八幡side
ライスとのトレーニングが終わって漸く帰路に着ける………わけも無く、俺は2人に連行されるような形で駿川さんの所に向かい、契約書を書き終わったところだ。もう2人から『絶対に逃がさない。』と言わんばかりの圧力を感じながら契約書を書いていたのだ。ねぇ分かるこの俺の気持ち?しかも駿川さんなんて同情してくれたのか分からんけど、超いたたまれない顔をしていたんだぞ?
たづな「……不備は無いようですので、これでお2人は正式に比企谷トレーナーの担当ウマ娘となりました。比企谷トレーナーはライスシャワーさんとの経験もあるので、細かい事は理解しているとは思いますが、これから頑張ってくださいね。」
八幡「はい、ありがとうございます。」
たづな「それにしても……凄いですね。」
八幡「いや、この場合俺がじゃないですからね?この2人の行動力というか一意専心には驚かされましたよ。トレーニング中もずっと居たくらいですから。」
ルドルフ「兄さん、そう言われると照れるじゃないか。だが悪い気はしないよ。」
シービー「八幡ったら褒め上手だなぁ〜もうっ!」
八幡「皮肉を言ったんだよ気付けっ。はぁ………辞令が下ったのはついさっきなのに、他のウマ娘を見る事無く担当が決まるとは俺も予想外ですよ。」
たづな「ですが納得は出来ますよ?比企谷トレーナーはミスターシービーさんとシンボリルドルフさんのお2人をトレーニングに参加させる事が多かったではありませんか。」
八幡「ルドルフは誘いましたが、もう1人はいつの間にかですよ。俺のトレーニングメニューが気に入ったのかどうか知りませんが、勝手に参加するようになったノラ娘ですよ。」
シービー「ちょっと〜誰がノラ娘さ〜!」
八幡「お前以外に俺とライスの部室に入り浸る奴が居ると思ってんのか?次からは入場料いただくぞ。」
シービー「残念っ♪あたしはもう八幡の担当ウマ娘だから入り浸れるもんね〜♪」
八幡「………そうだった。」
ルドルフ「とはいえ兄さん、これからはご指導ご鞭撻の程よろしく頼むよ。君にならば全幅の信頼を置けるからね。」
八幡「……まぁ引き受けると決めたからには俺も最後までお前達の面倒は見るつもりだ。よろしくな。」
たづな「では私はこの事を理事長に報告しますので、これで失礼します。」
まぁそういうわけで、俺達もその場から離れて廊下を歩いている。ホント速攻で決まっちまったな〜2人の担当。だって部室に戻ってきて1〜2分くらいで担当にしろと迫られたんだからな?マジでどうなってんのって思っちまったよ。
八幡「明日からメニュー、考え直さないとなぁ……」
シービー「頑張って八幡!応援してるよ!」
八幡「その頑張らなきゃいけない理由を作ったのは俺の両隣だってのを忘れないようにな?急過ぎんだろ……まぁ知らない奴よりかはやりやすいとは思っているが。少しは時間をくれよ………」
ルドルフ「長引けば長引く程危険だと思ったんだ、君は今でも人気だからね。この学園の生徒皆の兄なのだから。」
八幡「誰が兄だ誰が。いつの間にかそう呼ばれてただけでなった覚えなんてねぇよ……」
ライス……ちょっとで良いから俺を慰めてくれ。
シービー「げっ………」
ルドルフ「ん?どうかしたの……成る程。」
八幡「………」
ヤバい、今1番会いたくない奴に真正面から出会っちまったよ……今日は何だ?厄日か?
先輩2「おい比企谷、何でその2人と居るんだ?」
八幡「………言ったら信じます?」
先輩2「……内容次第だ。」
八幡「絶対信じないじゃないですか、それ……なら別に言う必要なんて無いですし、失礼します。」
先輩2「おい、質問に答えろ。」
八幡「だから信じてもらえないのに言っても仕方ないから言わn「あたし達、八幡の担当になったからその手続きとその帰り。」………はぁ。」
先輩2「………何だと?」
シービー「2度は言わないから。じゃあ質問には答えた事だし行こうよ八幡。」
先輩2「おい待て!!ソイツはまだ担当を1人しか持てない筈だ!それなのに何でお前達2人が担当になれるんだ!?」
ルドルフ「この辞令を持ち歩いていて正解だったよ。これは先程、理事長が生徒会宛に通達された内容だ。しっかりと秋川理事長の捺印がある事から、偽造されたものでは無い。」
ルドルフが持っていた紙を先輩2に渡した。それを見ていた先輩2は身体を震わせていた。いやちょっと待って、段々紙がクシャクシャになってんだけど?それ生徒会のだからな?
ルドルフ「そういうわけだ、だから我々は彼の担当になってもらうように頼み、それを受け入れてもらっただけの話だ。」
先輩2「………」プルプル
ルドルフ「そろそろそれを返してもらいたいのだが、いいだろうか?」
先輩2「……おい比企谷、お前どうやって理事長やこの2人に取り入ったんだ?」
八幡「はい?」
先輩2「どうせお前がやったんだろ?早く出世したいからとかそういう理由を隠してあたかも真っ当な理由を揃えて納得させたんだろ?」
八幡「適当な事言わないでもらえますか?俺だってさっき知らされたばかりなんですから。」
先輩2「もっとマシな言い訳をつけよ。どうせアレだろ?金が欲しいからだろ?クラシックで2冠に加えて最優秀クラシックまで受賞したんだからな、欲が出たんだろ?」
シービー「君さ、八幡の事をよく知りもしないのに勝手な事ばっか言わないでくれる?それにあたしは君なんかよりも八幡をトレーナーに選ぶよ。その方が絶対に楽しそうだしね。」
ルドルフ「シービーの言葉を全て肯定するつもりは無いが、私も概ね賛同だ。私達のトレーナーに対する誹謗中傷はやめてもらいたい。」
先輩2「担当に守られてるだけかよ、お前は?担当に庇ってもらうだけで何も言えないのか?恥ずかしいヤt「自分の担当にさえも契約切られて逃げられてるようなアホに言われたくはないですよ。」何だとっ!!?」
八幡「俺に突っ掛かるよりもやる事やったらどうですか?前から思ってましたが、俺達の事を見るのは結構ですけどその時間は有効に使えなければただの無駄な労力にしかなりませんからね?油売ってる暇があるんだったら次のパートナーを探したらどうなんですか?まぁ、今の貴方を見て一緒に上を目指そう、なんて気には到底なれないと思いますけどね。」
先輩2「テ、テメェ………」
八幡「では俺達はこれで本当に失礼します。それとコレ、返してもらいますからね。」
………今日は余計な事が起こる日だったなぁ。
悩みの種が増えた予感………