比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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Rice, demon dwells

 

 

八幡side

 

 

日曜日の京都レース場、ついこの間までは中山と阪神で賑わいを見せていたのだが、今日はまた一段と大きな賑わいを見せていた。その理由は言わずもがな、緑に白の横断幕がたくさん張られていて、尚且つ大々的に『夢の3連覇!!』なんてのも飾られているからだ。【名優】メジロマックイーンの天皇賞・春3連覇はいつの間にか殆どの連中が取れて当たり前、当然みたいな雰囲気を出していて、負ける事なんて微塵も考えていないような活気だった。

 

俺からしてみれば、そんな風に考えられる時点で能天気というか他のウマ娘の事なんて全く見ていないんだなって思ってしまう。走るのはメジロマックイーンだけじゃないってのに、ソイツだけが主役扱い………何とも滑稽な事だ。

 

………あぁヤバい、何かいつの間にか攻撃的になってる。周りの連中のせいか、少しイライラしてんだよな。このレース場に入った時なんてこんな会話が聞こえてきたんだ。

 

 

『なぁ。今日の天皇賞、誰が勝つと思う?』

 

『おいおい何だよその質問wwそんなのメジロマックイーン以外あり得ないだろ。他に誰が勝つっていうんだよ?』

 

『ほら、去年の菊花賞ウマ娘のライスシャワーが2番人気だぞ?可能性は?』

 

『無い無い!菊花賞を勝てたのはすげぇけど、天皇賞・春を2回も勝ってるマックイーンに勝てるわけ無いだろwwそれに場数も経験も違うんだから今年もマックイーンだって!』

 

『はははっ、それもそうだなww』

 

『それにもしライスシャワーが勝ったとしたら、空気読めなさ過ぎだろ。3冠阻止しておいて今度は3連覇も阻止するのかよってな!』

 

『そりゃ違い無いな!』

 

 

………よくもまぁあんな事を担当トレーナーである俺の横でベラベラと話せたもんだ。それにソイツ等、ライスのファンにもケンカ売ってるしな。

 

 

ルドルフ「兄さん、どうかしたのかい?」

 

八幡「……いや、何でもない。ちょっとな……」

 

ルドルフ「?」

 

シービー「それよりもさ〜八幡、そんな顔してたらライスが心配しちゃうでしょ?もっと笑顔の方がライスは喜ぶと思うよ?」

 

八幡「いや、その心配は無い。」

 

ルドルフ「どうしてだい?」

 

八幡「今のライスはそんな小さい事でオロオロするような空気じゃない……寧ろ、下手に何かを言わない方が良いかもしれない。」

 

シービー「へ?もしかして体調悪い「いやそうじゃない。」………じゃあ何で?」

 

八幡「………姿形はライスなのに、中身は何か別の凄い生命体……みたいな、恐ろしい雰囲気を纏ってた。俺も2年間ライスと過ごしてきたが、あんなのは見た事が無い。近くに居るだけでも鳥肌も冷や汗も止まらなかった。」

 

ルドルフ「……それ程、なのかい?」

 

八幡「あぁ。お前達も来るか?俺は作戦伝える為に控え室に行くけどよ。正直、オススメはしないぞ。」

 

ルドルフ「いや、同じチームメイトだからね。私も激励を送るよ。」

 

シービー「あたしもっ!それにどんな様子なのかもちょっと気になるし。」

 

八幡「そうか……では先生、プロフェッサー、少し出てきます。川崎もな。」

 

タリアト「うむ、行ってくるといい。」

 

 

ーーー控え室前ーーー

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「ライス、俺だ。開けてもいいか?」

 

ライス『……うん、いいよ。』

 

八幡「じゃあ入るからな。」

 

 

2人は既に空気の違いを感じ取っているのか、顔色が悪くなっていた。それに……冷や汗をかいている。

 

 

八幡「作戦を伝えに来た。まぁ昨日打ち合わせた通りなんだけどな……ライスはどう走る?」

 

ライス「……昨日の通りで大丈夫だよ、お兄様。わざわざありがとう。シービーさんと会長さんも。」

 

シービー「……ううん、大丈夫大丈夫!勝ったらまた例のお店で祝杯だからねっ♪」

 

ルドルフ「そうだな、君らしいレースを期待しているよ。ライスシャワー。」

 

ライス「……はい。」

 

 

……2人も限界だな。人間より色々と敏感なウマ娘を流石に長時間もこの空気の中に放り込む事はできない。撤収だな。

 

 

八幡「じゃあライス、邪魔したら悪いだろうから俺達は観客席で見てる。頑張って来い。」

 

ライス「……うん。」

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

八幡「……どうだ、俺の言った意味が分かったか?」

 

ルドルフ「兄さん、アレが本当に私達の知るライスシャワーだと言うのか?あの気迫、雰囲気、何もかもが別人だ。アレが我々と同じウマ娘だと?」

 

八幡「残念ながら事実だ。それだけ今のライスは桁違いって事だ。お前も同じウマ娘なのかと疑問に思う程には、な。」

 

シービー「あたし、八幡の言った通り冷や汗が止まらなかった………怖い、ではないんだけど、なんていうか………ごめん、よく分からない………」

 

八幡「無理に表さなくていい、なんとなく分かる。俺もそうだったからな。それにあれ以上お前達をあの場に居させるわけにもいかなかったからな。」

 

 

2人だからまだこの程度で済んで良かったが、新入生やライスを知らない奴があの場に居たら………怖くて怯えるのなんて目に見えてる。

 

 

八幡sideout

 

マックイーンside

 

 

実況『そしてまだ姿が見えませんが、不動の1番人気はメジロマックイーン。優勝に最も近いのはこのウマ娘でしょう!』

 

 

マックイーン「……?」

 

 

誰でしょう?私の他にまだ入場していない方が?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライス「ふぅ……すぅ……ふぅ……すぅ……ふぅ……すぅ……

 

マックイーン「っ!!?」

 

ライス「ふぅ……すぅ……ふぅ……すぅ……ふぅ……

 

 

な……何なんですの、彼女は?

 

 

ライス「すぅ……ふぅ……すぅ……ふぅ……すぅ……ふぅ……

 

 

一体、何をしたらあのような………アレは、アレではまるで………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マックイーン「鬼が宿ったかのような………」

 

 

 




ライス、遂にっ!?
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