八幡side
さて、残りは短距離の1枠だけになったが、誰にするか………生憎と短距離の知り合いはそんなに居ない。1番仲が良いのはバクシンオーで、まだ担当は居ない。バクシンオーが1番の狙い目だ。マルゼンやタイキはもう東条さんのチームに所属してて、カレンチャンやピコーペガサス、ヒシアケボノなんかは担当が決定してる。バンブーもバクシンオーと同じでまだ決まってない。ニシノフラワーも確か担当は居なかったはずだ。狙い目はバクシンオーとバンブーとフラワーの辺りだな。この3人の中から決めるべきだろうな………まぁでも1番最初に声を掛けるべきなのはバクシンオー辺りだな。
フジ「やぁ八幡トレーナーさん、何だか調子が良さそうだね?何かあったのかい?」
八幡「あぁ、昨日の選抜レースが終わった後にレース場でとんでもない逸材と出会ってな。スカウトしたら受けてくれた。」
フジ「へぇ〜……逸材かぁ。という事はそのスカウトした子は新入生なのかい?」
八幡「あぁ。」
フジ「それは良かった。それじゃあ残りは短距離だけになったね!これなら間に合うんじゃないかな?」
八幡「あぁ、それにもう候補は決めてある。その候補に聞いてOKだったらチーム設立の条件は達成するから、駿川さんに言えば大丈夫だ。」
フジ「そっかぁ……それは何よりだよ。でもその候補の子が受けてくれるかどうか、だよね?」
八幡「あぁ、だから放課後にでもスカウトに行きたいと思っている。少し遅れるかもしれないが、メニュー表もう渡してあるからその通りにしてくれれば良い。」
フジ「うん、分かったよ。「成る程、そういう事だったのか。」っ!か、会長?」
八幡「げっ………」ボソッ
ルドルフ「まさか君にチーム設立の話が出ていたとは思わなかったよ。しかし君達の会話を聞く限りでは、既にスカウトは終わり頃なのだね?」
八幡「まぁな。」
ルドルフ「しかし八幡君、君も酷い人だ。私の気持ちも知っているだろう?それを知っていて私に声を掛けなかったのかい?」
八幡「候補になかったわけじゃねぇよ。お前も知ってるだろ、俺にしか担当に選ぶ気が無くてお前並に素質がある自由奔放なウマ娘の事をよ。」
ルドルフ「……あぁそうか、シービーの事か。」
八幡「そういう事だ、だから済まない。今は空きが短距離しか居なくてな、だからお前を誘えなくてな。」
ルドルフ「成る程、理解したよ。因みに短距離という事は長距離も枠があったのだろう?長距離は一体誰を誘ったんだい?」
八幡「お前、絶対根に持ってんだろ?ライスだ、ライスシャワーを誘った。」
ルドルフ「ふむ………彼女か。確かに彼女なら選ばれたのも頷ける。長距離の才能は私よりも上だ。それに君のお気に入りのようだしね。」
皆から言われるんだけど、そんなに俺って分かりやすいのか?うぅむ………
ルドルフ「であれば、理事長に直談判しに行くか。」
八幡「やめろ、そんな事したらいよいよ俺に休む暇が無くなる。まだ適性が分かってるだけで、どのくらいの距離が走れるのかはまだ分かっていないんだから。お前の事は過去に見てるから分かっているから問題ないが、今の人数より上を増やすつもりは無いぞ、俺は。」
ルドルフ「冗談さ。私もシービーのように君の元でトレーニングの居候をしようか。」
八幡「おいおい、問題児が居なくなったと思った途端に1人増えるのは勘弁しろよ………」
いや本当に………ていうか生徒会長がそんな事したらダメだろ絶対。
ーーー放課後ーーー
八幡「あぁ、だからバクシンオーにそこで待ってるように言っておいてくれ。」
ライス『うん、分かったよ。あっ、バクシンオーさんが何処かに行かない内に話し掛けちゃうから、ライスもう切るね!』
八幡「あぁ悪い、じゃあ俺も今そっちに向かう。」
ライス『うん!じゃあまたね!』
よし、ライスにも連絡したからバクシンオーの足止めはしてくれるだろう。けどバクシンオーだからな………その場でジッとしてくれているという保証が無い。俺も早く行かないとな。
ーーー教室ーーー
八幡「ライスー、居るか?」
ブルボン「ライスさんなら、54秒程前にバクシンオーさんを追って教室から出て行かれました。その後こちらには戻ってきては居ません。」
八幡「………やっぱこうなったか。」
ブルボン「何かあったのですか?」
八幡「いや、大した事じゃない。用事があっただけだから気にするな。じゃあ俺も行く、邪魔した。」
くそぅ、バクシンオーの奴やっぱ何処かに行ったか!ライスに電話した方が早いだろうが、それだと見失う可能性もある……しかしバクシンオーの奴、何に触発されたんだ?多分学園内に居るとは思うが………
ーーー数分後ーーー
………見つからんな、一体何処行ったんだ?
バクシンオー「さぁ、私と共に世界へ向けてバクシンしましょう〜!!!」
???「い、今はまだ考えてませぇ〜ん!!」
ライス「バ、バクシンオーさぁ〜ん、ちょっと待ってぇぇぇ〜!!!」
八幡「………」ボーゼン…
なんか、バクシンオーが赤いリボンに花の耳飾りをしている黒がかった鹿毛の新入生を追いかけていて、その後ろにライスが追っ掛けてる………え、何やってんの?
八幡「………」
………ライスには、バクシンオーが落ち着いてから話し掛けるようにするって今から電話しておこう。
バクシンオーが追っ掛けてるのって、もしかして………