比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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トレーニング初日

 

 

八幡side

 

 

八幡「さて、じゃあ今日からトレーニングを始めて行くわけだが……何か言いたそうな顔をしているが、どうかしたのか?」

 

エアグルーヴ「昨日の夜、同室のファインに走りをお前に見てもらったと教えてもらった。」

 

八幡「あぁ。」

 

エアグルーヴ「お前のアドバイスや指摘に頭を抱えたのだ。何なのだ針金やらヤワやらは?走りを見るのにラーメンで例える必要があるのか?」

 

八幡「いや、面白半分で言ってみたらアイツ本当に理解したからよ……俺も面白くなったからラーメン用語で攻めたら全部理解しやがった。」

 

エアグルーヴ「………」

 

八幡「いや、俺も言ったぞ?次からは普通に指摘するって。そしたらアイツ『いいえ、あのままの方が良いです!』って本気の顔で言ってきたから………ファインって何気に凄いのな。」

 

エアグルーヴ「いや、もうその話はするまい………」

 

 

そうだよな、お前には理解し難い内容だよな。

 

 

八幡「まぁその話は置いといて、今日は改めてお前の走りを見る。この前は1度見るだけで充分とは言ったが、改めてよく見ておく必要があると思った。まずはアップをしてからいつもやっているストレッチで身体を作ってくれ。それからレース形式でお前の走りを見る。アップが終わったら教えてくれ。」

 

エアグルーヴ「まさか貴様はその間は何もしないとは言わないだろうな?」

 

八幡「まさか、お前のアップを観察させてもらう。必要な器具とかあるか?そういうのがあったら遠慮無く言え。」

 

エアグルーヴ「不要だ。では始めさせてもらう。」

 

 

エアグルーヴはそう言うと、そのまま走り出した。ふむ、腕の動きは自然だし足の動きも軽い。体のブレも少なく、首も揺れてないし、体幹もしっかりしている。日頃からトレーニングをしていなければ成し得ない業だ。

 

さて、観察させてもらおうか。

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

エアグルーヴ「トレーナー、準備完了だ。」

 

八幡「よし、良い状態だな。じゃあ最初は右回り1,600mの距離を走ってもらう。お前なりの力を出してみろ。」

 

エアグルーヴ「あぁ、分かった。」

 

八幡「マーカーの置いてあるところがスタート地点だ。準備が出来たら手を挙げてくれ。そしたらスタートの合図を送る。」

 

エアグルーヴ「合図?」

 

 

エアグルーヴ(今のところは普通の……いや、私のトレーニングの様子を見ているようだ。そして次は1,600mの右回り、恐らく奴は桜花賞を見据えての選択なのだろう。そうでなければ、距離の指定はしても右回りの指定をする筈が無い。)

 

 

エアグルーヴなら俺の意図に気付く筈………この距離は桜花賞と阪神JFと一緒だ。違う点は坂があるかどうかの違いだけ。そして今回は1人、ペースメーカーは居ない。それでどんな走りをしてくれるのか………おっ、手を挙げたな。ふむ、スタートダッシュの準備も出来てるな。じゃあ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッコン!!

 

 

エアグルーヴ「っ!」

 

 

ほう、対応するか………出遅れると思ったんだがな。

 

 

エアグルーヴ「ふっ…ふっ…ふっ…」

 

 

………

 

 

ピッ!

 

 

エアグルーヴ「はぁ……はぁ……ふぅ……トレーナーどうだ、私の走りは?」

 

八幡「そうだな………今聞くか?それともトレーニングが終わった後にするか?」

 

エアグルーヴ「………今聞こう。」

 

八幡「分かった、総評としては70点だ。」

 

エアグルーヴ「……随分と低いな。」

 

八幡「ちゃんと理由はある。良い点から話そう、まずは走破タイム、1.33.2だった。このタイムはデビューする前ならかなり良い方だ。それからレースの展開作りも良かった。位置取りを気にしながら自分の走りをしていたな。1人ながらよく作れていた。」

 

エアグルーヴ「………」

 

八幡「次は悪い点だ。タイムは良かったが、上がり3ハロンは37.4とかなり遅い。失速はしていなかったが、この馬場でこのタイムだと道中で助けられたように見える。それとお前はコーナーが苦手だな?」

 

エアグルーヴ「……あぁ。」

 

八幡「だろうな。身体がよれていた。直線の姿勢は良いが、曲がった時に内側に体を寄せ過ぎてスピードに乗れていない。お前の走り方でそれは致命的だ。」

 

エアグルーヴ「改善策はあるのか?」

 

八幡「当然ある。だがこれはまだやらない。」

 

エアグルーヴ「何だと?直すべき点があるのにそれをしないとはどういう了見だ?」

 

八幡「トレーニングを始める前に言った筈だぞ?今日は動きを見るって。今日のトレーニングでは過度な事はしない。それに見るべき距離はまだある。今は1,600mだったが、次は同じ右回りで2,000m、その次は左回りの2,400mだ。お前は不服かも知れんが、今日はお前自身の走りを分析する日だと思え。自分の長所や短所、癖、立ち回り、身体の使い方を見る日だ。お前も【女帝】を名乗りたいのなら、人やウマ娘に魅せられる走りを身に付けないと、だろ?」

 

エアグルーヴ「………まさかお前に論されるとはな。だがお前の言う通りだ、トレーニングを続ける。」

 

八幡「おう、その調子だ。それとインターバルで5分は脚を休めておけ。すぐに走ってもガタが来るのなんて目に見えてる。」

 

エアグルーヴ「了解した。」

 

 

納得はしたようだな。しかし言ってくるとは思っていたが、言い方厳しいんだよなぁ………厳しさを少しでも抜けば、もっと人気が出るも思うんだが、出来ないものを求めても仕方のない事だよな。

 

 

 

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