フジside
フジ「よしっ!」
八幡「準備は出来てるな?」
フジ「勿論さ。八幡トレーナーさんがバッチリと仕上げてくれたからね、自分の身体なのにしっくりし過ぎてて怖いくらいだよ。」
八幡「それなら大丈夫そうだな。」
フジ「このレースで私の今後の路線が分かれる………そうだよね?」
八幡「……まぁ、その通りだな。辛い事を言うが、お前には長距離の才能はあまり見られない。無いわけじゃ無いと思うが、ライスやルドルフ、ブライアンに比べるとステイヤーの素質は無い。それにダービーも中距離の括りに入ってるが、たった100m増やすだけで長距離のレースだ。ダービーは長距離のレースだと思って臨んだ方がいい。だからこの弥生賞も2,400mだと思って走れ。」
フジ「出来るかどうか分からないけど、八幡トレーナーさんが言うんだから間違いないよね。うん、分かったよ。」
今日は弥生賞の当日。1ヶ月は早いもので、もうあっという間に春のGⅠシーズンの前夜祭のような雰囲気になっているよ。
八幡「よし、じゃあ行ってこい。」
フジ「うんっ♪」
ーーー本バ場ーーー
久々の中山だけど、少しだけ長く感じる………この前まで向こう側だったのに、今日はスタンド前からのスタート。400m増えただけで雰囲気が違うね。
フジ「さて、私も自分で確認しないとね。どれだけやれるのか、どれだけ通用するのかを!」
実況『やってきたトライアルレース、本番前にひと勝負!この先に行われる皐月賞と同じ舞台でのこのレース、果たして誰が1着になって大一番に臨むのか!?皐月賞への切符は僅か3人のみ!!この10人の中から誰が選ばれるのでしょうか?弥生賞、間も無く発走です!!』
よしっ、皆をあっと言わせて見せよう!!
実況『ゲート入り、順調に進んでいます。さてレース展開はどう見ますか?』
解説『先頭にはテルノシンゲキが行くと思いますよ。それから後ろに先行勢と追込勢が固まってって感じですかね。今回そんなに人数が多くありませんからね、探り合いのレースになると思いますよ。』
実況『そしてそんな中、1番人気のフジキセキは既にゲートへと収まって、最後に大外10番カチボシのみとなりました。例年に比べて少々少ないメンバーですが、彼女達には関係ありません!さぁカチボシゲートに入りました!皐月に行くのは誰だ!?弥生賞……スタートしました!!』
……うん、やっぱり坂がかなりキツいね。これをまた最後に登るのか、骨が折れるね。
実況『さぁ先頭並んでいるのはテルノシンゲキとフジキセキ!なんとフジキセキがテルノシンゲキと共にペースを作っています!後ろにカチボシ、オートマチック真ん中、内にマッパーシャンの3人です。2コーナー回った所で1バ身差後ろにマックスウィンザーとハシノタイユウ。追込勢にトウショウフェノマ、ホッカイルソー、最後方にイブキヤモンカグラという体勢です!さぁこれから向正面から3コーナーに差し掛かります!』
まだ楽な感じだね。手応えも足に余裕もある……これなら行けるかもしれない!
実況『さぁ3、4コーナー中間でテルノシンゲキ先頭でフジキセキ並んでくる!外からカチボシと後方からトウショウフェノマも追い込んで来ました!4人並んで4コーナーから直線に向きました!ここからは真っ向勝負!!』
さぁ行くよ!!
実況『フジキセキ先頭!!リードはそんなに無い!!後ろはどうか!?トウショウフェノマとカチボシ追い込んで来る!更にはホッカイルソーも良い脚で伸びて来ているぞ!!残り200!さぁどうかホッカイルソー、先頭奪えるか!?フジキセキどうだ!?』
ごめんよ…まだ余裕があるんだ!!
実況『フジキセキ更に伸びた!!ホッカイルソーこれは追いつけない、2番手粘るか!フジキセキ後ろに2バ身突き放して今ゴールイン!!やはり強かった、ジュニア王者の強さは伊達ではなかった!!2,000mも難なく走り切りました!!強い、これがジュニア王者の貫禄!!』
フジ「はぁ……はぁ……よし、勝った!!」
これなら……この走りならダービーでも!!
フジsideout
八幡side
八幡「………」
エアグルーヴ「どうだった八幡、フジの走りは?」
八幡「……今の時点ではダービーでも通用する、それは確かだ。だがもし3冠路線っていう道をフジが見出したら………それはかなり険しい道になるだろうな。」
エアグルーヴ「ではこの春は順調に行ける、そういう事か?」
八幡「あぁ、上半期はまず大丈夫だろう。問題は夏を越した秋だ。そこでどんなウマ娘が現れるか、どんな素質を開花させて来るか、それも鍵になってくる。お前の場合は元々の素質が同期と違っていたからな、そこでもう差があった。だがフジの場合、適性っていう壁がある。それをなんとかしない限り、これからの活躍は難しいだろうな。」
エアグルーヴ「そうか………だが八幡ならなんとか出来るのではないか?」
八幡「その自信のある言葉はどこから出てくるんだ?何の保証もないぞ?」
エアグルーヴ「私を長距離の舞台で勝たせてくれただろう?それが何よりの証拠だ。私だって長距離の素質はないのに、それをお前が開花させたのだ。ならば、フジにだって可能だろう?」
八幡「………まぁ、不可能とは言わない。」
エアグルーヴ「ふっ、それでこそ我々のパートナーだ。これからも頼りにしているぞ。」
八幡「分かったよ、【女帝】様。」
フジ、トライアルを勝利!!