八幡side
ライスの実家からトレセン学園に帰還してから、早1ヶ月が経った。年を越えた今でもライスはトレーニングに励んでいる。年末年始の2日は流石にトレーニングを休みにしたが、それ以降はずっとトレーニングだ。これはライス自身も望んだ事で『お家に帰った時にいっぱい休めたから、今は自分を強くしたい。』という理由で次のレースに向けて追込中だ。しかし何故だろうか?去年ライスの実家に帰ってきた時からなのだが、ライスのやる気が異常に高い気がする……俺、別に何もしてないんだが。
ライス「お兄様~、どうだった?」
八幡「あぁ、また記録更新だ。着実に成果が出てるな。良い傾向だ。この調子なら日経賞も楽々いけそうだな。」
ライス「でもライスが目指してるのは天皇賞・春だから。もっと頑張らないとっ!」
八幡「目標を高くするのは結構だが、最初から飛ばし過ぎるなよ。無理に背伸びしても良い事は無いからな。ライス、お前は出来る事をコツコツ積み上げていくタイプだ。それに頭も良い、だからちょっとずつな出来る事を増やしていこうな。」
ライス「うん、分かった!」
素直に聞き入れるところもライスの美徳だな。最初に走りを見た時から分かってはいたが、ライスは無駄な事で余計な力を使わない。他のウマ娘が力んだりするところでも、ライスにはそれが無い。加えて俺が伝えた事だけを忠実にやってくれるから本当の意味で器用な事をする奴だって思ってしまう。
ライス「え、えっと……お、お兄様?」
八幡「ん、どうした?」ナデナデ
ライス「えっと…何で頭を撫でてるのかなって思って。」
八幡「っ!済まん、無意識だった。」パッ
ライス「う、ううん!嫌だったわけじゃないんだけど、ライス今トレーニングしてきた後だから汗いっぱいだから……」
八幡「……そうだな、少しデリカシーが無かったな。これからは気を付ける。」
ライス「お、お願いします……あっ、でも普段なら大丈夫だからね?今は汗でお兄様の手が汚れちゃうからって意味だから。」
なんておねだり上手な子なんでしょうか。勝手にトレーニングに参加してきたり膝枕をしてくるどっかの自由奔放ウマ娘とはエラい違いだ。少しはライスのこういうところを見習ってほしいものだ。
ーーートレーニング終了後・部室ーーー
ライス「あっ、そうだお兄様。この前お買い物に行った時にお店に人から福引券を貰ったんだ。よかったら使ってくれないかな?」
八幡「?何で俺なんだ?ライスは引かないのか?」
ライス「えっと……ライスがやっても参加賞のポケットティッシュばかりだから。えへへ……」
………なんとなく納得出来てしまうのが少しだけ悔しくなる。けど福引って殆どの場合そうなるのが普通じゃないのか?あんまやった事無いから知らんけど。
八幡「けど大抵はそれが当たるんじゃないのか?」
ライス「去年、ウララちゃんとロブロイさんと3人で回したんだけどね……ライスだけ参加賞で2人は2等のにんじん山盛りだったんだ。」
八幡「………」
……店員が何か仕組んだんじゃね?
八幡「よし、じゃあこの後行ってみるか。実は俺も買い物して福引券1枚あるから2人で1回ずつできそうだ。」
ライス「で、でも良いのかな?もしまたポケットティッシュだったら………」
八幡「それはそれでいいんだよ、わざわざ箱ティッシュを買わずに済むんだから。」
ーーー商店街ーーー
八幡「これか……」
ライス「景品は……去年と変わってないみたい。」
八幡「ラインナップは?」
_____________________________________________
_____________________________________________
八幡「ふぅん……まぁ確かに新春らしいな。」
ライス「あ、当たるかなぁ……」
八幡「まっ、ティッシュだったら箱ティッシュ買わずに済むし、にんじんだったら食料に困らないし、ハンバーグなら晩飯食べずに済むし、特賞の温泉旅行当たったら………まぁその内だな。」
「さぁさぁ!新春・福引大会開催中だよ〜!!」
八幡「すみません、俺ともう1人この子とで2回お願いします。コレ、券です。」
「あいよ〜!」
んで俺は福引のレバーに手をかけて回してみた………
結果はーーー
「2等賞〜!!賞品は『にんじん山盛り』です!」
チリチリチリィ∼ン!
八幡「おっ、2等か。当たりだよな。」
ライス「わぁ〜凄いお兄様っ!」
八幡「よし、これでライスに美味い料理を作ってやれるな。美味いにんじん料理を作ってやるからな。」
ライス「えへへ〜……ありがとうお兄様。」
八幡「じゃあ次はライスだな。」
ライスは持っていた福引券をおっちゃんに渡してからレバーを回した。ライスは結構緊張しながらゆっくり回していた。
結果はーーー
「なんとっ!おめでとうございまぁぁぁす!!特賞『温泉旅行券』、出ましたぁ〜!!!」
チリチリチリチリチリチリィィィ∼ン!!!
ライス「………ふぇ?」
八幡「………わぉ。」
ライス「わぁ……やった!やった!!お兄様、ライス特賞当てちゃったよ!!」
八幡「まさか特賞を当てるとはな……良かったなライス、しかも結構有名な温泉旅館だ。」
ライス「うん!きっとお兄様が一緒に来てくれたからだよ!ライスこんなの初めてだよ!!」
八幡「ならその券は大事にとっておかないとな。」
こうしてライスは初めての特賞を取った事でウキウキになりながら帰路に着いた。俺も俺でライスに美味いにんじん料理を考えなければならないな。
フォントとか色とか色々やってたら時間掛かってしまいました……ライス、特賞おめでとう!!