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八幡side
思わぬ事になってしまったが、まぁ1本見るってだけだったからそんなに時間は掛からなかった。さて、俺は再び散歩を再開しているのだが、隣には思いもよらない形で同席しているウマ娘が居る。それも超大物。
???「♪〜♪〜」
八幡「………なぁ、お前は走らなくても良いのか?」
???「ん?どうして?この時間に走らなきゃいけない決まりでもあるのかな?」
八幡「いや、そういう意味で聞いたわけじゃないが………何となくな。」
???「ならいいでしょ?それにあたしは今、君と一緒に歩きたい気分なんだ♪噂のトレーナーがどんな人なのか、気になってたしね。」
八幡「………そうか。」
???「うん、そうだよっ♪」
俺の隣で一緒に歩いているのはミスターシービーというウマ娘だ。このウマ娘が何故超大物なのかと言われると、能力や素質はルドルフと同等レベルと言われているからだ。違う点があるとすれば、
シービーは兎に角、楽しく走りたい性分らしい。故に計算された走りとか決められたレースというのは嫌いらしい。駆け引きや展開があるからこそ面白いし、楽しいと感じる。だからなのか、こんな晴れの日だけでなく、気が向けば曇りでも雨でも雪でもコースで走っているらしい。それも楽しそうに………
シービー「ん?どうかした、トレーナー?」
八幡「いや、何でもない。担当、どうすっかなぁ〜って思ってるだけだ。」
シービー「そうなんだー………ねぇ、あたしは?あたしはどう思う?」
八幡「シービーの走りを見てないから何とも言えないな………為人はこうして話してるから何となくは理解したが、肝心の走りを見てないから決められないってのが答えだ。」
シービー「あはは、君は慎重なんだね。」
八幡「慎重になり過ぎて、未だに担当を決められていない優柔不断なヘタレだけどな。」
シービー「そう?あたしはそうは思わないけどな。ルドルフから聞いてるよ?君はウマ娘の事を観察する力が長けていて、誰よりもウマ娘の未来を考えてくれている素晴らしいトレーナーだって。」
アイツ、さっきのテイオーだけでなくシービーにもそんな事を言ってたのか………
シービー「あたしもその通りだと思う。そうでなければ、担当でもないウマ娘にあんなアドバイスやフォローは出来ないしね。」
八幡「テイオーのを見てたのか………」
シービー「うん、それとブルボンのもね。」
八幡「あの時も見てたのか、お前って実は何処にでも居たりするのか?」
シービー「面白そうな事だったら興味あるよ。実際、君にはとても興味があるしね。」
そう言うとシービーは何故か俺の腕に抱き着いてきた。大らかな性格だからか、こういうのは全然平気なのだろう。だが女性経験の無い男性相手にこれは止めて欲しい………
八幡「………もし俺がお前をスカウトしたら?お前は受けるのか?」
シービー「受けるよ。君とならすっごく楽しい走りを出来そうだしね。そしてきっと今までに無いような楽しい事もありそうだしね♪」
八幡「それを実現させられる保証なんて何処にもねぇぞ?」
シービー「無いから良いんでしょう?それを作れば良いんだから。既にある物に普通の色を付け足しただけなんて、面白くなんて無いしね。やるなら自分色にしたいもん♪」
八幡「………」
変わり者、ではないのだろうが………ミスターシービーの考え方は普通では考えが及ばないような考え方だ。例えば赤の絵の具が無いとする。普通なら買って来れば解決するが、シービーはなんとかして自分の赤を作り出せば良いと言っているのだ。
シービー「もしかして、私を担当にしてくれるの?」
八幡「いや、そういう意図は全く無い。」
シービー「そう?ちょっと残念。」
八幡「ていうかルドルフの奴、俺の事をあちこちに言いふらすの止めてもらいたいもんだ。テイオーにシービーと、まだ他に居るんじゃないのか?」
シービー「もしかしたらだけど、同じ生徒会のメンバーにも言ってる可能性あるかもね~。」
八幡「勘弁してもらいたい………」
シービー「何かあったらあたしが守ってあげるよ。」
八幡「見返りを求められそうだから断っとく。」
シービー「君があたしの事をどんな風に思ってるのか気になってきたよ………」
八幡「それよりも、いつまでくっついてんの?そろそろ離してくんない?」
シービー「ん~………ヤダッ♪」
何でですか?
シービー「いいでしょう?減るわけでも無いんだからさ。」
八幡「学内で噂されるぞ?」
シービー「おぉ、それは大変。」
八幡「他人事だな、おい。」
シービー「私は別にそんな噂が立っても気にならないしね。勝手に騒いでるだけだしね。」
八幡「それ、俺が困るんですけどね。」
シービー「じゃあその時は一緒に解決しようよ♪」
八幡「そしたら意味ねぇだろうが。お前と俺の噂が余計に拗れるだけだろうが。」
シービー「あははは、やっぱり君と居ると楽しいよ!全ッ然退屈しないっ♪」
俺は遠慮して欲しいって思ってるけどな。
シービー「あたしはいつでも待ってるよ。キミからのお誘いが来るのを。」
八幡「もし来ないで、他のウマ娘を担当したら?」
シービー「ん〜それでも待とうかなぁ。君には他のトレーナー達とは違う何かがあるように感じるんだよね。」
八幡「他のトレーナーと契約しようとか思わないのか?お前の素質なら選びたい放題だろうに。」
シービー「ああしろこうしろとうるさく言わないんだったらしてあげよっかなぁ〜って感じかなぁ。」
おいおい、それ殆どのトレーナーがダメな奴じゃねぇの?ていうか俺もダメじゃね?
シービー「あっ!キミは別だよ?」
八幡「何で俺だけ?なんかりゆっ……「それ以上は女の子の秘密だから、聞いちゃダメだよ?」………女の子の秘密、か。分からん。」
シービー「あははは、簡単に分かられちゃったらおしまいだからね~。」
………さいで。
シービー「ところでさ、君はどんな子を担当したいの?そこのところはハッキリしているのかな?」
八幡「さぁな?それすらもハッキリしてないから、今こうして悩んでいるところに腕を組まされながら散歩に付き合わされてるんじゃないかって思ってる。」
シービー「ふぅ〜ん、じゃあ特にコレだっていうのは無いんだ。」
八幡「そうなるな。」
やっぱりそういうのって予め少しは決めておいた方が良かったのか?
シービー「それなら本当にあたしを担当にして欲しいんだけどなぁ~。」
八幡「楽しい走りをさせてやれる自信はねぇし、あれこれ言うかもしれないから無理だろうなぁ〜。」
シービー「君は別だってさっき言ったよ?」
八幡「女の子の秘密が分かれば受けてやるかもな。」
シービー「……キミって意外と意地悪だよ。性格悪いって言われない?」
八幡「どうだろうな?目が腐ってるとは何度も言われてるけどな。」
シービー「皮肉を言わないでよ。けど、何となく理解したよ。君はただ普通にスカウトしただけじゃ靡かない。うんうん、益々君に興味を持ったよ♪」
出来れば、その興味を他のトレーナーにも向けてやったら良いと思うんだが………
今回は【奇跡の豪脚】【常識破りのシービー】が異名の史上3頭目の3冠馬、ミスターシービーです。
シービーといえば3冠レースの菊花賞が有名ですね。当時は京都競馬場の長距離レースで3コーナーからのロングスパートは自殺行為だと言われるくらい無茶なものでしたが、シービーはそれを楽々と通り越して3冠馬となりました。競馬界では【『記録』のルドルフ、『記憶』のシービー】とまで言われる程、思い出に強く残る馬だったそうです。