比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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遠征はYES?NO?

 

 

八幡side

 

 

八幡「全員、集まったな。それじゃ早速ミーティングを始める。」

 

シービー「珍しいね八幡、いつもならすぐにトレーニング始めるのに。何かあったの?」

 

八幡「まぁそうとも言える。昨日、俺の先生から電話が1本掛かってきてな。栗東寮の3人は一緒に居たから内容は大体知ってるとは思うが聞いてくれ。先生からの電話の内容は、簡潔に言うと………この2ヶ月の間、アメリカでトレーニングを行わないかって話だ。」

 

ライス「ふぇ!!?ア、アメリカ!?」

 

モーリス「アメリカ………凄い。」

 

アルダン「ア、アメリカ……ですか?」

 

八幡「そうだ、ちなみに冗談なんかじゃないから。」

 

アルダン「そうですか………因みに理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

八幡「あぁ。最大の理由はフジだ。先生はアメリカでダービーを見ていたらしくてな、その時の走りでは菊花賞を走り抜けないと判断したみたいでな。そんでアメリカにご招待ってわけだ。当然お前達も一緒にって言ってたし、アメリカでデビューすればいいなんて事も言い出したしな。」

 

シービー「す、凄い事言うね、ミスタリアトは。」

 

バクシンオー「しかしアメリカですか………良いですね!!私は行っても良いと思いますよ!!アメリカの地でもバクシンしてやりましょう!!」

 

アロー「私も行ってみたい。だってアメリカってダートの本場でしょ?本場で走る経験なんて簡単に得られるものじゃない、私もバクシンオーに賛成。」

 

八幡「これは俺の意見もそうだが、1番はお前たちがどうしたいかだな。まぁ1番決定権があるのはフジみたいなもんだが、委ねるような事はしない。あくまでもどうしたいかで決める。」

 

 

少しの静寂が部室に広がる。まぁ考えるよな、俺だって皆の立場だったら考えちまう。だってアメリカでのトレーニングなんてやろうと思っても出来るような事じゃない。それまでに必要な準備や施設利用なんかも取らなきゃならん。今回それは先生がやってくれるから問題はない。昨日自宅でも先生と少し話したからな。

 

 

アルダン「私は日本に留まるべきだと思います。確かにアメリカに遠征しトレーニングを行えば得られるものは多いでしょう。しかし兄様も仰っていました、この夏は身体作りをすると。勿論アメリカでも可能ですが、こちらとは条件が異なります。アメリカに渡れたとしても簡単に得られるとは思えません。」

 

ライス「ライスもアルダンさんと同じかな。行きたくないわけじゃないけど、せっかくお兄様が決めてくれたトレーニングを全部無くしてまで行く必要はないと思う……」

 

エアグルーヴ「私もライスと同じ理由で2人に賛同する。確かに得るものは多いが、今のトレーニングを中止してまで行く必要性は感じない。」

 

八幡「向こうで俺の組んだメニューをやらないとは言ってないが………意外と反対が多いな、モーリスとシービー、フジはどうだ?」

 

シービー「んー興味はあるけど、あたしはどっちでも良いかな。だって日本にいてもアメリカに行っても八幡に見てもらうには変わらないんだからさ。」

 

モーリス「わ、私は行ってみたいです!理由は特に無いですけど……でも海外って憧れてるので行ってみたいです!」

 

フジ「私は………」

 

八幡「自分の思ってる事を言って良いからな。別に責め立てるつもりはねぇから。」

 

 

それに先生も俺達の判断に任せるって言ってたしな。

 

 

フジ「じゃあ…八幡さんにお任せしてもいいかな?勿論そのお話はありがたいし、君のお師匠さんのトレーニングを受けてみたいって思いもあるけど、私は八幡さんのトレーニングで強くなりたいって気持ちがあるから。」

 

八幡「……実質反対みたいな言い方じゃねぇか。けど分かった、全員と俺の考えを加味して今回のアメリカ遠征は見送る事にする。先生には俺から話しておくから心配するな、じゃあこの話はこれで終了だ。そんじゃトレーニングに行くぞー。」

 

 

先生、どんな反応すっかなぁ?

 

 

八幡sideout

 

フジside

 

 

バクシンオー「せっかくのお話でしたが、まぁ致し方ないでしょう!!またの機会にしましょう!!」

 

アロー「そうね、別にこれで最後ってわけでもないし。それにレースでも行けるしね。」

 

エアグルーヴ「しかし意外だなフジ、お前なら行きたいと答えると思っていたのだがな。」

 

フジ「確かに行きたかったさ。でも私は八幡さんと一緒に菊花賞を獲りたいから。先生さんには申し訳ないけど、ね。」

 

エアグルーヴ「そうか。」

 

モーリス「あのぉ〜フジ先輩、ちょっと気になってたんですけど、いいですか?」

 

フジ「ん?何かな?」

 

モーリス「フジ先輩っていつからトレーナーさんの事を名前だけで呼ぶようになったんですか?確か前は【八幡トレーナーさん】でしたよね?」

 

フジ「え………」

 

シービー「あっ、そういえばさっきのミーティングでも【八幡さん】ってさん付けだけになってた!」

 

エアグルーヴ「ほう?トレーニングを始める前に詳しい話を聞こうじゃないか?」

 

フジ「理由なんかないよ!いつまでも名前にトレーナーをつけてさん付けじゃ親近感がないと思ったから名前にさん付けしてるだけだから!」

 

シービー「ふぅ〜ん?」

 

エアグルーヴ「ほう?」

 

 

ダメだ!2人のこの目、絶対に信じてない!!

 

 

 

 

 

 

 




答えはNOでしたね。


ーおまけーーー


タリアト「そうか、今回は見送りか……いや、フジ本人がそう言ったのならそうするべきだ。悩ませるような事をしてしまって済まなかったな、八幡。菊花賞に向けて頑張りなさい………あぁ、ではな。」

マンノウォー「おい!どうだった!?八幡はアメリカに来てくれるのか!?」

タリアト「師よ、もう少し落ち着いてほしいものだが………まぁいい。今回は見送るそうだ。自分達の力で3冠を獲りたいだそうだ。」

マンノウォー「な、何故だ………八幡、どうして来てくれないのだ!!ならば来年また誘うぞ!!」

タリアト「その時は師が自分でやってくれ。」

生焼け肉「マンノウォーさんを抑えるのは大変そうですね?」

タリアト「むっ、君か……そうだな。全く、アドミラルとシービスは何をやっているのだか。」

生焼け肉「取り敢えず八幡の写真でも渡しときますか?」

タリアト「そうしてくれ。」


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