エアグルーヴside
エアグルーヴ「よし、後は冷やして固めるだけだ。」
ドーベル「やっぱり先輩は上手に作れるんですね。私は先輩程上手く出来ませんでした。」
エアグルーヴ「お前のも良い出来だと思うが?それに、その方が手作りみたいに見えると思うが?」
ドーベル「でもどうせなら、美味しくて綺麗なのを食べてもらいたいので。」
エアグルーヴ「ふっ、私のトレーナーが相手とはいえ、少し嫉妬してしまいそうだ。目の前に同じ相手に渡す者が居るのだからな。」
季節は冬、2月の如月である。しかも明日はバレンタインデー当日なのだ。それ故に学内では去年やったバレンタインイベントを開いてチョコ作りをしていた。私はそれに参加せず、自分で作っている。後輩達に教えるのも吝かではないが、今年は自分に時間をかけたい。去年はあんな事があったとはいえ、チョコを渡す事は出来なかったからな………今年は何としても渡すのだ!
ドーベル「わ、私のは別にそういうのじゃないですから!トレーニングを見てくれたりしたので、そのお礼です!好きとかそういうのではありません!」
エアグルーヴ「分かっている、お前がそう簡単に男に靡くような奴には見えんからな。しかし明日はまた此処に来るのか?美浦寮からこの寮までは少し距離があるだろう。」
ドーベル「大丈夫です、その方がちょうど良い運動になるので。」
エアグルーヴ「そうか、ならば私から言う事はあるまい。明日は互いに健闘を祈ろう。」
ドーベル「はい!」
八幡の事だ、明日はチョコを多く貰うだろう。それでも1番は私だ!
エアグルーヴsideout
八幡side
八幡「………」モグモグ
これ食ったら少しゆっくりしよう。それから学園に向かうか、うんそうしよう。その方が良い。何せ今日はバレンタインデー、朝から絶対甘い空気を浴びるに決まってる。そんな空気は真っ平御免だ。
ピーンポーン
八幡「?は~い。」
「お届け物で~す!」
八幡「(え、こんな時間に?マジですか………)あ、はい。」
「ありがとうございました〜!」
八幡「……先生とプロフェッサーからだ。中身は……チョコみたいだな。なんかこういう渡し方をしてくれた方が嬉しいな。向こうは今、確か夜の8時か9時くらいだったよな。これから仕事だし、メールにしておくか。時間見つけたら電話しよう。」
俺は先生達にメールを打ってからチョコを冷蔵庫の中に入れて、学園へと向かった。
ーーートレセン学園ーーー
よし、生徒達は今は授業中みたいだな。まぁ流石に授業ほったらかしにするような生徒は居ないわな。
葵「あっ、比企谷君!おはようございます!」
同期2「比企谷君おはよう〜。」
八幡「おう、おはようさん。」
同期2「探したんだよ?何処にも居なかったから………はいコレ!バレンタインデーのチョコあげる♪」
葵「私からもどうぞ!日頃お世話になっているお礼です!」
八幡「サンキュー。ホワイトデーは何か返した方がいいか?トレーニングメニュー?」
同期2「それも魅力的だけど、せめてチョコで返してくれない?」
八幡「冗談だ、ちゃんと返すから安心しろ。ありがたく受け取っておくわ。」
その後も俺はすれ違う女性トレーナーだけでなく、理事長や駿川さん、女性の用務員にもチョコを貰った。予想はしてたけどよ、結構な量だな………俺、何かしたっけか?もしかしなくてもそういう風習なのか?
※八幡はトレーニング後もよく、お手伝いという名目で周りの皆さんを手伝いっています。なので割と女性からの評価は高いです。
ーーーお昼休みーーー
八幡「……予鈴か。俺も昼飯食べに行くか……何だかチョコを貰いそうな予感もするが、その時はその時だ。お礼言ってありがたく受け取ろう。それしか方法がねぇし、トレーニング中に渡されてもちょっと困るしな。」
そして俺はカフェテリアへと足を進めたのだが、行く途中からウマ娘の皆さんより大量のチョコを貰いました。中にはチョコを貰っている事を予測してチョコではなくクッキーにしてくれた子も居て、感謝である。
八幡「はぁ……バッグ持ってきといて良かった。でないと今頃、俺の両腕がチョコで塞がってたぞ。」
ドーベル「……モテモテじゃん。」
八幡「ん?おぉドーベルか……何でかねぇ?俺そこまで世話してやった記憶が無いんだが?」
ドーベル「だってあの子達、未担当の頃にアンタが世話してた子達だよ?今でも未担当の子は居るけど、それでもアンタのメニューのおかげで今があるんだから、感謝してるんでしょ。」
八幡「そうか……もうすぐ1年経つのか。」
ドーベル「なんか年寄りくさい………そ、それよりもコレ、アンタに作ったから。」
八幡「……俺に?」
ドーベル「か、勘違いしないでよ!アタシもアンタには世話になったからそのお礼!」
八幡「おうおう分かったからそんなに早口になるな。まぁありがとうな。感想とかいるか?」
ドーベル「要らないわよ。」
ぶっきらぼうに返事をすると、ドーベルはそのまま行ってしまった。どうやら本当に渡すだけの予定だったらしい。流石に男の俺と一緒に飯を食うわけ無いよな。
ーーー放課後・トレーニング後ーーー
八幡「今日も終わったな……フジ、もうすぐ弥生賞だから気を抜くなよ。1ヶ月なんて長いようであっという間だからな。」
フジ「ふふふっ、分かっているよ八幡トレーナーさん。それよりも……はいコレ!バレンタインデーのチョコだよ。もうたくさんのチョコを貰ってると思うけど、受け取ってくれるかな?」
八幡「ありがとな、フジ。ありがたく貰う。」
フジ「味見はしてあるから味は保証するよ。それじゃあまた明日ね、お疲れ様♪」
八幡「おう、お疲れさん。」
……さて、俺も帰るか。
ガチャッ
エアグルーヴ「……八幡。」
八幡「ん?どうした、忘れ物か?」
エアグルーヴ「あぁ、お前に渡しそびれた物だ。受け取ってもらえるか?」
エアグルーヴから差し出された物は綺麗にラッピングされたチョコであろう包みだった。
八幡「あぁ、ありがとうな。」
エアグルーヴ「去年は渡せなかったからな……まぁ仕方ない理由があったが、今は違う。お前とはこうして分かり合えているのだからな。」
八幡「………あぁ、そうだったな。まぁあん時の事は忘れようぜ。今が1番なんだからよ。」
エアグルーヴ「あぁ、その通りだな。」
ていうか、渡すつもりでいたんだな。去年も。
エアグルーヴ「分かっているとは思うが、本命だ。」
八幡「っ!?お、お前……ホント色々と吹っ切れるのが早いよな。隠しているとはいえ、婚約してまだ2ヶ月だぞ?素直になり過ぎじゃね?」
エアグルーヴ「八幡の前では、だ。他の者の前では絶対に見せん。」
八幡「………ホワイトデーはこれと同じレベルの物を返さないとダメだな。」
エアグルーヴ「期待しているぞ、八幡。」
はい、頑張ります。
エアグルーヴさん、渡せて良かったですね。