八幡side
八幡「そんで?どうした急に?」
アルダン「兄様、私は怒っています。何故怒っているか、お分かりになりますか?」
八幡「いや、分からん。俺がお前に何かしたか?」
アルダン「………正確に言えばしてはいません。私はそれで怒っているのです。」
八幡「いや余計に分からんのだが?」
突然やってきたメジロアルダンの『私、怒ってます。』発言を受けているのだが、何に対して怒っているのか、皆目見当もつかない俺はかなり困っている。しかもかなりガチっぽい………
ていうか何もしなかったから怒ってるってどういう事だ?何もしなかったって………え?
八幡「もしかしてだが、いつまで経ってもスカウトをしないから?」
アルダン「確かにそれも思ってはいますが、今回はそれが理由ではありません。」
八幡「あ、違うんだ……え、じゃあ分からん。」
アルダン「………本当に分からないのですか?」
八幡「分かってたらこんなに頭を悩ませない。」
アルダン「………分かりました、理由を言いましょう。兄様、何故私に相談をしなかったのですか?」
八幡「………何の?」
アルダン「引っ越しのです!何故言ってくださらなかったのですか!?私はずっと心待ちにしていましたのに、兄様は自分だけで………」
………え、引越し?何でそれで怒るんだ?
八幡「済まんが、未だに分からん。何で引越ししただけで怒ってるんだ?」
アルダン「……去年の私とのデートの時間、覚えていらっしゃいますか?」
八幡「あぁ、勿論………え?最後に言ってた寮から移るつもりは無いのかって話か?」
アルダン「そうです。もし兄様が本気で引っ越しを希望されているのでしたら、相談をして欲しかったです……そうすれば私が良いお部屋を探しましたのに。」
八幡「いやダメだろ、それは。何で住む場所決めるのに高校生に相談するんだよ……」
アルダン「費用もこちらで持ちましたのに………」
八幡「もっとダメだろそれは………」
アルダン「なので兄様、私は今怒っています。」
八幡「怒る理由が納得いかないんですが?」
アルダン「なので今日は兄様のお部屋にお泊まりさせていただきます。」
八幡「あれ、俺の意見は無視?ちょっと?アルダンはそんな事する悪いウマ娘じゃないでしょ?家の人が許可しないだろそれは。」
アルダン「私の両親とお婆様にご相談した結果、快諾を頂きました♪」
八幡「快諾ってどういう事?」
アルダン「なので兄様、本日はお世話になります♪お手伝いでも何でもいたしますので、ご安心ください。」
八幡「いや、泊めるだなんて一言も言ってないぞ?それに外泊届は「提出いたしました。」………俺は許可しないぞ?」
アルダン「兄様は妹を1人放り出すような冷たい方なのですか?」
クソッ、コイツ絶対俺の部屋に来る気だ。それよりもなんか性格変わってね?何でこんなに強引になってんの?こんなウマ娘じゃなかったよな?
八幡「はぁ………分かったよ、泊めるよ。」
アルダン「ありがとうございます、兄様。では本日より3日間、お世話になります♪」
………ん?3日間?
八幡「待て、3日?今日だけじゃないのか?」
アルダン「はい、3日間です。」
八幡「………俺の家はホテルじゃないんだけど?1日じゃダメなのか?」
アルダン「兄様、これも私達に必要な事だと進言します。私自身、兄様と共に居られる時間が長ければ長い程良いと思っています。それだけお互いの事をよく知れるのですから。これはそれを測る為の良い機会だとは思いませんか?」
八幡「双方の合意の上ならともかく、俺納得してないんだけど?」
アルダン「私の兄様は懐が深い方なので。」
八幡「お前、俺を聖人君子か何かと勘違いしてんじゃねぇの?ただの人間なんだけど?」
その後も説得を試みたがアルダンの心は動かず、結局は3日間のお泊まりを許す事になった。はぁ………ライスと一緒にご飯を食べたい。俺に足りないのは癒しだ、癒しが今すぐ欲しい………
ーーー放課後ーーー
八幡「………」
アルダン「うふふっ♪」
八幡「あの、アルダンさん?」
アルダン「はい、何でしょう?」
八幡「いや何でなの?」
アルダン「はい?」
八幡「だから何でコイツ等も居るのかって事だよ!!聞いてねぇぞ!!」
???「す、すみません!ですが前々から気になっていたんです!アルダンさんが気にかけるトレーナーさんってどんな人なのかなぁって〜。」
???「私もチヨノオーさんと同じ気持ちです。それに貴方からは邪念を感じませんでしたので、同行しても大丈夫だと判断しました!」
八幡「アルダン、お前1人だけだと思っていたのに何でチヨノオーとヤエノも居るんだ?説明不足?」
アルダン「ドッキリです♪」
八幡「んなドッキリ要らんわっ!!」
チヨノオー「あ、あの!もしかしてご迷惑でしたか?ご迷惑だったら帰りますが………」
八幡「………良いんだよ、チヨちゃんは来て大丈夫だから心配しなくていいんだよ。」ナデナデ
何この子?仔犬みたいな目で見てくるんだもん!断れないに決まってるじゃん!!ライス以外にも癒しは存在していたのか………
アルダン「兄様、私にもお願い出来ませんか?」
八幡「2人の事を黙っていたので今日はダメです。」
アルダン「………分かりました。」
ヤエノ「ト、トトトトトレーナー殿っ!?」
八幡「どうした?」
ヤエノ「あ、頭を撫でるというのは……そ、その……些か距離が近過ぎるのではないかと進言します!」
八幡「………そうか?」
チヨノオー「いえ!私は大丈夫です!それに、何だか気持ち良かったので!えへへ〜。」
アルダン「チヨノオーさん、羨ましいです………」
ヤエノ「行き場のないこの『烈火』、どうやって抑え込めば……っ!」
………なんか大変な3日間になりそうな予感。
今回はサクラチヨノオーとヤエノムテキが初登場です!オグリキャップと同世代の2人ですね。
チヨノオーはマルゼンスキーの代表産駒としても有名です。その理由はマルゼンスキーが外国産馬の持込馬という理由で出走出来なかった東京優駿日本ダービーをチヨノオーが親代わりに成し遂げたのが大きいでしょう。
続いてヤエノムテキは皐月賞、天皇賞・秋を制した馬さんです。同期のアルダンやチヨノオー、オグリ、クリーク、上げたらキリがない程の名馬達と激走を繰り広げました!中でも引退レースとなった有馬記念の放馬は有名です。同じく引退レースだったオグリに花を持たせたかったんでしょうかね?