エアグルーヴside
勝った………勝ったぞ!!今日の動きは今までで1番だ!!それに今だって足取りが軽い。ふふっ、こんなにも軽快なのは初めてだ!2着は………ふむ、ピルサド殿か。まぁ流石というところだろう、3着にはバブル……もう少しだったようだな。
ピルサド「女帝陛下よ。」
エアグルーヴ「っ!ピルサド殿………」
ピルサド「初めてだ、このような負け方をしたのは。圧倒的なまでの実力差を見せつけられた………しかし何故だ?何故貴女はあのような走りが出来るのだ?女帝陛下には失礼だが、以前に会った時も地下バ道の時もあんな走りをするとは全く予想出来なかった、一体何故だ?」
何を聞くかと思えば、そんなの決まっている。
エアグルーヴ「私のこの走りを作れるのは八幡、いや……私の相棒たるトレーナーだけです。そのトレーナーに面と向かって私の方が隣に相応しいと言った方に力の差を見せつけると決めたまでです。今日の走りは貴女では絶対に作れない、それ以前にこの世界の誰に頼んだとしても不可能です。私のトレーナーである八幡ただ1人を除いては。」
ピルサド「………」
エアグルーヴ「まぁ、少しばかり怒りの琴線に触れてしまったと思ってください。今はもう貴女に勝ちましたので気にはしていませんが。」
ピルサド(そうか……そうだったのか。私はいつしか自分から負ける道筋を立ててしまっていたのか。それにしても、世界の誰に頼んでも作れない走りか……それ程までに貴女のトレーナーは優秀なのだな。)
ピルサド「女帝陛下。先の無礼は詫びよう、貴女の気に触れてしまった事、申しわけ無い………それから優勝おめでとう。」
そう言ってピルサド殿は去って行った。それから私はファンの声援に応えながら天皇賞の時にも訪れたウィナーズサークル、そして地下へと向かって、今私が1番に会いたい人物の所までやってきた。
八幡「よっ、お疲れ。」
エアグルーヴ「っ……あぁ、勝ってきたぞ。」
八幡「やるとは思っていたけどよ、世界相手に8バ身はやり過ぎだ……おかげで俺は俺で忙しかったぞ。どうやったらあんな育て方が出来るのかってな。」
エアグルーヴ「ふふふっ、だがそれを教えてやる程、度量は広くないだろ?」
八幡「当然だ、そう簡単に教えてたまるかよ………まぁ俺の事はいい、今日の走りはいつもより冴えてたな。まぁ他の理由があるだろうけどよ。」
エアグルーヴ「私の隣はお前だけだ。違うか?」
八幡「………意味は分かってるから敢えて否定はしないが、そういうのはもっと相手を選べ。」
その必要は無い。両方の意味でちゃんと理解しているからな。
それから私達はインタビューを受ける事になったのだが、それが1番大変だった。何故ならタリアト殿とマンノウォー殿が共に現れたからだ。八幡も珍しく目を見開いていた。そしてお2人して自分達は八幡の師である事を公表したのだ。因みに言うと、マンノウォー殿が弟子を取ったのはタリアト殿ただ1人でタリアト殿の弟子も八幡ただ1人らしく、この事実に場内は狂乱していた。流石に比喩表現が過ぎると思うだろうが、狂乱が合っていると私は思う。
マンノウォー『流石は我が孫弟子が育てたウマ娘だ、期待以上の走りだったと言っておこう。』
タリアト『まだ未熟な部分もあるが、それでも世界を相手に見事な走りだった。この次のレースにも期待している。そして、流石は私の自慢の弟子だ。良く育てられているのが分かる。』
この発言で分かった事は、このお2人は親バカならぬ弟子バカなのだろう。
八幡「良かったんですか?目立つの嫌いって言ってませんでした?」
タリアト「今更だろう?それに私もそろそろアメリカに帰ろうと思っていたところだ。」
八幡「………」
タリアト「帰るといっても一時期だ、そんな顔をするな。私はもうこの地を宿木と決めている。」
八幡「そうですか………」
タリアト「ほら、私よりも担当の所に行け、優先すべき順位を間違えるな。」
八幡「………はい。」
トレーナーはタリアト殿と話が終わったのか、こちらに戻って来た。
エアグルーヴ「もういいのか?」
八幡「あぁ、大丈夫だ。お前は?」
エアグルーヴ「問題無い。では「【天眼】トレーナー。」……むっ?」
そこに居たのはピルサド殿とそのトレーナーだ。
ピルサド「女帝陛下よ、ターフの上でも言ったが、改めて謝罪しよう。済まなかった……そして【天眼】トレーナー、貴方にも失礼な態度をとった事を詫びよう。」
八幡「別に気にしてねぇよ。例え気にしてたとしても、エアグルーヴがレースで勝ってくれた時点で気は晴れてる。」
ピルサド「そう言ってくれると私も気が楽になる。」
ピルサドT「けれど驚いたわ、まさか貴方があのアメリカ最強のウマ娘の弟子だったなんて………」
八幡「俺も先生が公表した事に驚いてますよ。」
ピルサド「ふむ……やはりな。」
八・エ・ピT「?」
ピルサド「【天眼】、いや八幡と言ったかな?君、我が婿になる気はないかな?」
八幡「………は?」
ピルサドT「えぇ!?」
エアグルーヴ「なっ!?」
ピルサド「我がプリンセスや女帝陛下からも聞いてはいたが、君は素晴らしい才能を持っているようだ。それを持て余すのは実に面白くない。そこでどうだろう?この先の我がアイルランドのウマ娘界の発展の為にも私と契りを結ぶ気はないか?」
八幡「………いや、何言ってんのお前?」
エアグルーヴ「そ、そうですよピルサド殿!!貴方は王族、こんな事許される筈が無いでしょう!」
ピルサド「父上と母上もトレーナーの腕前が分かれば認めてくれるだろう。」
前々から思ってはいたが、やはりこの方は苦手だ!!
最後まで地雷を残していくピルサドさん……