エアグルーヴside
実況『両者互いに譲らないレースになりました!!まさかこれ程のレースになるとは思いませんでしたね〜!直線に向いてからは2人の一騎打ちになっていましたからね〜!』
解説『他のウマ娘も実力はあるんですよ!あるんですけど、エアグルーヴとメジロドーベルの執念……勝ちたい欲望っていうのが、他の14人とは比べ物にならない程強かったのではないでしょうか?でなければ未経験の距離をこんな走りは出来ませんよ………』
エアグルーヴ「はぁ……はぁ……」
ドーベル「はぁ……はぁ……はぁ……」
まさかドーベルがここまで強くなっていたとは思わなかった………ふっ、以前まで男嫌いで満足にトレーニングが出来なかった時に比べると、大きな違いだ。ここまで追い詰められたのは初めてだ。
エアグルーヴ「はぁ……はぁ〜……ふぅ。」
漸く息も整った。ここまで強くなってくれた後輩に賛辞と感謝を伝えねばな。
エアグルーヴ「ドーベル。」
ドーベル「はぁ……はぁ……せ、先輩……」
エアグルーヴ「ふっ、まだ息は整えられんか。無理もない、初めての長距離だからそうなるのは不思議ではない。私も長距離は初だがな。」
ドーベル「せ、先輩……はぁ……あ、あたし………」
エアグルーヴ「息を整えてからで構わん、まずは私から言わせろ。今日のレース、本当に見事だった。初めての経験だ、追い抜かされそうになったのは………いや、これは違うな。まだ結果が出ていないから負けたつもりでいるのは間違いだな。だがそう思える程にお前はここまでの成長を遂げた。今日、このターフでお前と共に走れた事は一生忘れぬだろう………強くなったな、ドーベル。」
ドーベル「っ!!……せ、先輩……」ウルウル
エアグルーヴ「ふっ、まだ泣くのは早いぞ?その涙は結果が出てからにしろ。」
その後は審議のランプが暫く灯ったままだった。流石に長い審議だった為、八幡とドーベルのトレーナーは私達にコートを持って来てくれた。
エアグルーヴ「ありがとう八幡、それから済まない……ここまで追い込まれてしまった。」
八幡「気にすんな。相手もそれだけの実力があったんだ。それに、お前が手塩にかけて育てた後輩だろ?ならあの実力も頷けるってもんだ。」
エアグルーヴ「褒めても何も出んぞ?」
八幡「そうか?控室で頭でも撫でてやろうと思ってたんだがなぁ?」
エアグルーヴ「………卑怯だぞ///」ボソッ
八幡「悪かったって。やるからイジけるな。後でやってやるからそんな顔するな。」
エアグルーヴ「………絶対だからな///」ウワメヅカイ
八幡「っ!お、おう………」
実況『確定しましたっ!!!1着は何とエアグルーヴとメジロドーベルの同着です!!そして3着にシルクジャスティス、4着にマーベラスサンデー5着にローゼンカバリーという結果になりました!!今年の有マ記念、暮れのグランプリ王者は2人!!エアグルーヴ、春秋グランプリ制覇にして、秋のシニア3冠を完全制覇!!!メジロドーベル、クラシッククラスのウマ娘の悲願、遂に叶う!!クラシック級のウマ娘がこの有マ記念を制覇しましたっ!!』
同着、か………
エアグルーヴ「どうやら決着は着かなかったようだな、ドーベル。」
ドーベル「はい……でも、次は私が追い抜いて見せます!!憧れの貴女を追い越す為にっ!!」
エアグルーヴ「良い気迫だ……だが私もそう簡単に捕まるわけにはいかんのでな。次のレースでは私が勝たせてもらうぞ!!」
そして私とドーベルは握手を交わした。すると観客からは割れんばかりの歓声が私達を讃えてくれた。
勝利者インタビューや表彰式を終えて、最後のウイニングライブとなった。今回の曲は【Special record!】だ。だが今日はそれだけではない。
八幡「なぁ、どうして俺をわざわざ最前列の席にしたんだ?別に俺は何処でも、ていうか居なくても良かったんだが?」
エアグルーヴ「そう言うな、私がお前に見てもらいたいのだ。他でも無い、お前にだ。」
八幡「………まぁ、別に良いけどよ。」
よし、今日2度目の本番だ………このライブ、絶対に失敗は出来ん!
