フジside
ふふふっ、最高の気分だよ♪これで八幡さんに顔向け出来るよ!けど、やっぱりウイニングサークルで待ってて欲しかったなぁ〜それに、なんかそれが当たり前みたいになってたから、少しだけ寂しかった気もする。
けど本当はこれが当たり前だからね、八幡さんがコース場まで駆けつけてくれたのが異例だったんだから。来てくれるのを当たり前だって感じちゃダメだよね。でも………1番最初におめでとうとお疲れ様は八幡さんから貰いたいなぁ。
コンコンコンッ
おっ、誰かな?
『俺だ、開けてもいいか?』
フジ「八幡さん?勿論いいよ、どうぞ。」
よし、やっぱり八幡さんだ♪
ガチャッ
パァンッ!!
フジ「うわぁっ!?」
フジ母「やぁ、君の母親がレースを観に来てたよ!久しぶり、フジキセキ!それから、とても良いレースだったね!」
フジ「えぇ!?お母さんっ!?」
八幡「フジ、レースお疲れさん。俺もついさっき会ったんだが、お前の母親がレース観に来てた。」
フジ「八幡さん!?え、じゃあ今の声は………」
フジ母「んんっ!【流石だ、良い走りだった。】どう?見分けが付かないだろう?」
八幡「今のは本当に俺じゃない。お前の母親が声帯模写で俺の声を真似て言ったんだ。」
フジ「………」
ま、まさかお母さんが私のレースを観に来ていたなんて………驚いたなぁ。
フジ母「それにしても……ふふふっ、これも成長っていうのかな?扉越しで聞こえて来た声がとても嬉しそうに聞こえたのは私の気のせいかな?」
フジ「え、何の事かなぁ?貴女の言ってる事がよく分からないよ?」
フジ母「あはは、誤魔化してるつもりかい?まぁトレーナーさんは理解していないようだけど。」
八幡「すみません、サッパリです。」
フジ母「気にしなくていいさ、寧ろ気付かれてたら危なかったかもしれないから。そうだよね?」
フジ「わ、私に振らないでくれるかい?///」
ま、まさか声だけでバレるなんて………やっぱり流石だよ、貴女は。こういう勘の鋭いところも健在なんだね。すぐに見破られたよ。
八幡「まぁ、聞かないでおいた方が自分の為だっていうのは分かりますよ。それよりもフジ、やったな。」
フジ「うん、これで少しは胸を張れるよ!八幡さんや他の子達にもたくさん協力してもらったしね!ここでまた負けちゃってたらって思ったら合わせる顔がなかったからね、勝てて良かったよ♪」
八幡「そんなに気負う必要は無いんだが……まぁ春の負けもあったからな、仕方ない。よくやったな。」
フジ「うん♪」ニコッ
フジ母(やれやれ、君がこんな笑顔を見せるなんてね。最早惚れていると言っているようなものじゃないか。それにしても、君にも春が来たのかぁ……同性からチヤホヤされていて王子様扱いされていた君にも漸く、かぁ……ふふふっ、何だか過去の自分を見ているようで懐かしく感じるよ。)
………ん、何だろう?お母さんから生暖かい視線を感じる。ってそういうのじゃないから!いや、もう認めるしか無いとは思ってるけど、今は別に違うから!
フジ母「トレーナーさん、少しだけ時間を貰ってもいいかな?少しだけフジキセキと話がしたいんだ。」
八幡「勿論構いませんよ。ですがインタビューもありますからそんなに長い時間は取れませんけど……」
フジ母「ううん、そこまでの時間は取らないよ。すぐに終わる話をするだけだから。ただトレーナーさんに聞かれるのはちょっとアレだと思ってね。」
八幡「成る程、分かりました。じゃあ俺はインタビューする場所の近くにでも行っておきます。内容は知らない方がいいんでしょう?」
フジ母「そうだね。」
八幡「じゃあ、失礼します。」
そう言って八幡さんは控室から出て行ってしまった。一体何の話をするのかな?
フジ母「単刀直入に聞くけど、君はトレーナーさんに恋をしているね?」
フジ「……うん、してる。気の迷いでも一時の感情でもない、本気の恋をしているよ。」
フジ母「言葉を濁さないでくれて良かったよ。それだけ君の気持ちが強いって確認が取れたよ。好きになったからにはものにするんだよ?誰かに取られた、なんて1番シャレにならないからね。」
フジ「うん、分かってる。」
フジ母「ならいいんだ。それから君はもう理解していると思うけど、トレーナーさんはとても良い人。トレーナーの業界の事はよく知らないけど、その中でも彼はとても秀逸な存在。私達ウマ娘を一括りに【全】ではなく、1人1人を【個】として見ている、そう感じたよ。」
フジ「………」
フジ母「そりゃトレーナーをやる上では当たり前の事かもしれないけど、それをずっとやるのは至難の業だと思う。けど観客席や今此処でのやりとりを見ていて思ったよ、あのトレーナーさんはしっかりと1人1人を見てるってね。だから君の事もよく見ている筈。負けちゃダメだよ?」
フジ「あはは、大丈夫。これでも後少しで1年片思いになるから。」
フジ母「1年………流石にそれは長過ぎないかな?」
フジ「うっ………」
フジ母「アプローチをしてどうしても振り向いてもらえない時は、頬にキスでもしてみるといいよ、そうしたらイヤでも反応すると思うしね。」
フジ「ちょっ、何を言って!?」
フジ母「おっと、そろそろ行く時間だ。それじゃあまた今度の舞台でね♪君の活躍を楽しみにしているよ。後、トレーナーとの進展も、ね?」パチンッ!
ボンッ!!
目の前から煙が上がったと思ったら、そこに貴女の姿は無く1人だけの空間になっていた。
フジ「で、出来るわけ無いじゃないか!!」
フジ母、最後のはアドバイス?