比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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明日の事と守護霊

 

 

八幡side

 

 

俺が誰かと一緒になるという話は一先ずの終幕を迎えた。そして今は部屋で明日の事について調べている。明日の京都府の天気予報は晴れ、降水確率は0%。今日の京都のコース状況は良だったから、明日も恐らくこのままだろう。だからフジにとっては、コースは味方してくれるだろう。対戦相手は皐月賞、ダービーと入着しているホッカイルソーとタヤスツヨシになるだろう。フランス遠征から帰ってきたダンスパートナーも気になる。ティアラ路線に行くと思ったらまさかの3冠路線に出走だからな、恐らく長距離を走り切れるだけの自信があるのだろう。

 

事前のインタビューで聞かれもしたが、フジが長距離である3,000mを走り切れるのかという事だ。その時の俺の答えは『能力はあるし、やれる事は最大限やった。この前の神戸新聞杯でも2,400mを余裕で走れるだけの力は身に付けた。後は本番でどこまで走れるかによる。』と答えた。勝てるだけの力は身に付けたが、勝てるとは言ってない。世間からすれば不明瞭な発言とも取れるが、このくらいが俺に出来る発言だ。前にも書かれたが、フジの本来の適性はマイル寄りの中距離だ。大っぴらな発言は出来ない。

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「ん、どうぞ。」

 

フジ「失礼するよ、八幡さん。」

 

八幡「フジ、どうした?」

 

フジ「明日の事でね、ちょっと。」

 

八幡「菊花賞の?」

 

フジ「うん。八幡さんはさ、明日のレースどうなると思う?私も流石に3,000mは怖くてね……八幡さんの考えを聞きたくて。」

 

八幡「ふむ………正直に言えば俺にも分からん。皆が皆、長距離の適性があるとは限らないからな。言える事はロス無くレースをすれば勝機は充分ある。」

 

フジ「分からないんだ……でも八幡さん、負けるとは言わないんだね?」

 

八幡「今のフジなら直線までなら大丈夫だ。勝負になるのは恐らく直線を向いてからだ。そこが1番の踏ん張り所だろう。」

 

フジ「直線………うん、それまではしっかり脚を溜める事と体力の温存に徹するよ。」

 

八幡「あぁ。幸いにも枠は5枠10番、運が良ければ良い位置を取る事も出来るだろう。」

 

 

今フジに言える事はこのくらいだろう。道中はしっかりと脚を溜める事と体力の温存、これに限る。ダービーのような走りをしてしまえば、菊花賞は間違いなく終わりだ。他のウマ娘達もフジの走りには警戒して来るだろう。これは明日言えば良いだろう、今はまだ言わなくていい。

 

 

フジ「ちょっと安心したよ、ありがとう。」

 

八幡「いや、寧ろ済まん。俺もこのくらいのアドバイスしかしてやれん。」

 

フジ「ううん、充分だよ。でもさ、私は八幡さんが言った事もそうだけど、前に言ってた事を1番にやろうと思ってるんだ。」

 

八幡「?前に言ってた事?」

 

フジ「あれ、忘れちゃったのかい?前に言ってたでしょ?『楽しめ。』って。」

 

八幡「………あぁ、そういえばそうだったな。俺が言ってたのに忘れていた。」

 

フジ「やっぱりね〜。八幡さんの言った事を私は全力でやろうと思ってるんだ。何なら笑いながら走ろうとも思ってるよ。」

 

八幡「それはやめておけ、絶対リプレイされたら不気味に思われるぞ?」

 

フジ「あははは、ほんの冗談さ♪」

 

 

ふっ、良い感じに緊張もほぐれたな。ガッチガチになるよりかはマシだな。

 

 

八幡「冗談ならいい。身体の調子はどうだ?気になってる事とかはないか?」

 

フジ「特に無いよ。八幡さんは無いのかい?」

 

八幡「俺が言っても仕方ないだろう………」

 

 

ーーー数時間後ーーー

 

 

さて、そろそろ食堂に向かうか。きっとライスなんかは待ちくたびれてるだろうしな。

 

 

???「おやおや、君は確か比企谷トレーナーだったかな?こんな所で会えるとはねぇ。」

 

カフェ「これからお食事、ですか?」

 

八幡「お前達もか?カフェ、タキオン。しかしカフェならともかく、お前がレースを観に来るとはな。」

 

タキオン「私とてレースを観戦する時くらいはあるさ。それに、今回はフジ君の3冠制覇が懸かっているからねぇ、観に来るのは当然さ。」

 

カフェ「しかし、どうした事でしょうか……」

 

八幡「何がだ?」

 

カフェ「トレーナーさんの左後ろに、とてつもなく強い霊気を持つ守護霊が居ます。まるで、トレーナーさんを守るかのように。」

 

八幡「俺の左後ろに?」

 

カフェ「はい。それのせいでお友達も、トレーナーさんに近付こうとしません。」

 

 

………きっと俺の婆ちゃんだな。しかしお友達が寄りつかない程か、一体どんな風に見えてるんだ?

 

 

八幡「なぁ、もしかしてだが威圧でもしてんのか?」

 

カフェ「……いえ、寧ろ優しそうな顔をしています。お友達にも笑みを向けていますが、警戒しているようで。もしかして、トレーナーさんのお知り合い、なのですか?」

 

八幡「多分俺の婆ちゃんだ、一応今で言うクラシックの競走を3勝してんだ。あっ、オークスとダービーと菊花賞だから3冠ではない。」

 

カフェ「………凄い方なのですね。」

 

タキオン「まさか君の身内にそんな人が居たなんてねぇ……くくくくっ、興味深いねぇ。」

 

八幡「だからってお前の実験には付き合わないからな。もししようとしたら、今度は婆ちゃんがお前の資料に悪戯するかもしれないぞ?」

 

タキオン「ふむ、それは怖いねぇ……今回は見送らせておこうか。」

 

カフェ「というか、普段からやめてください。」

 

 

それはごもっともだな。

 

 

 




八幡の左後ろにはお婆様が居て、八幡を護っているみたいですね。
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