比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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克服の為に

 

八幡side

 

 

エアグルーヴ「はぁ…はぁ…ふぅ……どうだ?」

 

八幡「最初の頃よりかは良いタイムになってきている。だがまだコーナーの動きが甘い。よれる癖がイマイチってところだ。やっぱり難しいか?」

 

エアグルーヴ「今までそうして走ってきたのだ、短期間で治せるのならこんなに苦労はせん。」

 

八幡「まっ、そうだな。走り方を変えるって事は、今までの自分を変えるも同然の事だからな。だがそれが出来ればお前は大きく進化する。今はまだその殻から抜け出せそうで抜け出せないって状態だ。」

 

エアグルーヴ「………もう1度走ってくる。」

 

八幡「今日は後2本が限界だからな~。」

 

 

エアグルーヴのレースセンスは目を見張るものがある。恐らくその点に関してはルドルフよりも上だろう。だが今はコーナーの動きの影響で不充分になっている。それを治す事が出来れば、エアグルーヴは今のジュニア級の中でトップクラスの実力を得るだろう。

 

ん、手を振ったな。さて、計測始めるか。

 

 

ーーートレーニング終了後ーーー

 

 

エアグルーヴ「今日も直せず、か………」

 

八幡「そう気に病むな、他のは改善出来てる。身体のよれの克服に時間が掛かるって事は、それだけお前の中ではその動きが重視されているって事だ。」

 

エアグルーヴ「トレーナー、貴様からはもっと他に何か無いのか?」

 

八幡「………今の時点でお前の走りは理想体と言って良い、根本的な走りは変えない方がいいってのは言える。1つ聞くが、お前のその走りってのは母親を意識しての走りか?」

 

エアグルーヴ「その通りだ。」

 

八幡「成る程な………」

 

エアグルーヴ「何だ、私の母親の走りではダメだという事か?」

 

八幡「そうは言わない。根っこは合ってるからな。だが変えた方が良い部分はあるって事だ。その代表がコーナー部分の身体のよれだ。きっと母親ではその動きが合っていたんだろうが、お前は違う。水泳でも流線形、ストリームラインをしなければ真っ直ぐ泳ぐ事が出来ないのと同じだ。」

 

エアグルーヴ「ではどうする?」

 

八幡「………っ!考え方を変えるか。」

 

エアグルーヴ「……どういう事だ?」

 

 

頭が凝り固まっていた。何で俺は自分だけの力でどうこうしようとしていた?周りにはエアグルーヴの助けになってくれるウマ娘達が大勢居る。その中からヒントなり動きなりを盗んでくればいい。このトレセン学園でそういう奴は………

 

 

エアグルーヴ「おい!何を1人で考え事をしている!私を1人でほったらかしにするな!ミーティングの意味が無いだろう!」

 

八幡「………エアグルーヴ、明日のトレーニングだが内容を変更する。明日は併走トレーニングだ。」

 

エアグルーヴ「何?併走?」

 

八幡「だがただの併走じゃない。お前にはこの方法であるウマ娘達を2人以上コーナーで抜いてもらいたい。」

 

エアグルーヴ「おい、それはまさか………」

 

八幡「明日になってからのお楽しみだ。先方には俺から頼んでおく。許可が取れたら協力してもらう。」

 

 

この方法ならどっちにも得がある。

 

 

ーーー翌日・放課後ーーー

 

 

エアグルーヴ「……おいトレーナー、1つ聞くぞ。」

 

八幡「おう、何だ?」

 

エアグルーヴ「昨日、貴様が言っていた先方というのはこのメンバーで相違無いか?」

 

八幡「あぁ、2つ返事でOK貰った。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「君とトレーニングが出来るなんて嬉しいよ、エアグルーヴ。」

 

ハヤヒデ「今日はよろしく頼むよ、エアグルーヴ、トレーナー君。」

 

スズカ「トレーナーさんからお話を聞いた時は少し驚いたけれど、私もエアグルーヴと走りたかったから、よろしくね。」

 

ライス「え、えぇと……お願いしましゅ!」

 

 

いやぁ、我ながら頑張ったもんだ。

 

 

エアグルーヴ「貴様どういうつもりだ?会長はただでさえ生徒会の業務でお忙しいのだぞ!3人のプライベートは私の知るところではないが、これ程の面子に協力を取りつけたのか!?」

 

八幡「そうだ。それに心配すんな、ちゃんと見返りを渡した上で了承を貰っている。」

 

エアグルーヴ「見返り?」

 

ルドルフ「あぁ、それで了承した。(また新しいダジャレを教えてくれるのだ。気合が入る!)」

 

ハヤヒデ「トレーナー君は交渉も上手い。(入手困難なトレーナー君のメニューとなれば、参加するしか無いだろう。)」

 

スズカ「私は貴女と走りたかったから。(超軽量型のシューズ……これで何処までも!)」

 

ライス「ライスもお兄様が困ってるから、力になりたくて……(お兄様からのご褒美、なんだろうなぁ〜?)」

 

 

ダジャレ、メニュー、シューズ、ご褒美……うん、費用掛かるのはシューズのみだから安いもんだ。けどライスのご褒美にもよるよなぁ。見た目に反してライスも結構食べるし。

 

 

八幡「……な?」

 

エアグルーヴ「見返りの内容が気になるところではあるが、時間を割いてもらっている立場だ、その話は置いておこう。それで、今日の内容は何だ?」

 

八幡「あぁ、内容はアップが終わった後に全員で走る。4コーナーを曲って少ししたところに印を置いておく。そこがゴールだ。距離は1,800mで走ってもらう。そしてこれが1番のポイントだ、中距離の感覚で走る事が最大のポイントだ。」

 

ルドルフ「何故中距離なんだい?」

 

八幡「この中のメンバーなら全員中距離の適性はあるがマイル適性のある奴はエアグルーヴ、スズカ、ルドルフの3人くらいだ。ハヤヒデもあるだろうが長距離寄りだし、ライスに至っては完全ステイヤータイプだからマイルのスピードで走るのは無理がある。だから中距離の感覚で走るんだ。」

 

ハヤヒデ「成る程、全員条件を同じにした状態で走らせたいというわけだね?」

 

八幡「そうだ。そしてこの模擬レースにもう1つ、要素を入れる事にした。」

 

ライス「要素?」

 

スズカ「それって何ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「鬼ごっこ。」

 

 

 




八幡の餌に釣られてやってきた4人(1人は善意たっぷりww)

そして今回【異次元の逃亡者】ことサイレンススズカが登場です!

主な勝ち鞍は宝塚記念、毎日王冠、金鯱賞、中山記念、小倉大賞典の5つですね。スズカが居たからこそ『逃げて差す』という【逃げ差し】という言葉が生まれたのでしょうね。1番の圧巻はやはり金鯱賞の大逃げですね。後続に大差をつけての圧勝!しかもタイムの差が1.8秒のレコード勝ち!スタンドの皆さんもゴールする前に拍手を贈っていたみたいです。

その後グランプリを制してGⅠホースの仲間入り、秋初戦の毎日王冠では2歳王者グラスとこれまで無敗エルコンドルパサーを子供扱いして勝利。そして主戦だった騎手はこんな言葉を言ったそうです。

『ハイペースがサイレンススズカにとって、マイペースなのです。』
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