比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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クラシック初戦に向けて

 

 

八幡side

 

 

八幡「……とうとうここまで来たな、ライス。」

 

ライス「う、うん……!」

 

八幡「もう後には引けないところまで来た……元々そのつもりだったが、残すは本番だけになったな。」

 

ライス「その前のスプリングS、ブルボンさんの圧勝だったしね……」

 

 

今この時は3月末に近い時期。ついこの前ブルボンが出走したスプリングSが行われたのだが、2着のウマ娘に7バ身もの差をつけての勝利だった。まさかこんなにも突き放すとは思わなかった……俺も予想外だ、まさかあそこまで走れるようになってるとは。黒沼さんのハードトレーニングが実を結んだんだろうな。

 

因みにライスも前哨戦の弥生賞を問題無く勝利している。それもブルボンと同じ2着に7バ身差での勝利だ。これならと俺も自信を持っていたのだが、ブルボンの走りでその自信は消え去ってしまった。

 

 

八幡「ライスも知っているとは思うが、ブルボンは元々短距離型のウマ娘だ。それが今やマイル1,800mの重賞レースを差をつけてまで勝利出来る程の強さになってる。予想をせずとも2,000mは余裕で走れるだけのスタミナは有していると思っていい。」

 

ライス「じゃあどうやってブルボンさんと戦うか……という事かな?」

 

八幡「スタミナの部分に関してはお前に軍配が上がるだろう。だがブルボンには逃げの脚質に加えて正確なペース配分も強力な武器だ。」

 

ライス「ペース?」

 

八幡「ブルボンの逃げはペースに正確性を重視したレース運びをしている。200mを走るのに大体12秒、速くて11秒前半のペースで走ってる。しかもこれを今までのレース全てでやっている。」

 

ライス「ぜ、全部で?」

 

八幡「あぁ、そうだ。だからブルボンに勝つにはそのペースをいかに崩すかも勝因に繋がってくるが、先行タイプのお前には厳しい話だ。同じ逃げウマ娘がプレッシャーをかけてくれれば良いといったところだが……」

 

ライス「けど、それなら1,000mを60秒って事だから少しペースを上げれば勝てる可能性は上がると思うんだけど、そうじゃないの?」

 

八幡「それが出来るのなら誰でもそうしている。平均だからこそ、いくらスタミナのあるライスでも平均内でのスタミナでしか勝負をする事が出来ないんだ。ブルボンが先頭に立つって事はそのベース内でレースを進めなければならないって事だからな。ペースメーカーがライスだったらまた話は変わるが、お前はブルボンと同じようにラップを刻めないだろう。そんなトレーニングをしてないからな。勝率を上げるとすれば、ブルボンをマークするように走る、くらいだな。相手と同じ土俵だからな。だがこれには脚質的な問題がある。」

 

ライス「ライスも逃げる事になるんだよね?」

 

八幡「あぁ、脚を溜める事は出来ないというリスクが生まれる。スタミナのあるライスにとって勝率はある程度上がるが、あまり現実的じゃないな。」

 

ライス「お兄様、最初は正面からぶつかっていこうよ。ライスだって中山の2,000mを2回走ってるんだから、経験ならライスの方が上。ブルボンさんの走りに惑わされず、自分の走りでブルボンさんに勝ちに行くから!」

 

 

ライスは小細工無しに実力で勝負をする、か………その方が良いか。

 

 

八幡「よし、じゃあ今までと同じ戦い方で行こう。ライス、皐月賞もホープフル、弥生賞と同じように走ろう。ブルボンとの距離にもよるが、最終コーナーに入る前にスムーズにスパートをかけられるようにしておけよ。」

 

ライス「うん、分かった!」

 

八幡「とりあえずミーティングは終了だ。ふぅ……なんか悪かったな、結局いつも通りの作戦で話が終わっちまった。」

 

ライス「ううん、そんな事無いよ。お兄様も全力なんだって分かったから、ライス嬉しいんだ。」

 

八幡「……ありがとな。」

 

 

ホント、良い子だよなぁ………

 

 

ライス「あっ、そうだお兄様。お兄様から調べてほしいって言われてた事、ライスなりに集めてみたよ。」

 

八幡「おっ、ホントか?」

 

ライス「うん。やっぱりカフェテリアでライス達がお話してた事が原因みたい。やっぱりお兄様の遊びながらトレーニングが出来るっていうのが1番の理由じゃないかな?」

 

八幡「そうだったのか……」

 

ライス「ライスの友達とかにも聞いて回ってみて分かった事だけど、皆おんなじ事を言ってたみたいだから本当の事だと思うよ。」

 

八幡「今はシービーがトレーニングに参加してきてるが、これが増えたら今後に関わるな……深刻になる前になんとかしないといけないな。」

 

 

ライスの担当をしている俺が担当していないシービーのトレーニングをしているだけでも問題なのに、これ以上未担当のウマ娘の面倒をわけにはいかない。外聞にも関わってくるからな。

 

 

ライス「お兄様もやっぱり大変なんだね……」

 

八幡「シービーに懐かれたばっかりにな。こんな事になるんなら許可しない方が良かったか?いや、でもそうでなかったらライスはここまで成長しなかったし……はぁ、どうしたもんか。」

 

ライス「ライスに出来る事があったら言ってね?ライスお兄様の役に立てるのなら、何でもするよ!」

 

 

※本当にこの子は……なんて良い子なんだろう。涙が出て来るよぉ〜(T ^ T)

 

 

………なんか何処かから声が聞こえたような気がするが、気にしないでおこう。とりあえず俺が今言える事は、ライスはマジで良い子だ。

 

 

 




ライス陣営はブルボンと真正面から戦うみたいですね。
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