまで39年間、どの馬にも破られていません!!特に最後のベルモントSでは2着の馬に31馬身もの差をつけての完封勝利!!他にも3つのレースでレコードを樹立させ、その1つは世界レコードで今も頂点に君臨しています。
種牡馬としても名を残していて、特に孫世代にはストームキャット、エーピーインディ、チーフズクラウン等がいます。上の3頭からの子孫には日本の競走馬もいて、チーフズクラウンの子孫の中にはウマ娘の変態役、アグネスデジタルがその血縁にあたります。つまりはデジたんの曾曾祖父なのです!
他にもストームキャットには最近の名馬では、キズナ、ロードカナロア、ラキシス、リアルスティール、ラヴズオンリーユー。
エーピーインディには、カレンミロティック。
チーフズクラウンには、アグネスデジタル、ディープスカイ。
他にも多数の名馬達の祖先でもある、とんでもない名馬です。久々だったので、長くなってしまいました……すみません。