比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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会談、の筈が……

 

 

八幡side

 

 

今日1日の京都レース場のスケジュールが終わった。なので今は夜だ。俺は今、担当の3人と仲良く電車に揺られて……いるわけではなく、京都レース場の中にある和食料理店『藤』に居る。担当の3人には沖野さん達と一緒に先に帰ってても構わないと伝えたのだが、ルドルフだけはこれからに関わる事だからと出席している。分かってはいたが、周りは名家の当主やURAの幹部ばかりだ。そして先生とプロフェッサー、理事長に駿川さんも。

 

 

スピード「改めて名乗ろうか、私はスピードシンボリ。シンボリ家の先代当主で現URAの副会長を務めている。そして隣に居るのが現当主のスイートルナで私の娘だ。」

 

スイート「娘のみならず、シリウスやクリスエスがいつもお世話になっています。貴方の事はよく聞いております。とても頼りになるトレーナーだと。」

 

八幡「光栄です。ライスシャワー、シンボリルドルフ、ミスターシービーの3名の担当をさせていただいております、トレーナーの比企谷八幡です。」

 

スピード「堅苦しい挨拶は抜きにしてまずは自己紹介から始めよう。まずは我々URAからサクラシンゲキ、ヴィクトリー倶楽部総帥だ。次にヒシマサル、ヒシファミリーの会長を務めている。最後にハギノトップレディ、言わずもがな【華麗なる一族】の一員だ。では次にトレセン学園に出資を主な活動として行っている名家のメジロアサマ、メジロ家現当主。次にアグネスレディー、アグネス家当主。以上だ。」

 

 

胸焼けしそうな面子だ……此処に居る殆どがウマ娘界の顔とも言って良いくらいの名を馳せたウマ娘で、トップなんだからな。

 

 

マンノウォー「では次は我々だな。そちらに居るトレセン学園の理事長と秘書は皆知っているだろうからな。私はマンノウォー、アメリカのウマ娘だが今回は孫弟子の八幡が育てたウマ娘のレースを観戦する為に来日した。隣が弟子のセクレタリアトだ。【ビッグレッド】の方が親しみがあるか?」

 

トップ「……アメリカ史上最高のお2人が、比企谷トレーナーの師?」

 

レディー「これは驚いた!まさかこんな所でお目にかかれるなんてねぇ……フフフ。」

 

マサル「あ、後でサイン貰わないとっ!!」

 

 

……やはり先生達は日本でも伝説級らしい。

 

 

スピード「では比企谷君、単刀直入に聞こう。君はあの場で発した言葉に嘘偽りは無いか?正直に答えてほしい。」

 

八幡「質問を返すようですが、スピードシンボリさんは俺の言葉を聞いて嘘だとお思いですか?自分は演者でも役者でもありませんよ。」

 

スピード「そうだろうとも。しかし君の言った事はそれだけ大きな事態を招いた、という事を裏付けている。それにその場の勢いで口にしたという可能性だってある。だから「俺をただの口だけのホラ吹きだと言いたいのか?」………」

 

八幡「あの場で言った事に嘘もエゴも無い。それに、自分が育てたウマ娘が周りの連中にバカにされてるってのに黙って見ているだけの腑抜けになったつもりだって無い。もしこれで嘘だと言うのなら、とんだ詐欺師だ。」

 

 

ルドルフ(祖母上に向かって、何という胆力……それに兄さんも全く怯んだ様子が無い。兄さん、君は一体………)

 

 

スピード「……成る程、物怖じしない度胸に加えてその覚悟、どうやら嘘ではなさそうだ。君を試すような真似をして済まない、心からお詫びしよう。」

 

八幡「理解してくれただけで充分です。」

 

スピード「………」ジィ-

 

 

………今度は何だ?俺の顔を見ている?

 

 

スイート「……母上?」

 

シンゲキ「副会長、どうかされたのですか?」

 

スピード「っ!いや、何でもないさ。ただ、私の憧れの方と佇まいが少し似ていたものでね。」

 

レディ「それは常々仰っていた、副会長のトレーナーが見てきた中で最強のウマ娘に、ですか?」

 

スピード「あぁ、その通りだ。私も実際にお会いした事は無い。見た事があるのは当時の写真のみ。規格外にして常識破り、今も彼女のレースを見る度に心が躍る。特にクラシック最後の菊花賞、後続に影を踏む事すら許さなかった驚異的な実力。成績は11戦して無敗。その後は忽然とレースから姿を消した姿形も知らぬ憧れの方だ。」

 

マサル「気にしなくていいぜ、副会長がいつの間にか憧れになってたウマ娘なんだってよ。」

 

八幡「は、はぁ………」

 

 

すげぇな、これまでの話題をなかった事にするくらい憧れてんだな。あの歳になった今でも、か……どんなウマ娘なんだ?まぁスピードシンボリさんが会った事無いんだから俺が知ってるわけ

 

 

スピード「その方の名は…クリフジというんだ。」

 

八幡「え?」

 

 

………今、婆ちゃんの名前が出てきたんだが?

 

 

スピード「……っ!?んんっ!申しわけ無い、話を脱線させてしまった。話を「あの、少し言いづらいんですけど…いいですか?」む、何かな?遠慮する事は無い。」

 

八幡「今スピードシンボリさんの口から出たクリフジという名前、間違いじゃなければ………俺の祖母です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スピード「君が、クリフジ殿の孫?」

 

八幡「はい。11戦無敗で菊花賞は大差勝ちで未だに更新されていない最大着差。オークスと日本ダービー、菊花賞のクラシック変則3冠を達成したと。証明になるかは分かりませんが俺の髪の天辺のアホ毛、これは遺伝なんです。」

 

スピード「……そうか(……写真でしか見た事が無いのに分かってしまう、確かに若い頃のあの方の面影がある。)君がクリフジ殿の。」ツ-

 

八幡「え……」

 

スイート「は、母上っ!?」

 

ルドルフ「そ、祖母上っ!?」

 

スピード「………フフッ、私も歳だな。」ツ-

 

 

話し合いは一時中断してスイートルナさんとルドルフはスピードシンボリさんの介抱をしていた。場の空気を考えて、3人を残して俺達は『藤』から出た。

 

 

 




スピードシンボリさん、憧れの人の孫に会えて思わず涙壊。

因みに憧れの理由は、スピードシンボリを管理していた調教師さんが「日本競馬史上最強馬は?」というアンケートに対して、迷わずクリフジだと答えたからです。
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