比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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天皇賞に向けて

 

 

八幡side

 

 

八幡「………」カキカキ

 

 

ここはどうする?本練習でキツくしたいからまだあんまり追い込まない方がいいか?でもそしたら足りない気もしなくもないんだよなぁ……けど本練習前に潰れたら意味無いし……ムズいなぁ。

 

 

「……や君……企谷君、比企谷君!」

 

八幡「っ!おう、桐生院か……どうした?」

 

葵「どうした、じゃないですよ。一体どれだけ集中してたんですか?もう夜中ですよ?」

 

八幡「え?」

 

 

時計を確認すると、11時半になっていた。あれ?さっき確認した時は9時だったのに……時間が経つのは早いもんだな。1時間は経っているとは思ってはいたが、まさか日付が変わる数十分手前までずっと考え込んでいたとは………

 

 

八幡「悪い桐生院、集中し過ぎてたみたいだ。」

 

葵「本当ですよ。私がミークとのトレーニングを終えて、此処に帰って来たのが6時半くらいだったのを考えると、かれこれ5時間はその状態だったって事ですよ?一体何を書いていたんですか?」

 

八幡「天皇賞に向けてのトレーニングだ。」

 

葵「成る程……とても熱心なのは伝わりましたが、そこまでして考える程なのですか?」

 

八幡「………まぁ、な。」

 

 

あんな真っ直ぐな気持ちを正面から言われたら、俺ならそれに応えねぇとって思っちまう。

 

 

ーーー回想・部室ーーー

 

 

シービー「んうぅ〜!今日も終わったぁ〜!」

 

ルドルフ「君はその台詞を口癖のように使うね。」

 

シービー「いやいや、本当に思ってる事だからね。まぁ楽しいからもっとやりたいって気持ちもあるんだけどね。」

 

ルドルフ「それは同意だ、兄さんのトレーニングは私でも思いつかないような奇想天外な内容が多いからね。勉強になるよ。」

 

八幡「そいつはどうも。」

 

ライス「………」

 

シービー「あれ、ライスどうしたの?なんか今日はずっと静かだけど……」

 

ライス「……ねぇお兄様、この前の日経賞の事なんだけど、良いレースだった?」

 

八幡「?あぁ、結果抜きにしても俺は良いレースだったと思うぞ。追い出しのタイミングもキレイにハマってたしな。」

 

ライス「じゃあ、あの走りでライスはマックイーンさんに勝てる?」

 

 

この時、ライスから初めて指摘らしい指摘をもらった。日経賞のような走りで天皇賞を勝てるか………正直に言えば

 

 

八幡「いや、無理だ。」

 

ライス「……やっぱり。」

 

ルドルフ「兄さん、そんなにハッキリ言うのかい?」

 

八幡「相手は天皇賞・春を2連覇しているメジロマックイーンだ。地の利も経験も向こうの方が何倍もある。方やこっちは菊花賞しか京都を走った経験が無い上に当たり前だが今回が初参戦、悪い言い方をすれば勝てる理由の方が少ない。」

 

シービー「じゃあ、八幡はライスでも勝てないって言いたいの?」

 

八幡「そんな事を言うつもりは無い。確かに向こうはこれまで経験してきた走りや京都レース場の地形や感覚、どれを取っても1番よく知ってるだろう。だがそんな相手でもライスには1つだけ勝っている部分がある。」

 

ライス「…それは?」

 

八幡「ステイヤーとしての能力だ。」

 

ルドルフ「それはどういう意味だい?」

 

八幡「マックイーンは中距離から長距離を得意としている。これはライスも一緒だが中距離だけを比べるとマックイーンは上を行ってるだろう。この前の大阪杯レコード勝ちがその証拠とも言える。ライスも中距離は走れるが、レコード勝ちを収められる程では無い。だが長距離は違う、マックイーンが卒なくこなせる中長距離タイプだとすれば、ライスは中距離だって走れる長距離特化型タイプだ。だから本来持ってる長距離の才能としてはライスの方が上だと俺は思ってる。」

 

ライス「………」

 

シービー「じゃああたしは?」

 

八幡「お前はマックイーンと同じだ。まぁそれよりもちょっとだけ幅広く走れるだろうけどな。」

 

シービー「ほうほう……」

 

ライス「ねぇお兄様。」

 

八幡「ん?」

 

ライス「ライス……マックイーンさんに勝ちたい。」

 

八幡「っ!」

 

 

この時のライスの目、俺を真正面から見ていた。それはいつもの事なのだが、今回のは眼力も違った。本当にやりたい、そんな意志が顔からも目からも見て取れた。

 

 

シ・ル「………」

 

八幡「………分かった、その気持ちに俺も応えよう。」

 

ライス「っ!ありがとう、お兄s「だが、お前は地獄を見るぞ。」……え?」

 

八幡「さっきも言ったが、マックイーンは2連覇してるから色々と武器を持ってる。だがこっちは何も無い。そんな相手に勝つには地力もそうだが何よりも胆力、謂わば気力が必要だ。これはブルボンのトレーナーの黒沼さんからの受け売りだが、『精神は肉体を超えられる。』という言葉を貰った。だから俺は天皇賞までのトレーニング中、心を鬼にする。厳しい言葉をぶつけたりするだろう。加えてメニュー内容も一新してハードになる。それでもやるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライス「うん、やりたい!ライスは勝ちたいっ!」

 

八幡「………」

 

 

あんな目は今まで見た事無い……それ程の覚悟を持ってるって事だ。

 

 

八幡「分かった。じゃあ明日から開始だ。ルドルフとシービーもやっていいが、最後まで付き合わなくていいからな。これはライスに課した事だからな。」

 

ルドルフ「内容にもよるが、出来るだけ最後までやりたいと思ってる。よろしく頼むよ、兄さん。」

 

シービー「あたし達八幡の担当だからね、仲間1人だけでやらせるつもりは無いよ。」

 

八幡「あぁ、ありがとうな。」

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

八幡「あんな風に頼まれたら、こっちも本気になるってもんだろ………」

 

葵「?比企谷君?」

 

八幡「いや、何でもない。そろそろ俺も上がる。悪いな、面倒をかけて。」

 

葵「いえいえ。」

 

 

 




遂に始まる、スパルタトレーニング!
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