フジside
さて、私達は今合宿所に来て通常とは異なるトレーニングメニューで自分自身を追い込んでいる。去年はメンバーの事もあったから来れなかったけど、今年は秋に向けて思いっきり鍛え上げないとねっ!それになんと言ってもシービー先輩がアイルランドで2冠を獲ってきたんだから、私達も負けていられないしね。因みに私の次のレースはスプリンターズS。八幡さんに春のリベンジをしたいって言ったら受け入れてくれたんだ。それに向けてスピード強化中だよ。
でも気になっている事があるんだ。それは………
シービー「へぇ〜……八幡っていつもこんな風にメモ取ってるんだ〜……ふぅ〜ん……ちょっと意外。」
八幡「汚いってか?」カキカキ
シービー「ちょっとだけね。もっとキッチリ書いてるのかと思ってた。けどそんな事無いんだね。」
八幡「縦にメンバーの名前入れてるから、殴り書きでも枠内に入ってればある程度後でも分かるからな。」
シービー「そっかぁ〜。」
八幡「………」
シービー「………」
………シービー先輩がトレーニングを始めてからずっと八幡さんの横に居るんだ!八幡さんの邪魔をするわけでも、トレーニングに参加するでもない、お休みの筈なのに何で居るんですかっ!?
シービー「良いねぇ〜皆、良い走りだし良い顔になってきてる♪なんかあたしもウズウズしちゃう!」
八幡「言っておくがダメだからな?」カキカキ
シービー「分かってるよ、だから言ったの!あっ、そうだ。八幡、皆のトレーニング終わったら一緒に走ろうよ!」
八幡「お前ね、俺の話聞いてた?」
シービー「ピルサドとかに色々聞いて来たの、向こうのトレーニングとか。参考になると思うけどなぁ〜?どう、悪い話じゃないでしょ?」ニコニコ
八幡「……はぁ、軽く走る程度だからな?」カキカキ
シービー「いっえぇ〜い♪」
八幡「ったく……ん?」
フジ「………」ジィ∼…
八幡「………なんか俺睨まれてね?」
シービー「おっと、これ以上はあたしも怒られちゃうから、そろそろ行くね。」
八幡(いや、何に怒るんだ?)
ーーートレーニング後ーーー
八幡「んじゃ、今日のトレーニングは終了。ストレッチは入念にやって後に響かせないようにな。初日終わって翌日にコズミで走れないなんてシャレにならないからな。よし、解散。」
フジ「八幡さん、少しいいかな?」
八幡「ん?どうしたフジ?」
フジ「少し付き合ってほしいんだ。」
八幡「?まぁ少しなら………」
フジ「よしっ♪じゃあ着いて来て。」
ーーー森林ーーー
八幡「此処は確か………」
フジ「そう、私が君を初めてデートに誘った場所さ。懐かしいね……」
八幡「……あぁ、あの後は大変だったけどな。」
フジ「あははっ!そうだね、2人して会長にエアグルーヴ、ヒシアマに謝ってたね!」
八幡「もうこのハンモックで寝ないって決めた日でもあるな。うん、絶対寝ない。」
フジ「つれない事を言わないでよ。せっかくこうしてまた八幡さんを誘ったんだから。」
八幡「………ていう事はそういう事か?」
フジ「うん、そういう事♪」
逃げてもいいけど、ウマ娘の走りにヒトが逃げ切れるわけないからね。
八幡「分かったよ、これを使うのも2年ぶりかぁ。」
フジ「それじゃあ失礼するよ……まだお夕暮れだから星は無いかぁ。」
八幡「そんな星があったら夜は眩し過ぎて眠れないだろうな。」
フジ「………」
八幡「………」
フジ「……思えば、此処から始まったんだよね。私が八幡さんの担当になるきっかけが。」
八幡「あぁ。俺はお前の素質と気遣いに惚れて選んだんだよな。我ながらあやふやな理由だと思ってるが、選んだ事に悔いは無い。」
フジ「ねぇ八幡さん、私はちゃんと貴方に【キセキ】を魅せられているかな?」
八幡「……3冠制覇、あれが俺にとって何よりの【キセキ】だ。勿論これからもその【キセキ】を魅せてくれるんだろ?それとも!あれで終わりか?」
フジ「まさか。まだまだ魅せ足りないくらいさ。それに、八幡さんにだけ魅せたい【キセキ】もあるから///」
八幡「ん?俺にだけ?」
フジ「そ、それはまだ内緒だよ!」
八幡「そ、そうか………」
流石に言えないよ〜………それにまだ夕暮れだし、雰囲気だってそれっぽく無いからね!
八幡「ていうか、此処に連れて来た目的って?」
フジ「勿論、八幡さんに休んでもらう為だよ。八幡さんの事だから睡眠以外は碌に休んでないと思ってこうして誘ってみたんだ。それに昨日はシービー先輩のお迎えで車の運転をしていたんだから身体に負担が掛かっている筈。私達の事を見てくれてるのは嬉しいけど、合間を見て身体はちゃんと休めないとダメだよ?」
八幡「……ふぅ、学生に言われちゃ世話ないな。」
フジ「ならちゃんと休まないとね?」
八幡(これで男だったら間違いなくモテてただろうな。いや、一応中世的な顔してるから見られててもおかしくはない?けどウマ娘だからないか………しかし、やっぱ端正な顔してるよな。それに性格だって良い。もしフジが俺と同い年で同級生だったら、間違い無く惚れてただろうな。」
八幡「こんなたられば、考えても……ん、どした?」
フジ「………/////」カアァ
八幡「何か顔赤いぞ……熱出たか?」
フジ「ふぇ!?あっ、いや、大丈夫!!うん、何でもないよ、あははは〜ごめんね/////」
い、いきなり何言ってるの八幡さん〜!!?え、もしかして私、今口説かれてたの!?で、でででででもそれだったら八幡さんだって気にする筈だし………ああああぁぁぁぁもう分かんないっ!!!
出た、八幡の心の声が口に出てるパターン。