八幡side
日本ダービーを走り終えた18人は結果が気になっているみたいで、まだ芝の上に残っている。しかし掲示板に灯っているのは未だに3着までの結果のみだった。既に10分以上も審議のランプが光ったままだ。皐月賞でもギリギリの差でブルボンが勝ったからな、その事を考えるとやはりダービーはどっちが獲ったのかどうしても気になるのだろう。しかも俺はライスのトレーナーだ、本人と同じくらい結果は気になる。今は観客席ではなく、黒沼さんと一緒に担当の近くまで来ている。近くで結果を見たいからな。
黒沼「……遅いな、ここまでかかるとはな。」
八幡「はい、URAもそれだけ苦戦してるって事でしょうね。そのくらい2人に差が無いって事なんでしょう。皐月賞と同じく良い勝負でしたからね。」
黒沼「あぁ。「マスター。」ブルボン……」
ブルボン「申しわけありません、マスター。オーダーを完遂する事が困難な状況になってしまいました。」
黒沼「まだ審議中だ、そう気を落とすな。それに追い上げて来たライスシャワーを相手によく最後まで粘った。そこは誇っていい。」
ブルボン「はい、ありがとうございます。」
全然喜んでるように見えねぇ……アレって喜んでいるのか?無表情のままなんだが?
ライス「お兄様〜。」
八幡「おぅ、ライス。レースお疲れさん。」
ライス「うん、ありがとう。」
八幡「今回も抜けなかったか……いや!それはまだ分からないな。苦労したか?」
ライス「うん、想像以上にブルボンさんが強くなってたからびっくりしちゃったよ。」
八幡「そうだな……だがよくやったな。後ろとの差は5バ身も離している。お前とブルボンの一騎打ちだったしな、無理も無い。」
ダービーでこれだけの勝負をしたのは後にも先にもこれが初めてだろう。それがウチの担当しているウマ娘とは鼻が高い。
八幡「まっ、よく頑張ったな。」ナデナデ
ライス「えへへ〜……」ピョコピョコ
ブルボン「……トレーナー、私にも同じ事を強く所望します。お願いします。」
八幡「いや、お前は黒沼さんにやってもらえよ。」
ブルボン「マスターはそういった行動には無関心・無頓着です。なので心得のあるトレーナーにお願いしています。」
おい、今コイツ遠回しに黒沼さんの事ディスってなかった?それが理由だとしても何で俺に?
ブルボン「トレーナー……いえ、そうですね……では兄さん、是非お願いします。」
八幡「何でそれで通ると「是非、お願いします!」お、おぉう………そんなグイグイ来るなよ。分かった、やるから。だからそんなに寄るな。」
黒沼「俺もそういう技術を身に付けた方がいいのか?どう思う比企谷?」
八幡「いや、いらないと思います。俺も捨てられるのなら捨てたいレベルです。」
ライス「お、お兄様それはダメッ!!」
ブルボン「はい、ダメです。絶対に。それから兄さん、早くナデナデしてください。」
八幡「はいはい、やる『お知らせ致します、東京10レースの審議の結果、13番ライスシャワー並びに15番ミホノブルボン、この2人を同着扱いするものとします。』……同着、か。雪辱は果たせなかったか。」
黒沼「……素直に喜べないのが痛いな。」
八幡「ですね。はぁ………菊花賞までお預けか。」
ブルボン「2冠達成……とはいえ首の皮1枚で繋がったみたいですね。ここは痛み分け、ですね。」
ライス「……うん、そうだね。今日は同着だったけど、次こそライスが勝つからね!」
ブルボン「………ふふっ、次のレースではライスさんが1番の強敵になりそうですね。」
八幡「ほれ、お前達は早くウィナーズサークルに行け。皆さん待ってるぞ。」
ライス「あっ、うん!じゃあ行ってくるね!」
ブルボン「ではマスター、行ってきます。それから兄さん、ナデナデをお忘れなく。」
くそ、アイツ抜け目無いな………
それから2人は皆に祝福されていた。ライスもブルボンもお客さんに手を振って歓声に応えていた。ブルボン、ある程度の愛想は撒けよ……あれずっと無表情じゃね?ライスでもちょっとは愛想はあるぞ?
ーーーライブ後ーーー
八幡「今日のライブは異例だったな……まさか1着が2人だからってセンターを2人にするとはな。3着と4着をサイドにするって贅沢な使い方するよな。」
ライス「そ、そうだね。あれ、ブルボンさん?」
八幡「え?」
ブルボン「お待ちしてました。お疲れ様ですライスさん、兄さん。」
八幡「兄さんやめろ。今まで通りトレーナーでいいから。んでお前どうしたの?黒沼さんは?」
ブルボン「私がマスターにお願いしたんです。兄さんと一緒に帰りたいと。それに15時43分27秒に交わした約束もまだ未達成なので。」
八幡「……何の事?」
ライス「お兄様、きっとナデナデの事じゃない?」
ブルボン「肯定します。なので兄さん、ナデナデを強く所望します。」
スゲェなおい、それだけの為に此処に残ってたのかよ。仕方ない、もうやるしか無いよな。
八幡「はいはいやるから。けどまずは学園に帰ろうな?俺とライスにはやる事があるから。」
ブルボン「承知しました。」
それから俺達はブルボンを連れて学園へと戻った。それと何故かは分からないが、俺の両腕はライスとブルボンの2人に占領されていた。別に逃げたりしないのにどうしてだろうか?
結果は同着……今回は引き分けでしたね。