フジside
ふぅ………ここまで来た、3冠最後の舞台にして私の最大の壁。今までは2,400mが最高でこの前はその距離を充分に走り切る事が出来た。でも今日はその距離とは違う、此処にいるどの子も初の3,000mという大きな壁。適性だって他の皆に比べたら長距離なんて微々たる物。でも八幡さんがここまで私を強くしてくれた。2冠を獲れるだけの力をつけてくれた。だから後は……最後の1冠を獲りたい!!
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実況『京都レース場に夕日が差す中、ゲート入りがスムーズに進んでいます。これは発走が早めになりそうです。5枠10番のフジキセキは既にゲートに入って落ち着いています。やはり3冠の懸かるこのレース、緊張している事でしょう。』
解説『本人も担当トレーナーも2,400mまでは走り切れるだけの実力は身に付けたと言っていましたけど、誰もがまだ未知の距離ですからね。』
実況『さぁゲート入りは残すは1人、大外18番のサマーサスピション!楽々入りました!さぁお待たせお待たせしました!今日も奇跡を見られるのか!?それとも他のウマ娘が夢を見るのか!?菊花賞……スタートしました!!出遅れはありません、先頭争い内からアンジェロパテオ、イブキヤモンタグラ、サンデーウェルの3人が行きました!シグナルライトも続いて行って、後ろにマイネルブリッジ。タニノクリエイトとナリタキングオー、その内フジキセキは内側につけました!後ろにオートマチックとダンスパートナー、サマーサスピション!アンジェロパテオとベッスルキング、この辺りが先行勢で固まった様子で第1コーナーをカーブしてスタンド前に来ました!!』
うん、良い感じにポジションを取れた。これなら体力を温存しつつ脚を溜める事にも専念出来る!問題はどのタイミングで抜け出すかだけど、向正面の半分くらいになったら動き出そうか!
実況『さぁ2コーナー曲がって向正面に向かっていきます!先頭はサンデーウェル、シグナルライトが2番手ですが、外からマイネルブリッジが先頭になった!快調に飛ばす!4番手3バ身離れた位置にイブキタモンヤグラとナリタキングオー、オートマチックの3人並んでその後ろにフジキセキが好位につけています!タニノクリエイトが並んで、後ろから上がって来たダンスパートナーとアンジェロパテオ!ベッスルキングとトウカイパレス内をつく!タヤスツヨシとサマーサスピション、ホッカイルソーとイブキインターハイ!最後方にサウンドバリヤーとなっています!!』
よし、この辺りで少しずつ前に!!
実況『さぁこの辺りで3コーナーの上り坂に向かうところですが、一気に固まって来ました!先頭はマイネルブリッジ、サンデーウェルとナリタキングオーが上がってきました!そして更に外、フジキセキも動きました!!内から真ん中へと進路変更だ!!4人が固まっています!!オートマチックも来て、もう1人中からシグナルライト!!ダンスパートナーも前へと差を詰めて行くっ!!さぁ先頭はナリタキングオーが立っているが、殆ど差は無い!!さぁ1番の勝負所!!最終コーナーを曲がって意地と意地のぶつかり合いだ!!!』
くぅっ……脚が、重い!!でもまだ動く!!
実況『さぁ先頭変わってフジキセキか!?フジキセキが先頭に立っている!!外からダンスパートナーも差を詰めに来ている!!イブキタモンヤグラとトウカイパレスも中をついて上がって来ている!!フジキセキ粘る!しかし差は殆ど無いっ!!』
フジ「はぁ……はぁ……くぅっ!!」
パレス「フジ、抜かさせてもらうよ!!」
ルソー「今回は……負けられ、ないっ!!」
フジ「くっ!!まだ……譲れないっ!!」
実況『フジキセキ苦しいか!!?フジキセキ苦しいか!?トウカイパレスとホッカイルソーの猛追!!フジキセキここまでなのかっ!!?』
嫌だっ!!終わりたくない!!こんな所で、勝利まで後もう少しなのにっ!!こんな所で負けたくない!!後もう少しなんだ!ほんの少しでいいから、後もう少しだけ………私に力をっ!!
『八幡と一緒に来てくれたよねぇ。それに貴女は1人でも来てくれた………ほんの少しだけ、お婆ちゃんの力を貸してあげるね。』
っ!!!な、何だろう?脚に少しだけ力が戻った!?でも今はこの力を借りるしか無いっ!!
フジ「はあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
パレス「なっ!?」
ルソー「ま、まだ伸びるの!?」
実況『フジキセキも更に伸びた!!先頭は譲らないか!!フジキセキ先頭!!リードは半分のまま今ゴールイン!!!フジキセキやりました!!!3冠達成、3冠達成です!!!今、此処に歴史的大偉業を達成した瞬間ですっ!!!』
フジ「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
か、勝てた……私、先頭で……1番のままゴール出来たんだ!
フジ「はぁ……はぁ……はぁ……あれ?」
『勝てて良かったねぇ。それじゃあ、またね。』
フジ「い、今のって………」
私が見つめた先には誰かが立っていた……筈なんだけど、瞬きをしたら居なくなっていた。でも1つだけ特徴が見えた。その人はウマ娘だったけど、髪の真ん中にアホ毛のような癖っ毛が生えていた。
最後に力を貸してくれたのはもしかして………