エアグルーヴsideout
八幡side
エアグルーヴに言われてライブを一応は見に来てはいるが、俺は別にペンライト持ってハイになりたいわけではない。だから最前列に居てもただ眺めているだけだ。特に何の変化も無く、【Special record!】は終曲となった。
「何だよトレーナーさん!もっと盛り上がれば良いのによ〜!!勿体無いって!!」
八幡「い、いや、俺そういうのはちょっと……」
「えぇ〜そうなんですか〜!?」
「この際だから羞恥心なんて忘れてさ〜!!」
八幡「俺はそういうの柄じゃ『皆様、今回はエアグルーヴさんの秋シニア3冠達成の偉業という事で、エアグルーヴさんのソロライブを行わせていただきます!!』……え?」
「えっ!?ソロライブ!?」
「マジかよ、すげぇ!!」
『それではエアグルーヴさん、お願いします!!』
するとドラムの音が聞こえた瞬間、一気に照明がついた。この曲は………
「え、【彩fantasìa】?」
「有マの後にそれを歌うのか?」
「んんぅ〜?」
………まさかさっき言ってた見てもらいたいって言ってたのは、これの事か?
エアグルーヴ「day by day 憧れて step by step 積み重ね 君とつむぐ未来」
エアグルーヴ「one by one 乗り越えて by and by 手繰り寄せた たった一度の
エアグルーヴ「舞い散る花びらを従えて いま羽ばたこう 時空飛んで次元も超えて」
「……なんか、ティアラの時と違くない?」
「うん、何ていうか………心を擽られる感じ?」
エアグルーヴ「
エアグルーヴ「ドキドキってもっと phantasia 手を伸ばし つかもう きゅんとぎゅっと鼓動が こんなに苦しい」
八幡「っ!」
な、何だ?今一瞬目があったような?錯覚か?
エアグルーヴ「ねえ やっと逢えたこの|時間《とき) 素直にありがとう ずっとずっと待っていた わたしはflowering phantasia」
「ねぇ、なんかいつものエアグルーヴとなんか違くない?いつももは美しいって感じだけど……今はなんていうか、かわいい?」
「……何となく分かるかも。」
エアグルーヴ「いいよね このまま世界中 敵に回っても」
エアグルーヴ「いいよね いいよね いいよね このまま 離さない ゆずれない 逃がさない 渡さない」
エアグルーヴ「ドキドキってもっと phantasia 手を伸ばし 掴もう きゅんとぎゅっと衝動が こんなにいとしい♡」
八幡「っ!!」
「い、今の!!今のエアグルーヴメッチャ可愛かった!!」
「何かキュンッてなった……キュンッて。」
「け、けどさ、なんか………トレーナーさんの方に視線向けてね?」
エアグルーヴ「ねえ やっと逢えたこの時間(とき) 素直にありがとう ずっとずっと待っていた 私は彩(いろどり)phantasia」
エアグルーヴ「ありがとう」
『………トレーナーさん。』
八幡「………」
「見てるじゃん!!エアグルーヴさんすっごいトレーナーさんの方見てるじゃん!!」
「これもしかして確定?確定なの!?掲示板に載せるまでも無く確定しちゃってるの!?」
「おいおい、トレーナーさんマジかよ………」
うん、エアグルーヴがすげぇ俺を見てる………しかもなんかいつも向けるような視線ではない。どちらかと言うと………昨日の俺の家に居た時の視線に近い、気がする。
こうして俺の初ライブはエアグルーヴの眼差しと共に幕を閉じた。
グルーヴさんとドーベル、同率1着!!!
そしてライブで八幡へ猛烈アタック(?)