比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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依存と恐怖

 

 

 

フジside

 

 

八幡「……なぁフジ?一応中京から府中まで4時間くらい時間が掛かるのは知ってると思う。」

 

フジ「……うん、知ってる。」

 

八幡「だからこうして高速のサービスエリアで休憩を挟んでいるわけなんだ。」

 

フジ「……うん。」

 

八幡「………単刀直入に言う、離れてくれないか?」

 

フジ「………」ギュ∼!

 

八幡「力強めて抵抗するなよ、分かった分かったから。だからせめて腕じゃなくて手を握るにしてくれ。これじゃ目立って仕方ない。」

 

フジ「………腕が良い。」

 

八幡「お前、そんな性格だったか?」

 

フジ「今は甘えたい気分なんだ、いいでしょ?」

 

八幡「いや、だからってなぁ………」

 

 

さっき……といっても数時間前だけど、八幡さんと公園で話し合って私は泣いてしまったんだけど、その時に八幡さんは私を抱き締めてくれた。勿論慰める為だっていうのは分かってる。抱き締めて頭を撫でながら宥めてくれたから……でも、その時の感触が私の頭と身体にとても鮮明に残っていて、少しでも良いからその感触に浸っていたいって思うようになってしまった。

 

自分でも認めてるから言うよ、私は八幡さんに『依存』してしまったんだと思う………抱き締められた時の温もり、匂い、息遣い、優しさ、他にも例えられない程の多幸感に溢れた何かが全て私の全神経が記憶してしまったんだ。

 

 

八幡「公園出た時からずっと手を握って前のサービスエリアでも車から出たら腕に抱き着くし………お前、少し変だぞ?具合でも悪いのか?もしそうなら寝ててもいいんだぞ?」

 

フジ「具合は悪くないから大丈夫、眠くもないから。それに私がこうなったのは八幡さんのせいじゃないか。」

 

八幡「え、俺のせい?俺なんかやったか?」

 

フジ「分からないんだったら、このままだよ。」

 

八幡「………シービーが見たら怖いぞ?」

 

フジ「……言わせておけばいいよ。」

 

八幡「え………」

 

 

八幡(嘘だろ、シービーの名前を出しても怯まないどころか受けて立つ的な事を言ったぞ………)

 

 

八幡「あぁ〜……喧嘩はするなよ?」

 

フジ「やだなぁ、流石にそんな事はしないよ。」

 

八幡「悪い、今のお前の行動と発言を考慮すると、説得力の欠片も無いんだが?」

 

フジ「八幡さんも酷いなぁ……」スリスリ

 

八幡「おい、スリスリすんな。」

 

 

ーーー栗東寮ーーー

 

 

八幡「よし、着いた。ん、エアグルーヴ。」

 

フジ「わざわざお出迎えなんて………寝ててくれても良かったのに。」

 

 

私達は車から降りて、寮の前で待っているエアグルーヴの元へと向かって行った。

 

 

エアグルーヴ「そろそろ来ると思っていた………その様子、もう大丈夫そうだな。」

 

フジ「心配かけてごめんよ。」

 

エアグルーヴ「レース場でのお前は見ていられなかったが、気持ちを入れ替えられたようだな。」

 

フジ「うん。次の安田記念、次は必ず勝つ……八幡さんともそう話したしね。勝って……そして秋は全て勝つ!私の中ではそう決めたからね。」

 

エアグルーヴ「ふっ、良い気合いだ。」

 

八幡「けど今日はゆっくり休めよ?それに明日だってトレーニングは休みにしてるんだし、リフレッシュでもしたらどうだ?まぁ学校終わりになるけどな。」

 

フジ「大丈夫、明日の予定はもう決めてあるからね。この予定の方が私も有意義に過ごせるから。」

 

八幡「予定を決めてるのなら構わない。明後日からはまたトレーニング漬けだからな。それにライスの皐月賞にモーリスのニュージーランドトロフィーに加えて春のGⅠ祭りも控えてるしな。」

 

エアグルーヴ「これから忙しくなるな。」

 

八幡「あぁ、そうだな。フジは安田記念に向けてトレーニングを始めていくぞ。今度はマイル、お前の得意な距離での勝負だから負けられないぞ。」

 

フジ「望むところさ。もしも高松宮記念に出てた子達が参戦して来たら………叩きのめすよ。」

 

八・エ「っ!!?」ゾッ

 

フジ「あっははは、な〜んてねっ♪ほんの冗談さ!エアグルーヴ、私達も行こ?八幡さん、送ってくれてありがとう、また明日ね♪」

 

八幡「あ、あぁ………」

 

 

八幡さんと別れるのは名残惜しいけど、また明日学園で会えるしね。その時まで我慢だよ。

 

 

フジsideout

 

八幡side

 

 

八幡「………なぁエアグルーヴ?」

 

エアグルーヴ「………何だ八幡?」

 

八幡「さっきのフジの言った事って………お前冗談に聞こえたか?俺には全く聞こえなかった。」

 

エアグルーヴ「奇遇だな、私もフジの本心から見て取れた。恐ろしかったぞ、あれは………」

 

 

よく見るとエアグルーヴの耳が左右で違う方向に向いていた。俺でさえも少し怖かったから、敏感なウマ娘ならもっと感じるんだろうな。

 

 

八幡「大丈夫か?」

 

エアグルーヴ「うむ……まさかフジに恐怖を覚える時が来るとは思わなかった。」

 

八幡「あぁ、普段のアイツは優しいからな。」

 

 

優しい奴が怒ったら怖いって本当なんだな……いや、あれって怒ってたのか?うぅん………分からん。

 

 

八幡「取り敢えず、また明日な。」

 

エアグルーヴ「あぁ、八幡もご苦労だった。」

 

 

さて、帰ったら先生とプロフェッサーからの説教が待ってるかもな。覚悟しねぇと………

 

 

 




素直になったと思ったら依存!?

そして垣間見えたフジの怒り………
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