比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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最後の追い切り

 

 

マンノウォーside

 

 

八幡「………」

 

マンノウォー「………」

 

 

ライスシャワーのトレーニングを見るという事で、私は隣に居る八幡のトレーニングを見学している。天皇賞は今週に行われるのだが、八幡がライスシャワーに与えているトレーニングは追い切りでやらせるようなトレーニングでは無かった。寧ろ追い込みに近いトレーニングだった。にも関わらずライスシャワーは淡々とこなしている………私も彼女の調子が良いというのはある程度走りを見て理解はしていたが、まさかここまでとは思わなかった………そんな感想だ。

 

 

八幡「……よし、良くなってきている。ライス、分かってるとは思うが直線に入るまではマックイーンをしっかりとマークしておけ。4コーナーを曲がってから一気にスパートだ。」

 

ライス「うん、分かってるよお兄様。それまではしっかりとマックイーンさんについていくから。」

 

八幡「それでいい、残りもその調子で行くぞ。」

 

ライス「はい!」ダッ!

 

マンノウォー「追い切り、なのだろう?それでこのメニューとは、思い切ったな……」

 

八幡「俺も悩みました。でもライスは本気みたいでしたからね、多少……いやかなり追い込んだメニューでも泣き言を言わずにやってくれましたよ。」

 

マンノウォー「この1ヶ月のハードトレーニングに加えて追い切りでは通常トレーニングと同じような負荷内容のメニュー、普通のトレーナーであれば勝負を捨てたように見るだろうな。」

 

八幡「えぇ……けどライスの目を見れば分かります。あの目が本当に諦めている奴の目かどうかなんて、素人でも見ただけで分かります。」

 

マンノウォー「……あぁ、そうだな。」

 

 

ライス(……まだ、まだライスは出来る。もっと……もっと……もっと!!)バチッ!!

 

 

八幡「っ!?」

 

マンノウォー「っ!」

 

 

………何だ、今のは?一瞬、全身に電気そのものが迸ったような感覚は……

 

 

八幡「……まさか、ライスが?」

 

マンノウォー「可能性は充分あり得る。」

 

八幡「っ!先生もお気付きに?」

 

マンノウォー「うむ……この感覚、私が現役の頃でも味わった事が無い。これは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間違いなく………化ける!

 

 

マンノウォー「……八幡、学園から許可を取れないか?今日から金曜まで夜にランニングをさせたい。」

 

八幡「え?でも今日が最後の追い切りでその後は調整する予定なんですけど……」

 

マンノウォー「口出しをしないという約束を破るのは申しわけ無いと思っている。しかし私も見たくなってしまった、本来の、本当の『ライスシャワー』というウマ娘の姿を。」

 

八幡「………本人と相談しましょう。」

 

マンノウォー「ありがとう、感謝する。」

 

 

トレーニング終了後、私はライスシャワーと八幡の3人とで話し合った。結果、ライスシャワーはもっとやりたいと思っていたと自白した事でランニングが決定。問題は門限を過ぎてしまう事なのだが………

 

 

八幡「アマゾン、何とか頼めないか?」

 

アマゾン「まさかアンタからそんな事を頼み込まれるなんてね……意外だよ。」

 

八幡「天皇賞の為に出来る事は全てやっておきたい、だから………頼む、この通りだ。」

 

アマゾン「ちょっとやめなって!男が簡単に頭なんて下げるもんじゃないよ!ふぅ……トレ公にはあたし達美浦寮の子達も世話になってんだ、そのくらいの頼みなら聞いてやるよ!ただし、9時までだからね!」

 

八幡「……あぁ、ありがとうな。」

 

マンノウォー「急な頼みを引き受けてくれて感謝する、こちらも本気でな。」

 

アマゾン「………なぁトレ公、あたしこの人に凄い見覚えがあるんだけど。」

 

マンノウォー「ん?何処かで会ったか?」

 

アマゾン「い、いやぁ……多分あたしが一方的に知ってるだけだと思うんだよ。」

 

八幡「あぁ〜お前アメリカ出身だしな、当然か。この人は俺の師匠の師匠でマンノウォーさんだ。お前達アメリカ出身のウマ娘からすれば英雄的存在だろう。」

 

アマゾン「やっぱり!!!」

 

 

アマゾン、それと理事長の秘書にも了解を取れた私達は金曜日まで夜のランニングが決定した。本当は土曜日までやりたかったが、土曜日は京都まで移動しなければならないからな。

 

 

マンノウォー「よし、これでギリギリまで様子を見られるな。八幡、これは私が言い出した事だ、故に私も付き合う。よろしく頼む。」

 

八幡「はい、よろしくお願いします。」

 

 

マンノウォーsideout

 

八幡side

 

 

……なんかこの時間にランニングなんて新鮮だな。今までは朝にやるのが普通だったが、金曜日までライスに夜のランニングをやらせる事になった。ライスもまだ走りたそうにしてたから俺とお師匠さんに言われた時はちょっと嬉しそうにしてたなぁ〜。

 

 

八幡「よし、じゃあ今日から夜のランニングをしてくけど、いつも通りでいいからな。」

 

ライス「うん。けどお兄様、どうしてジャージなの?」

 

八幡「ん?俺も走ろうと思ってな。お前1人だと寂しいだろ?プロフェッサーは走りを見てくれるっていうから俺も一緒に走ろうと思ってな。」

 

ライス「そうなの?」

 

八幡「あぁ、今言ったが普通に走って大丈夫だからな。変に何も変えなくていいからな。」

 

ライス「お兄様と一緒に走るのってなんか新鮮だなぁ〜じゃあ一緒に走ろうねっ。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

今日は水曜日だから今日を入れて3日は走れるって事になるな。これで何かが変われば良いが………

 

 

ーーー金曜日・夜ーーー

 

 

金曜の夜になった……今日でランニングも終わりだ。最後の最後まで追い込んで来た。それで肝心のライスなんだが………

 

 

ライス「………」コオォ…

 

 

すげぇ仕上がりになった………今までとはオーラも目の色も何もかも違う。

 

 

八幡「………完成だ。」

 

 

 




ライス、ついに鬼が宿る?
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